これはまさかの……
侍女のエルドに関する噂を聞きショックを受けるルシア。そこへ現れたのは……
『そうか。わからないなら、わかるようにしていこう』
わからない……侯爵様が何を考えていらっしゃるかわからない!
わかるのは……
香水の香りと、優しい笑顔と、あとは……唇に触れた時の暖かさと、胸板の厚さと、ちょっと意地悪なところと……
あとはわからないわ。
私、侯爵様のこと全然わからないのにキスしちゃった……//
じ、順番が違うのかしら??侯爵様が遊び慣れてるから?それさえも真実はわからない……
『そうか。わからないなら、わかるようにしていこう。私が』
ーーわからないから教えてよ。ねえ侯爵様!何故私はこんなに胸が痛いの??
何故こんなに涙が止まらないの??
「教えてよ……」
ずるずる……っと壁についた手が崩れ落ちる。
ルシアはまるで自分だけが世界から取り残されたような気分になってしまった。
「ぐす、ぐすん」
ルシアは回廊の端で一人蹲っていつまでも子どものようにしくしくと泣いていたーー
と、そこへ。まるで王子様のように。
「ルシア?」
低くて、落ち着くエルドの声が静かな回廊に響いたのだ。
涙で視界が滲んだまま、ルシアは顔を上げる。
そこには、いつもと変わらぬ端正な顔一ーだが、明らかに困惑と焦りを浮かべたエルドが立っていた。
「ルシア?何故こんな所に……泣いているのか?」
「こ、侯爵様!何故ここに……」
「何故って……ここは私の屋敷だからいるのは当然な……いやそれよりもここは寒い、私の部屋に行くぞ」
エルドはそう呟くと、まるで当然のようにルシアの背中と膝裏に腕を回した。
「えっ!?ええええええ!」
「私にしっかり掴まって」
こここここれは!?お姫様抱っこというやつでは!?//
やべー!物語の序盤でヒロインがやられるやつじゃん!!
「あわわわ……」
エルド様スマートでかっこいいよね。
果たしてルシア様が恋に気付く時は来るのでしょうか!
最後まで読んで頂きありがとうございました。




