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101.自由奔放な性格。

「天災とは字の如く」

「我々はそれを危惧しているのだよ」


陽当たりが悪くて薄暗い部屋の中。

この男は署まで連行すると言っていたが

どうみても普通のアパートのようだ。


「それで君の答えはどうなんだ」

「お断りします」


ウェザーを放棄...つまり返却しろという話だった。

天災を引き起こす可能性があるとして

魔法省はカレンの事を警戒しているらしい。


「それならば魔法省に入って私のー」

「だからそれも無理だと言いましたよね」

「上級院を出ていない君には破格の待遇だと思うが?」


彼の部下として監視下に置くという提案だった。

確かに統合政府の役人になろうと思ったら

リリィーのように上級院への進学は必須だろう。

そんな上手い話がある訳ないから

俺は余計に不信感を募らせた。


「神性と人との共生は難しい」

「自然界では感じない怒りや哀しみに触れた時...」

「そうした感情に対して自身を制御できるのか」

「災悪が最悪の事態を招く事もある」


「..........いまのは笑うところだ」


この状況下において冗談を言ったようだが

俺はまったくそれに気付かなかった。

はぐらかすように咳払いをするマハト。

なんなんだよコイツ。


短髪の黒髪に赤茶の瞳。

顔はまあ...悪くはないと思うし

そんなに歳ではなさそうだけれど

ストライプの入った黒の制服には

複数の勲章が付いていた。


「神性の精霊をガチャで人間の手元に置くなど」

「おこがましい行為なのだよ」

「.......でもあなたはカラーのマスターですよね?」


キッと歯ぎしりをするマハト。


「ようやくボロを出したな...」

「とにかく俺は返却もしないし魔法省にもー」

「そんなコトはどうでもいいっ!」


バンッ!

机の上に叩きつけられた書類とペン。

読んでサインしろと言われたのだが俺は警戒した。

この前変な契約を結んだばかりだから

今度こそ慎重に内容を確認する。


“特異な精霊やモンスター等を所持の方へ”

“事故や事件にならぬよう管理を徹底して”

“最後まで責任を持って扱いましょう”


それが難しいようであれば返却を...とある。

魔法省の公式書類には間違いなさそうだけれど

気を付けましょうね程度のものだ。

さっき言ってた内容と違う...


「これにサインして終わりですか?」

「正直ウェザーの天災など些細な問題だ」

「それよりカラーはどこにいる」


なぜカーラの話が出て来たのだろうか...

それに居場所も何もお前の精霊だろうが。


「手荒な真似はしたくないんだ」

「友達が出来たと嬉しそうに言っていたからな」


知らないと答えても聞く耳を持たない。

最近俺が彼女のアカウントを登録した事と

この二日間留守にしていたという理由だけで

完全に疑われているようだ。


アリバイがあるなら言ってみろといわれたが

例の守秘義務があるから黙秘した。


「匿っているのだろう?」

「居場所を言えっ!」「知らないよっ!」


コンコンコン...カチャ

「これは一体どういうワケ?」

「あぁカラー...やっと帰ってきたのか」


そこに現れたのはカーラだった。

隣の部屋で軟禁されていたカレンも一緒だ。

ツカツカとマハトの前までやってきて

思い切り頬を平手打ちした。


...パシンッ!

「あなたのしている事は人間以下よっ!」

「違う、私はお前を心配して... 」

「だとしても最低よっ!」


喧嘩して二日も家に戻らなかったカーラ。

結構最初の方から話を聞いていたらしく

自分の居場所を聞き出す為だけに

俺を脅迫するような虚言を吐いたことが

彼女を相当に怒らせてしまった様子だ。


(そもそもなんで喧嘩してるのだろうか...)


冷静になって話を聞くことにしたが

お互いに問題があるようで議論は平行線。

ガチャで引き当てたからといって

性格が合うとは限らないのだ。


「あなたの仕事はつまらないのよっ!」

「だからといって勝手に偽名で働くのはだな」


板挟みな俺とカレン。


「じゃあ何をすれば良いワケ。料理?洗濯?」

「そうは言っていないだろう」


カーラは結構奔放なタイプの性格だ。

個性のベクトルは様々だから仕方がないし

召喚時の契約があるからといって

本来自由に生きてきた精霊をガチャで縛るのは

確かにおこがましい事なのかもしれない。


彼女との問題と仕事の都合で

彼は少し疲れているように見えた。

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