こ、この顔はきっと
回廊で泣いていたルシアを王子様のようにお姫様抱っこで助けたのはエルドその人だった。
「あわわわ……」
この(悪役令嬢を目指している)私がヒロインのムーブをかましていいの!?いや、悪役令嬢でもそんなシーンあったかな??
婚約相手の誤解が解けたあたりで……
「先程から何をブツクサ言っているのだ?汗」
「ああ!すみません侯爵様!私こんなシチュエーションは初めてで!盛り上がってしまいました」
「???」
(盛り上がる?この子は本当におかしな事を言うな……おもしれー女だぜ)
* * *
「落ちついたか?」
私は今侯爵様のお部屋で、落ち着く香りのハーブティーを飲んでいた。
「あ、あったか〜い!!美味しい!体の芯から温めてくれるようですわ!」
悪役令嬢 《になるはず》の私が婚約者様のお部屋でお茶をいただいているなんて!!まことに不思議だわ!本ではこの時点で私は婚約破棄されていて惨めに伯爵家に出戻りか牢屋にぶち込まれているはずなのに!
「…………」
私の顔を見て侯爵様が複雑そうな顔をしている……
こ、これはもしかして……
* * *
「飲んだら出ていくがいい。私は仕事に戻るから」
「ああそう?私よりも仕事がお好きなのね?それとも仕事の他に好きな人でもできたのかしら?」
「だったら何だ?」
ガチャン!!
持っていたティーカップを勢いよく割る悪役令嬢!
「許さないわ!私よりも好きな人がいるなんて!」
ーーってなる顔だわ!!
* * *
「ーーで、ルシア嬢。何故一人で泣いていたのだ?フウカも付けずに……」
「えっ?」
い、言えない……
侯爵様の噂を立ち聞きして一人で傷ついていたなんて……//
「いえ、あれはたまたま目にゴミが入っただけで、決して侍女たちの噂を聞いて傷付いたとかそういう事ではなく……」
「噂?」
(ああああ私の馬鹿!!思った事全部言ってどうするのよ!!)
いつのまにか、侯爵様のお顔がすぐ近くにあった。
ルシア様妄想たくましいね。てかまだ悪役令嬢の夢諦めていなかったのね笑
あなたはこのルシア様が恋に気付く時が来ると思いますか?(聞くな)
最後まで読んで頂きありがとうございました。




