14話 気力切れ
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そんな華乃の言葉に、観ていた視聴者達も心配のコメントを寄せる。
『大丈夫ー?』
『妖気当たりかな?』
『いや…それ…気力切れのサインかも?』
そんな時、視聴者からの指摘が入る。
『符の中の物の怪を使役する際に、気力を使うんだよ』
『等価交換って感じだよね』
『タダじゃ使役できないってやつかw』
「な…なるほどです…もう、三回もお符の河精さんを使ってしまいましたもんね…」
気付くのが、かなり遅れ…体が鉛のように重く感じ、動きが鈍る。
『華乃ちゃん、物の怪がいる二層で、この状態は危ないよ、一層へ戻ろう』
『うん、無理は禁物だよ!』
「そう……ですね…そうします」
華乃は、視聴者からの忠告を受け、素直に従う。
重い足を引き摺り、時間をかけて進み…
やっとの思いで階段を登り、一層の柱へもたれ掛かる。
「…ふぅ、ちょっとしんどいです…
今日の配信はこの辺で止めておこうと思い…ます」
『それがいいね』
『ゆっくり休んで』
『また配信観に来るよー!』
最高視聴者人数、百二十人に登っていた。
温かい視聴者の言葉に、配信を早めに切り上げる事に申し訳なく思いつつ、感謝しながら華乃は配信を終える。
「妖気玉…も、三個も集まりましたし…お符屋さんへ行って換金しなくては…」
重い体を何とか引き摺りながら、ダンジョン出口へ向かう華乃だったが…
〈…………〉
不意に背筋に怖気が走るような感覚に見舞われる。
「…なっ?!…何でしょう?物の怪??」
華乃は注意深く周囲を見渡すが、空間が歪むような気配は感じられない。
一層は、相変わらず配信者達が賑やかにレポートしている。
「…物の怪では…無いようですね」
華乃は、ホッと息を吐き、歩みを続ける。
「気のせいですかね?…とにかく、お符屋さん行って換金して…さっさと休んじゃいましょう」
尚も重い体に喝を飛ばし、華乃は符屋へ辿り着く。
◇
「妖気玉の換金ですね!
うむ…三つの内、二つは状態が非常に良いので…三個合計で、千二百円の換金となりますが、いかがでしょう」
顔馴染みとなった符屋の店員が微笑む。
「え?そんな高値でいいんですか?」
「はい、上手く物の怪を退治できたようですね」
「わ!ありがとうございます!」
華乃は嬉しさに頬を上気させ、金銭を受け取る。
「昨日の修理費は辛かったですが…河精さんのお陰で、収入にも繋がりましたし、大満足です」
肉体は、重く辛いが…気持ちは羽のように軽やかになった華乃は、コンビニへ寄った後に、ネカフェへ休みに向かうのだった。
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