女神の約束
「……聖国の姫君は世界を巡り、疲弊した大地に恵みの種を蒔きました。そして大地はかつての活力を取り戻し、世界はまた平和になったのです」
「へ~。じゃあ、その恵みの種があれば、今すぐこの世界も元気になるんだよね? お姫様は種をどこでもらったのかな?」
「姫様、そうではございません。かの姫君がお産まれになった時に、その手に種を握られていたそうです。それこそが姫君が女神様の化身である証。女神様は必ず戻るとお約束して下さいましたからね」
「産まれた時に? じゃあ、あれが恵みの種なの?」
「ええ、さようでございます」
「でも、一つしかないよ? それなのに、世界中に蒔くなんてムリだよ」
「……私も、そのことについて詳しくは存じません。ですがきっと、その時になれば、姫様にはおわかりになるはずです。なんといっても、姫様は女神様としてお生まれになったのですから」
「うーん、本当にそうなのかなあ?」
「まあ! なんてことをおっしゃるのです! 命を賭して姫様をお産みになったお母君のためにも、姫様は立派な女神様とならなくてはなりません!」
「……うん、そうだったね。ごめんなさい。私、ちゃんと頑張る」
「それでこそ、私の姫様です。それではもう、神殿から抜け出すようなことはなさらないとお約束下さいますね?」
「それは……うーん……」




