自分で自分がわからない!
侯爵様が何故怒っているのかわからないままキスされてしまったルシアは、ますますテンパってしまうのだった!
二人はしばらく見つめ合っていたが、ようやくエルドが沈黙を破った。
「……ルシア、君は私に対して何か大きな誤解をしているな」
ん?と言ってルシアの頬をさする。
ルシアは無言でエルドを見つめる。
「……」
侯爵様、こんなに美しい瞳をしていらっしゃったのね。それに背も高くて、胸板も厚くて、指も熱くて……
ルシアはふとエルドの髪に触れる。
「……ルシア……」
エルドの低い声にようやく我に返ったルシア。
「はっ!!わ、私は何を!?こ、こんな事で絆されるような軽い女ではないわよ!」
そう言うと慌ててルシアは手を引っ込めた。
「こっ、侯爵様は来るもの拒まず去るもの追わずですもの!だから私もきっといつか飽きられて……」
飽きられて?
侯爵様に飽きられて私に何か不都合があるのかしら??
「また君はそんな事を……私が君に飽きると思うのか?今も君をずっと抱きしめて仕事をしたいと思っているのに」
「えっ?!」
そう言うと侯爵様は私を軽く抱き上げてそのまま椅子にストンと座ってしまった。
こっ、この状態は何!?//そもそも何でこんな状況になったの!?//
私がぐるぐると考えていると……
「ルシア、君は先程からずっと顔が真っ赤だな。可愛い」
えっえっえっえっ??
そう言うと侯爵様は私に再びキスを落とす。
「なんで!?今のは何?」
「君の誤解が解けるまで口付けようと思ってね」
誤解??私が誤解?何だっけ……ひょっとして「女を取っ替え引っ替え」だの、「来るもの拒まず去るもの追わず」だのの事??
「でも、実際そうですもの!!侯爵様は結婚したらモラハラ男になって、私を家政婦か何かかと勘違いして……」
ってこれ!悪役令嬢の出てくる話じゃないわ!私何かの本と混同してるわ!
えっえっえっえっ??私は一体何がしたいの??
自分で自分がわからないわ!!
ひょっとしてルシア様、色んな本を読みすぎて拗らせているのでは?
最後まで読んで頂きありがとうございました。




