悪役令嬢らしい格好
ルシアはまだ悪役令嬢になる事を諦めていなかった!
「ほほほ、フウカ!これでどう??どこからどう見ても悪役令嬢がすぎるでしょう!?」
私がちょっと目を離した隙に、お嬢様は黒いドレスをわざわざ新調して、赤い髪を巻いてハーフアップにしていた。
(似合う……似合いすぎるほど似合ってる……化粧のおかげ?)
よく見たらお嬢様は普段はしたことのない派手な化粧を施していた。何重にも積み重なったつけまつげにいつもはしないアイメイク、コントゥアリングもしっかりと施され、眉毛も強い感じに仕上がってまさに悪役令嬢そのもの。
よく見たらお嬢様の隣でメイク担当の侍女のミハルが魂が抜けた状態で椅子に座っていた。
(……ミハル、頑張って悪役令嬢に寄せてくれたのね……同士よ涙)
ミハルはあとは任せたと言わんばかりに震えながらフウカに対して親指を立てた。
「……お嬢様、似合いますよ。これでワンチャン悪役令嬢もありえますよ!どこへ着ていくのか知らないけれど、知らない人が見たらその格好はまず警戒します」
「やったあ!派手な格好が似合う化粧をしてよかった!ミハルありがとう!せっかくだから街へ行こうかしら?」
私は途端にぐったりした。またこのお嬢様は突拍子もないことを……
「またお嬢様は勝手なことを……婚約中の身だということをお忘れですか?」
「それがどうしたのよ?婚約したとしても囚われの身じゃないんだから。私は私よ?」
いやいや、そう言うことじゃなくてですね。庶民の婚約者同士ならまだしも……
「確かに婚約したからと言って囚われの身になったわけではありません。ですが、婚約期間にやらねばならないこともあると思いますよ?王都に呼ばれた時の作法とか……それに軽率ではないですか?侯爵様がいるならともかく、お一人で市井に赴くなど……」
「お一人じゃないわ。フウカがいるじゃない」
「私はただの侍女ですよ!いざという時に頼りにはなりません!」
フウカがついに大声を上げた!
ルシア様はミハルに派手な化粧を施してもらってすっかり舞い上がってますね。
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