↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
30/37

29話 貴兼門家の終焉


◇◇◇◇◇



「貴兼門家だ!銀行の融資を頼みたい!」

 

『…は?貴兼門…様ですか?…ええと…先ずは来られてから…』

 

「おい!つい最近まで貴兼門と言ったらすぐに対応しただろう?!」

 

『申し訳ございません…失礼ですが…そのような名のお客様に心当たりは…』

 

「…なっ…?!なんだって?!」



興人が必死に融資を得ようと、各所へ連絡を取るが、皆どこも似たような対応だった。



「おかしい…何故どこも我々貴兼門家の名を知らぬと言い張るんだ?!」



つい先日、ダンジョン購入した際には、あれだけぺこぺこと諂っていた奴らが…



「一夜明けて、まるで、どいつも記憶を失ったみたいじゃないか?!」



興人が頭を抱える…そんな横で貴兼門当主は、

膝から崩れ落ちる。



「い、隠蔽していた記憶が…戻ったんだ…」


「はあ?!…父さん、いったい…」



父である当主は既に、虚空を見るだけで我を忘れたかのように呆け、応答しなくなった。



「な、何が…どうなってるんだ?!

全ては華乃のせいか?…い、いや…世夜子のせいなのか?!」


「いやぁねえ?…私のせい?

ただの自業自得じゃないのさ?あはは!」


「はっ?!世夜子!!お前…よくも…」



貴兼門家の書斎に、世夜子が入って来た。


茶会で披露目された時とは、まるで別人のような華美で毒々しい夜嬢のような格好だ。



「私はただ、“アドバイス”しただけ…ダンジョン購入なんて馬鹿な事したのも、アンタの意思だろ?」



世夜子は、馬鹿にしたような視線を興人へ送る。



「あとねぇ?…貴兼門家なんて…本来は存在しない“名家”なんだよ?十数年前までは名家である黒鳥家で働く、ただの使用人の家系だったのさ」


「は?…ただの使用人の家って……」



そんな事は無いと興人は否定したかった。


しかし、自分の幼い頃の記憶が徐々に思い出されてきた。



「う、嘘だろ?な、なんで??

記憶が…書き換えられてるんだ?!」


「私が記憶を書き換えてやったのさ!

黒鳥家の記憶を世間から消して…代わりに貴兼門家が黒鳥家に成り代わって名家を名乗るってね!」


「……な…」



世夜子は、

カラクリを知り、衝撃を受ける興人を楽しそうに見る。



「ああ、楽しかった!黒鳥家の資金を使い…貴兼門家も財を成していったけど…

金持ちを不幸へ堕とすのは最高よねぇ?」


「お、お…お前は…何者なん…だ?」



興人が世夜子を見て、ガタガタと震え始める。



「私の事より…アンタ、自分の事を心配したら?

呪縛が破られれば…相手へ掛けた呪いは自分へ返ってくるのよぉ?」


「え……?…返るって…ぐ、ぐうっ???」



世夜子が興人に説明した途端…興人の体に異変が起こる。


深い水の中にいるような、泥の中にいるような

苦しく、体が異常な重さに見舞われた。



「た、助け……く、苦し……」


「あはははは!!これも自業自得ねえ!」



起き上がれない興人と、呆けたままの当主を捨て置き、世夜子は貴兼門家をでて行く。



◇◇◇◇◇

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
最新話見ました!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。