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14話 気力切れ


◇◇◇◇◇


そんな華乃の言葉に、観ていた視聴者達も心配のコメントを寄せる。

 


『大丈夫ー?』

『妖気当たりかな?』

『いや…それ…気力切れのサインかも?』



そんな時、視聴者からの指摘が入る。



『符の中の物の怪を使役する際に、気力を使うんだよ』

『等価交換って感じだよね』

『タダじゃ使役できないってやつかw』



「な…なるほどです…もう、三回もお符の河精さんを使ってしまいましたもんね…」



気付くのが、かなり遅れ…体が鉛のように重く感じ、動きが鈍る。



『華乃ちゃん、物の怪がいる二層で、この状態は危ないよ、一層へ戻ろう』

『うん、無理は禁物だよ!』



「そう……ですね…そうします」



華乃は、視聴者からの忠告を受け、素直に従う。

 

重い足を引き摺り、時間をかけて進み…

やっとの思いで階段を登り、一層の柱へもたれ掛かる。



「…ふぅ、ちょっとしんどいです…

 今日の配信はこの辺で止めておこうと思い…ます」



『それがいいね』

『ゆっくり休んで』

『また配信観に来るよー!』



最高視聴者人数、百二十人に登っていた。

 

温かい視聴者の言葉に、配信を早めに切り上げる事に申し訳なく思いつつ、感謝しながら華乃は配信を終える。



「妖気玉…も、三個も集まりましたし…お符屋さんへ行って換金しなくては…」



重い体を何とか引き摺りながら、ダンジョン出口へ向かう華乃だったが…



〈…………〉



不意に背筋に怖気が走るような感覚に見舞われる。



「…なっ?!…何でしょう?物の怪??」



華乃は注意深く周囲を見渡すが、空間が歪むような気配は感じられない。


一層は、相変わらず配信者達が賑やかにレポートしている。



「…物の怪では…無いようですね」



華乃は、ホッと息を吐き、歩みを続ける。



「気のせいですかね?…とにかく、お符屋さん行って換金して…さっさと休んじゃいましょう」



尚も重い体に喝を飛ばし、華乃は符屋へ辿り着く。





「妖気玉の換金ですね!

うむ…三つの内、二つは状態が非常に良いので…三個合計で、千二百円の換金となりますが、いかがでしょう」



顔馴染みとなった符屋の店員が微笑む。



「え?そんな高値でいいんですか?」


「はい、上手く物の怪を退治できたようですね」


「わ!ありがとうございます!」



華乃は嬉しさに頬を上気させ、金銭を受け取る。



「昨日の修理費は辛かったですが…河精さんのお陰で、収入にも繋がりましたし、大満足です」



肉体は、重く辛いが…気持ちは羽のように軽やかになった華乃は、コンビニへ寄った後に、ネカフェへ休みに向かうのだった。



◇◇◇◇◇

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