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16話 覆面集団に襲われる


◇◇◇◇◇



「…な……?」



四人の集団…よく見れば、全員が覆面を被り顔を隠していた。


明らかに様子のおかしい、怪しげな集団は圧を伴い真っ直ぐに華乃へ近づいて来る。



「な、何ですか?」



無言の圧に気圧され、華乃は無意識に後退りする。



「…黒鳥華乃か…?」



覆面の人物の低い呟きに、華乃の背筋は凍る。



(わたくしを知っている?目的は…何??)

 


恐怖を感じた華乃は咄嗟に、逃げようと足を動かす。

一層まで行けば、沢山の配信者がいるだろう。


とにかく、助けを呼ばないと…!


しかし…

華乃が踵を返し、立ち去る前に覆面の男達に、腕を掴まれてしまう。



「きゃあ?!…何するんです?」


「依頼されたんでな、悪く思わんでくれ」


(依頼…?依頼って…?!)

 


覆面の者の、そんな冷たく低い声に体が竦む。

華乃は拘束され、強引に壁へ押し付けられる。



「何のつもりです?!離してください!」



後ろ側の覆面の男達が何やら不穏な事を話し出す。



「骨の一本でも折るか?」

「いや、裸にして写真をバラ撒こう」



話しを耳にしてしまった華乃の顔は恐怖で青ざめる。

そうでなくとも、今日は二層に他の配信者は来て居ない。

 


(どうしよう…助けは…見込めない?!)

 


男四人に取り囲まれ、拘束された華乃に逃げるチャンスはあるだろうか?

絶望的な状況に、華乃の息は上がる。


覆面の男の一人が、華乃の首筋に手を触れる。


そして…ブラウスのボタンへ手を掛けた。



「嫌ぁー!!」



華乃は身じろぎし、叫んだ。


その声に呼応するかのように、華乃の胸ポケットにあった符が発光し、河精の姿が現れる。

 


(河精さん?!…助けて…くれるのですか?)

 


河精は僅かに華乃へ振り向き頷くような仕草をする。

そして、刹那…

符から出てきた河精が、彼女に触れていた男を突き飛ばす。



「うぐっ?!」



他の男達も危険を察知し、華乃から距離を取る。



「符の物の怪か?…コイツ、勝手に出て来たぞ?!」

「主と長く共に居ると、守護するようになる物の怪もいるらしいが…」



男達が怯む中、奥にいた覆面の男が何かを取り出していた。



「こっちも符ならある!」



覆面の男が符から物の怪を出現させようとした瞬間、河精が男の手元を攻撃する。



「し、しまった!符が…」



符を落とした男へ、すかさず河精は全力でタックルする。



「くそっ、とにかく女が配信出来なくすりゃいいんだ!」

「脱がせて撮ったらすぐ退避しよう!」



河精が覆面男の一人を相手にしている隙に、

他の三人は強引に華乃に掴み掛かろうとする。


華乃も必死で逃れようとするが…

男三人の前に逃げ切れず、ブラウスのボタンが引きちぎられ、肩が露わになった時…



「何をしている!!」



階段から、鋭く誰何する声が聞こえた。



◇◇◇◇◇

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