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侯爵様の悪役令嬢(自称)  作者: 杉野みそら
第四章

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好きとかまだわかんない!

「お嬢様、お気を確かに。好きな人が来てくれて嬉しいのはわかりますが、毎回知恵熱を出されて倒れては困ります」


「ち、ち、ち……違うわ!!私はべつに侯爵様の事が好きなんじゃなくて!ちょっと動揺しただけというか……//」


 ルシアのその言葉を聞いてエルドの眉間に力が入る。


「ルシアは私が好きではないのか?ならなんであの時私からの口付けを受け入れたのだ」


 エルドはみるみる不機嫌になり、口調が硬くなる。


「まあまあ、エルド様落ち着いてください。ルシア様は今混乱しているのです。わかりますか?お嬢様には何もかも初めての経験だったのですから……」


 初めての経験?

 そうか、ルシアにとってはキスも初めての経験。だとしたら恋も……?


 エルドは思わず口元に手を当てて、自然と顔が綻ぶのを慌てて隠した。

 心なしかほんのり顔が赤くなっている。


(なんという……このエルド・グレイシアードが、たった一人の少女の初めての相手になれた事を喜んでいるだと?まるで少年のように……)


 ルシアはやがて布団の隙間から、目だけちょこんと出した。


「す……好きとか……そんなの、まだわ、わかんない……//」


 その瞬間、エルドの表情がふわりとほどけた。


 あからさまに嬉しそうだ。


「……そうか。わからないなら、わかるようにしていこう。私が」


 エルドはそう言うと、ルシアの目だけ出ている布団を剥ぎ取った。


「えっ!?//ちょ、ちょっと待って侯爵様!意味がわかりません……!?」


 ルシアが慌てて暴れ、布団が舞う。


「そこまでですよ。お二人とも!エルド様は張り切りすぎです。まずはルシア様の熱を下げる事が先決です。『好き』を教えるのはそのあとです!」


「は、はい……」


 フウカにそう言われて、確かにそうだとエルドはしょげていた。


(そうだ、まだ時間はたっぷりあるのだ。ゆっくりと教えていけば良い……)


 ふと見ると、ルシアの真っ赤な顔と金色に輝く瞳と目が合った。


 その困ったような、どうして良いかわからないといった表情に、エルドの心はすっかりほころんでいた。


エルド様は大人で紳士ですから……汗

ルシア様が恋に気付くまで待ってくれると思います。


感想をお待ちしてます。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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