優しいキキキキ//
エルドから逃げられないように椅子ドンをされたルシア。緊張した面持ちでルシアは気になっていたことをエルドに尋ねるのだった。
そういえば、もう一つ気になっていた事があるわ。
「こ、侯爵様は……何故こんなに私に良くしてくださるの?最初に会った頃からずっと……」
婚約者としての義務?
それとも何か別のーーたとえば好きとかそういう……
「……私に優しくするのは義務、ですか?」
ズキッ!
ああああ私の馬鹿!また自ら傷付くような言葉を……
「義務だと?」
「あっ、やば……」
この感覚は覚えているわ。初めてキスされた時の、部屋中の雰囲気がサッと変わる感じ……覚えがある!
侯爵様は何故か怒っていて、私は壁ドンをされて、わけがわからないうちにキスされて……
『私が離すと思うか?君を……』
思い出して顔に一気に熱が集まる!そうだった!あの時侯爵様は……
「あっあの!今のは冗談で……」
「……もう遅い」
「んっ」
ああああ、私の馬鹿……
いえ!流されてはダメよルシア!!もしかしたらこのキスも私を黙らせるためのモラハラの……
優しいキスだなぁ……//
「こっ、侯爵様!!」
……って、危ない危ない!また流されてうやむやになるところだったわ!
「侯爵様は何故私にこんな事をするんですか!?」
「……こんな事って、キスの事か?」
「そそそそそう!!//キキキキ……//」
どうしよう!恥ずかしくてキスの単語が言えない!//
「ククッ」
侯爵様が笑ってる!//仕方がないじゃない!侯爵様の屋敷に来てから私は初めての事ばかりなんだから!
「何故か……そういえば明確には言ってなかったな」
「えっ?」
「君の事が好きだ、ルシア・カルミナート。それが理由ではダメか?」
侯爵様はそう言いながらまた私の唇に触れた。
「んっ……//」
「……まだ信じられない?」
その時に見た侯爵様の目があまりに真剣で、顔もほんのりと赤くなっていて。
(侯爵様も、こんな顔するんだ……なんか、可愛い)
気付いたら私はぶんぶんと首を横に振っていた。
その時の私は、もう悪役令嬢にこだわる事はしていなかったと思う。
ただ侯爵様の手を離したくなくて、侯爵様の腕の中にずっといたくて。
気が付けば私は侯爵様に抱きついていたのだ!
エルド様男らしい。こんなこと言われたら私も好きになってしまうなぁ笑。なおルシア様はまだ恋に気付かない模様ね!羨まし
最後まで読んで頂きありがとうございました。




