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19/25

19話 配信再開


◇◇◇◇◇



「よしー!行きますか!」



華乃は自分の頬をピシャリと叩き、気合いを入れる。


昨日、配信を休んだ事で視聴者から多数のコメントが来ていた。


シンからは、暫く休んだ方がいいと言われたが…心配してくれる視聴者の為にも、早く元気な姿を見せたかったのだ。



(黒幕…本当にいるのなら…の事は気になりますが…篭っていたら収入にあり付けませんものね!)



ゆっくり休んだら、気力も充足し、気弱な気持ちも吹き飛んだ華乃は、いつもの屋敷ダンジョンへ入る。


一層は、相変わらず配信者で賑わっていて、空気も軽い感じがした。


辺りを見渡すが…怪しい人物達はいないはず。


二層へ降りる階段元へやって来た。


華乃はスマートフォンを手に、配信ボタンをタップする。



(一応…二層の階段付近での探索に留めましょう…誰か来たら、すぐ一層へ逃げられるように)



「ご機嫌よう!皆さま…配信を始めたいと思います!」



今日の配信は予告をせずに、突然始めた為…

開始直後の視聴者人数はゼロだった。


だが、開始して数十秒後には一人、二人と増えていく。



『華乃ちゃん!?やった!配信始まったー!』

『キター!!待ってましたよ!』

『やった!始まったぁ!』



待っていてくれた視聴者がいる事に、華乃は安堵と嬉しさで泣きそうになった。


声が掠れてしまいそうになった為、腹に力を入れて気持ちを落ち着かせる。



「一昨日、配信後にちょっと色々ありまして…

昨日はお休みを取らせていただきました」



『大丈夫?何かあったの?』

『体調不良かな?』



配信開始十分で、既に視聴者人数八十人を超えていた。



「一昨日ちょっと…帰り際に暴漢に絡まれてしまいまして…幸い、お符の河精さんと、通りかかった探索者さんに助けていただけたので無事だったのですが…」



至って冷静に、何でもないように軽めな口調で事情を話した華乃だったのだが…チャット欄は直後、

激しくコメントで溢れ返る。



『マジかあぁぁぁ??』

『ちょ、大丈夫だったの?怪我は?』

『オレの華乃ちゃんがあああぁ』



「あ、あの、本当に怪我とか何も無いです!

助けていただいた探索者さんに改めて感謝を…と、思いまして」



つい、正直に話してしまった事に、華乃は後悔した。

視聴者に余計な心配を掛けてしまったようだ。



「これからも…ダンジョン探索していきますし、危険な事があると思うんです…

皆さまにお聞きしたいのですが、

何か、簡単に自分の身を守るアイテムとか…

皆さまはご存知でしょうか?」



その点に関しては切実に情報を得たかった。


武術も今後、嗜んでいく必要があるとは思うが

差し当たって、即時効果のある物は…無いだろうか?



『符の他なら…鈴とかかな?』

『鈴ならノーマル物の怪の攻撃は防げるかぁ』

『って、人間相手じゃ意味無いだろ』



「鈴…ですか?いいかもしれないですね!」



『いや、その分、物の怪は警戒して近寄らなくなるよ?』

『でも、長い探索になるなら、必要かもなぁ?』

『だから…人間相手ならどうするよー?』

『人間相手はもう…あ、弾幕とかもいいか?』



「だ、弾幕って…煙の事ですか?」



『そうそう、煙で視界を奪ったり、催涙効果もあるし…咄嗟に逃げたい時にね』



「なるほど…!」



鈴に弾幕…どちらも所持していれば、自衛には良いかもしれないと華乃は考えた。



(お値段次第ですけどね…)



華乃はクスリと苦笑いする。



「貴重な情報をありがとうございます!色々参考にさせていただきますね!」



そう言って、華乃が二層を探索し始めた時、スマートフォンに見慣れぬ効果音が響いた。


画面を覗くと…



「え?…えええ?!…こ、これって…」



華乃の目が驚きで見開かれる。



◇◇◇◇◇


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