この私がショックを受けてる?
ルシアはエルドがどういう意味で自分をやからから助けてくれたのか、扇子を買ってくれたのかわからなかった。
フウカは心を鬼にしてわざとルシアの心を刺激した。ルシアの夢である、『悪役令嬢』に発破をかけたのだ。
(まぁそんな方が不埒な輩から助けたり、お嬢様に扇子を買ってくださったりはしないと思いますがね)
さあどう出るお嬢様!?
「来るもの拒まず去るもの追わず……それって……」
「……お嬢様??」
フウカは案外この婚約を最初から冷めた目で見ていて、どうせ政略結婚なのだからエルドの気持ちなどどうでも良いと思っていた。
そのあたりはエルドと考えが似ている。
ルシアの気持ちもそうだと思っていた。婚約破棄されたいのならその通りにされて欲しいと思っている。
なぜならそれがルシアの夢なのだから。侍女としてお嬢様の夢は叶えてあげたい。
それが可能ならばね!
だが……
「お嬢様ひょっとして、今の私の話を聞いてショックを受けてます?」
「まままままさか!!あのかっこよさでしかも侯爵様だもの!!その辺はわかっているわよ!私の他にたくさんの女性がいる事くらい……」
ズキンッ……
でもどうしてこんなに胸が痛いのかしら?
「……お嬢様?」
だって侯爵様との婚約が決まってからわかってた事だったし……
エルド様は私の事なんて何とも思ってなくて。
政治のコマにしか……
見えていなくて。
「お嬢様、もしかしてエルド様の事が気になってます?お好きになったんですか?」
「ま!まさかそんなわけが……」
ーーなんて言ってはみたけど……
あの時、不埒な輩から身を守ってくれた侯爵様に不覚にも私はときめいてしまったのよね……
『あなたの瞳に似合うと思う』
ーーあんな風に優しい目を向けてくれるのは私だけかと思ってた。でも相手は侯爵様よ?何を自惚れてるの、ルシア・カルミナート。
そもそも侯爵様とは政略結婚で、その婚姻には何の気持ちも感情もなくて、私は婚約破棄されたかったんだから……
でもどうして……
「どうして、私はこんなに胸が痛いの」
ポロポロッ
止めようとしても次々に溢れて止まらない涙。
「ふぇぇええん!!なんでぇ〜〜〜〜!?」
「お嬢様……」
なんでって……まだ気付かないんですか。
もう、お嬢様は悪役令嬢どころか完全にエルド様に恋してますよ。
でも、お嬢様は気付いてないっぽいですね……
「……やれやれ、前途多難だなぁ」
なかなかサクサク行かなくてすみません汗
作者はこういう育みを大事にしたいのです。癖みたいなものですね。
最後まで読んで頂きありがとうございました。




