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120.確率論と回転数。

“Grand Challenge System Assign...”


シュルシュルシュルッ!!


石がガツンとぶつかり合う音。

10連ガチャは単発で回す時よりも迫力が違うから

ドキドキ感がハンパない。

....けど、いつも言うように代償は


「いっぱいピカピカしたね〜!」

「マジかよ...(敗北感)」


レアであろう当たりが一つではない。

こんな幸運があって良いものだろうか?

(10連で出ない時だってあるのに...)


さっそく見せてもらう。

今回のピックアップで注目されていた魔銃や

投げても打っても使える軽槍などの武器。

それにレベルアップ系や強回復系のアイテムまで

様々な当たりを神引きしていた。


「海が災悪の日は陸の幸運日でもあるのでね」

「それミッチが勝手に信じてるだけだから」


自信満々で解説するミッチェルさんだが

レイナは半信半疑のようだ。

災悪日は確率論的に最良だと彼は言うが

ジンクスは人それぞれだからなんとも言えない。

しかし目の前であれだけ見せつけられると...


「やるのかレオナルド」

「そういうラファエルこそ...」


ガチャを引く流れになるわけだが。


「あきれた。男って単純で馬鹿な生き物だわ」


俺達はさっそく召喚陣を開くと石を投げ入れた。

何を言われようとガチャは夢とロマンだ。


シュゥン...シャラァァァン....ブウォン


「・・・・・・・」


すべての石が光となって消えた後暫く沈黙。

俺とラファエルは自然発生的に立ったフラグを


「いっしゃらぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


.....見事にバキッとへし折った。

いつもと真逆の展開にむしろ動揺している。

悪い事の前触れだったらどうしよう。


「だから言ったじゃないですか」

「偶然よ偶然。ジンクスなんて信じないわ」


張りあうレイナとミッチェルさん。

彼女は堅実だから時々単発を試す程度らしく

石は無駄使いしない派なのだとか。


「私はお祭りの時だけパァ〜っと回すの」


前回の渋かったフェスティバルガチャで散財。

お目当の当たりは回転数で当てるという

石の数に物を言わせた金持ちの兵法である。

(俺には真似できない戦い方だ)


「なにが当たったのレオ〜」


少し離れたところで見ていたカレンが近寄る。

俺が解いた召喚陣の上にはレアアイテムが。


「これは風切の刃だって。それはホバーシューズ」

「女ものだからカレンにあげるよ」


白い羽飾りが付いたその靴を履くと

彼女の足元がフワリと少しだけ宙に浮いた。

レイナも持っているという浮遊系の靴は

水の上でも歩けるしとても軽いから女子に人気。


「わぁ〜!すごいすごいっ」


踊るように屋上を駆けまわるカレン。

それ以外にも特殊能力を強化するレアアイテムも。

これも俺には使えないものだから

後でカレンに試してみよう。


「俺のはこれが一番だな」

「ラファエルっぽいね」


少し背の高い彼にピッタリの長剣。

これは一応水属性の部類で

振り回して大気中の水分を集めてから

斬り付ける時に集中的に放出するようだ。


ブンブンブンッ...!

「上手くいかねーな。こうか?」


ザバァー!!


試しにと剣を振り回すラファエル。

まだ扱いに慣れていないため技の発動が遅れて

レイナの頭上から大量の雨を降らせた。


「ちょっと!何してくれるのよもうっ」

「わりぃわりぃ〜。カレン頼むわ」


シュワァァァァァ〜


カレンが乾かして事なきを得たが

あの剣は魔法で水を出すタイプと違って

自然を利用する実体のある水属性魔剣だから

使い方を間違えると実に厄介だ。


「皆さんそろそろ朝食にしましょう」

「ガチャの話はその後で」


早起きは得をする。

まさに言葉通りのしてやったりで

俺もラファエルも喜びを隠せなかった。


「やっぱり男って単純で馬鹿な生き物ね」



♢朝食が用意された城のバルコニー


「お外で食べるんだぁ〜(キラキラ)」

「今日は天気もいいですしね」


コトッ...

淹れたてのシビ珈琲の良い香り。


「このシビはレラント産で苦味も少なくー」

「一度熟成させてから丁寧に焙煎して」

「早く頂きましょうお父様」


王様の拘りは珈琲にも及ぶようで

レラントでシビの栽培も始めたそうだ。

これも王自ら淹れてくれたのだが

なんとも恐れ多く...


「ハッハッハ。今はもう王じゃないさ」

「気軽にクロードと呼んでくれ」

「もしくはラング、フォリス、アッシュ...」


王族はミドルネーム的なものが長い。

とりあえず最初のクロードさんと呼ぶことに。

これは王家や貴族に多い名前で

彼のイメージにピッタリだ。


「私は普通の名前だけどね」

「失敗したよ。おしとやかな名前にすべきだった」


クロードさんが冗談ぽくそう言うと

レイナは少し怒っているのか

味わうことなくシビ珈琲を飲み干した。

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