今のが「アーン」です
エルドは、ルシアの善意からくる暴走に振り回されるのだった。
「ほら、侯爵様口を開けて」
「えっ……」
エルドは思わずアキラの方を見る。アキラは肩をすくめるだけだった。
(全く役立たずな奴め……)
「口を開けてください。侯爵様」
そう言ってルシアは肉のかけらをフォークで刺して、エルドの空いている口に放り込んだ。
「……今のが『アーン』です!」
もぐもぐ、ゴクン。
おお……これが「アーン」とやらか。なかなか良いものではないか?
「……これは……なかなかいいものだな//」
「でしょう?侯爵様はまだ調子が良くないみたいなので、ずっとこうしてあげます!」
「えっ?ずっと?それはさすがに……」
「侯爵様!お願いです!まだ調子が悪いのでしょう?」
どうか、悪役令嬢 (になりたい)私にそんなに優しくしないで!!
むしろもっと冷たくしてもいいのよ!
「いや、さっきより良くなったよ!//ありがとうルシア嬢」
(初めて聞いたが、「アーン」は危険だな……ルシア嬢がさらに可愛いくうつってみえる//)
アーンの間、ルシア嬢も口を開けているし。
「それならよかったです!」
これくらいならヒロインムーブにならないわよね?いやなるかもしれないけど。
ででででも私がやりたかったのは本当だから……//
侯爵様、なんてお優しい方。私のやりたい事を全て叶えてくれるなんて……
「侯爵様、あと一つお願いがあるのですが聞いていただけますか??」
「ん?何だ?」
嫌な予感がするな……これ以上何をするというのだ?ルシア。
ルシア様は完全に善意で行っているからタチが悪いですよね。そろそろフウカが止めに来ないと大変そう。
最後まで読んで頂きありがとうございました。




