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28話 世夜子の暗躍


◇◇◇◇◇



夢の中で興人は言っていた。


この計画を仕組んだのは、全て世夜子だと。



「一週間前の茶会の日、新婚約者だと紹介された時に見た彼女…その時は普通のご令嬢のように振る舞っていたのですが…」



何かがおかしい…華乃はそう思っていた。


婚約者なら、何故…元婚約者である華乃を興人へ引き合わせようとするのか?


そもそも、あの女には何かの違和感があった…



「あ!いけない!わたくしったら…助けて貰っておきながら、お礼もしてないなんて」



考え込んでいた華乃は、ふと、我に返りシンへ向かって頭を下げた。



「いや、気にしなくていい…

一応、この屋敷ダンジョンの調査を、国の特別機関から依頼されてるんでな」


「国からの調査…そうだったのですね」



シンはかなり腕の立つ探索者だ。


そんな調査依頼で動いていても不思議では無かった。



「まあ…それは建前ではあるんだが」


「…え?」



シンが小さく呟いた言葉を華乃は聞きのがす。



「とりあえず、地上へ戻るぞ…ここは何が起こるか分からない」



シンの言葉に華乃も応じる。


華乃へ危害を与えようとしているのは、呪術を使える相手だ、この先また何か罠を張るかもしれない。


呪縛による体の重さからは解放されたが…

一連の事に、華乃の身体もまた、疲労がピークに達していた。



「少し、休まなければですね…」



重い足どりで地上へ向かう。

心身共に、重かった…前を行くシンの心強い背中が…華乃にとって唯一の救いだった。





「興人!!こ、これは…どういう事だ?!」



興人の父…貴兼門家当主が、顔を真っ赤にして興人へ糾弾する。



「…貴兼門家の全ての財を使ってダンジョンを購入した…だと?!

その上、足りない分を…会社の金まで流用して…!」


「と、父さん…これは全て世夜子の入れ知恵なんです!ダンジョンがそんな莫大な費用がかかるなんて知らなくて…

会社の資金も…世夜子が勝手に下ろしてきたんです!」



興人は、父の剣幕に怯みながらも、全てを世夜子のせいだと、責任逃れの言い訳をするのだが…



「世夜子…?誰だそれは?」


「え?父さん…世夜子ですよ!この前…茶会で皆に婚約者だと披露目をしたじゃないですか!」


「披露目?…そんな筈はない!

茶会でお前は華乃の婚約を一方的に破棄しただけだろう?」


「…え?…い、いや…そんな筈…

世夜子を…何故ご存知無い?!」


「黙れ!この戯けが!訳の分からぬ言い逃れはできないぞ!」



怒りに任せ、当主は興人に平手打ちをする。



「貴兼門家は…もう終わりだ…」


「そ、そんな…ま、待ってください父さん…!」



◇◇◇◇◇

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