24話 夢の呪縛
◇◇◇◇◇
「…?!……あ…?」
グニャリと空間が歪んだ気がした。
気付けば、周囲の景色はまた、二層に戻っていた。
「…ええと……夢を…見ていた…の?」
嫌な汗をかき、華乃の呼吸は荒くなっていた。
(夢…だけど、これはきっと単なる夢では、無いのだわ!)
華乃は、ガタガタと震えだす。
(呪縛…興人さんは、そう言っていた)
夢での興人の言葉と、二層に閉じ込められた今の状況が合致する。
更には、一昨日の暴行未遂事件…
あの黒幕も…もし興人だとするのなら…
「愛人になれ……?
冗談では無いわ!非常識にも程があります!
わたくしは…あんな男を信じようとしていたなんて…」
(興人さんだって…新しい婚約者を作ったのだから
わたくしに近づく意味など無い筈なのに…)
意味の分からないこの状況に華乃は深くため息を吐く。
ムカムカと不快感が胸を締め付ける…
憤る華乃だったが、それ以上に体が重かった。
空腹、睡眠不足…疲労…
だが、それだけでは無い気がした。
(呪縛の…影響なんでしょうか?)
華乃は、二層の周囲を見渡す。
(呪縛を…何とか解かなければ…!
わたくしは近いうちに、あの男の傀儡になるのだわ…)
重い体が辛い…華乃は拳を握り締め、歯を食いしばる。
(何とか……切り抜ける、方法を…)
しかし、華乃の意思は再び薄れ始める。
空間が歪む感覚を覚える…また“あの”夢へ行かされるのだ…
◇
「…っく……」
やはり、夢の中だった。
しかし今度こそ、まるで体が動かなかった。
(身動きが…全くできない…!)
そこへ興人が現れる。
「ようやく、大人しくなったみたいだね…
さっさと素直になって僕を受け入れるんだ…」
再び興人の手は華乃へ伸び、肌へ触れていく。
顔を撫で、首筋をなぞり…指は華乃のブラウスのボタンへかかった。
興人の顔が華乃へ近づく。
(くっ…!)
身動きできない華乃だったが、その時…
【真眼】
華乃は気力を振り絞り、スキルを使う。
◇◇◇◇◇




