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8/22

8話 屋敷ダンジョンの作り


◇◇◇◇◇



翌日も華乃は屋敷ダンジョンに来ていた。


配信をしながら、昨日と同様、一層を見て回る。



「今日は特におかしな所は無さそうですね…」



配信序盤の今は、五〜六人ほどの視聴者が出入りするくらいだ。


他のライト配信者と同じく、屋敷の雰囲気をレポートして回る。



「この家、平屋でしたが…こんな異様な部屋数では無かったのですよね…」



一層には、三十以上の和室がびっしりと並んで配置してある。

当然、一般家屋とは作りが全く異なるのだ。


そんな様子を見て回りながら、華乃は怪訝そうに眉をひそめる。


台所や便所といった設備も、回ってみる限りは見当たらない。



「やっぱり…作りが変わってます…」



『そりゃそうだよ、ダンジョンに変形したんだから』

『普通の家じゃないんだし、迷うから気を付けてね』

『迷子になったら、それはそれで面白いけどw』



視聴者もコメントで指摘するとおり、妖気が溢れて空間が歪み、元々あった物を巻き込んで、

ダンジョンは形成されるのだ。



「もっと…懐かしい気持ちになるのかと、思ったのですが…はぁ…これでは別邸ですねぇ」



華乃が悩まし気に息を吐くと、チャットがまた流れる。

視聴者人数は十人を超えていた。



『出た!昨日と同じ虚言癖!』

『まあまあ、そう言うスタンスなんでしょ?』

『“この屋敷は昔住んでた”スタンスかぁw』

『いやいや、ワンチャン本当かもよ?』



チャット欄が少し荒れてるが、言い返せば更に荒れる気がするので、このまま敢えて流しておく。



「おっと、ごめんなさい!」


「あ!いえ!こちらこそ…」



レポートしてた時に、同業者さんとうっかり

ぶつかってしまう。



「今日は…本当に配信者さん多いですねぇ」



昨日は、チラホラといった感じだったが…今日はどこを見ても配信者が視界に入っている。



『昨日、華乃ちゃんが一層で物の怪捕まえたからじゃない?』

『ああ…それあるかも?』



確かに、昨日の配信の様子は視聴回数も跳ね上がり、更に切り抜きもされていた。



「昨日は本当…ビギナーズラックでしたものね」



華乃がクスリと笑うと、チャットも賑わう。



『ホントそれ!』

『ビギナーズラックにあやかろうと、やって来たんだろうねー』



「さすがに今日はそんな幸運も無いでしょうし…

うーん、今日は二層へ降りてみようかしら?」



華乃が屋敷の奥、二層へ降りる階段近くまで、

来た時だ。


四〜五人の集団が、華乃を追い越し階段を降りて行く。



「わっ?!…なんだか物々しい方達ですね?

配信者…には見えない気がしますが…」



◇◇◇◇◇

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