↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
6/23

6話 レアな物の怪


◇◇◇◇◇



「失敗って…札に納める事にですか?」



華乃は札を手にしながら眉を下げる。



『そうそう!』

『大人しい個体もいるけど…反発されると失敗する』

『失敗すると、逃げられる可能性もあるよー』



「ど、どうすれば…?」



『物の怪を攻撃して弱体化させれば大人しくなる』



「そ、それは少し可哀想…では?」



そもそも、今の華乃は攻撃手段も無いのだ。



『まあ、それは暴れてればってケースかな?』

『元々大人しければ、素直に捕らえられるかも』

『人と物の怪の相性もあるしなー』



「相性…ですか、目の前の座敷童さん…

今のところ、大人しいみたいですが…」



『とりあえず、札使ってみな?』

『暴れられたらドンマイだな』



視聴者の後押しで、華乃は固唾を飲みながら、

座敷童の入手に挑戦する。



「初回ですし…逃げられても、経験になりますわね!」



華乃は意識を高め、札を座敷童に投げる。


座敷童は札から逃げる事なく受け入れ、淡く発光しながら札へ吸収されていく。



《華乃…おかえり…》



座敷童は、華乃へ笑顔を向けた気がした。



「…あ……」



瞬間、華乃は何故か無性な懐かしさに駆られる。

幼い頃、どこかで見た笑顔な気がした。



(座敷童さん…ずっと、この家に…?)



この屋敷がダンジョン化したから、座敷童は棲みついたのではなく…

元々、この屋敷に住んでいた?



(わたくしの帰りを…待っててくださったのでしょうか?)



確証は無い。


だが、華乃はそんな気がした。


座敷童を封じた符を胸に抱く。

じんわりと暖かく、華乃の目に涙が滲む。



『凄いなー!本当にレアをゲットするとは!』

『おめでとう!』

『初潜入でレア取れるなんて!』

『おめでとう!やったなぁ!』



チャット欄も祝福に賑わう。



「ありがとうございます!皆さまの助言のお陰です!」



華乃も心からの感謝を視聴者に伝える。


スマートフォンの時計は既に夕刻を示していた。

あっという間に、ダンジョンへ潜入してから、三時間が過ぎていたのだ。



「今日は、この辺にしておきますね!お符屋さんに行って換金もして来ます!」



『お疲れ様ー!』

『良い値が付くといいね』

『また配信してたら見にくるよ!』



「ありがとうございます!また配信しますので

見に来てください!」



視聴者に礼を伝えながら、華乃は出口へと戻る。


ダンジョンの外へ出れば、陽もかなり傾きかけていた。



「ふぅ…やっぱりダンジョンの中の空気って、

澱んでいるのですね」



深呼吸をしながら、足取り軽く、華乃は繁華街を目指す。


先ずはお符屋へ行って、換金して…

お金を入手できたら、ご飯を食べようと。


ぐきゅるるる


緊張の糸が解けたら、急に腹の虫が鳴りだした。


華乃は苦笑いし、足早に向かうのだった。



◇◇◇◇◇

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。