11話 ノーマル符の修理
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「うーん?ノーマル符の修理かぁ…」
「で、できませんか?」
いつもの符屋で、先ほど入手した破損符を見て貰ったが…やはり店員は浮かない顔をした。
「いえ、出来ない事は無いですが…
余り得にはなりませんよ?
河童は、コレクションとしての価値も低いし、
戦闘でも…あんまり使えないし…」
要は、修理する程の価値は無いのだと言う。
「敢えて修理するとしたら…お幾らくらいに?」
「ノーマルなんで、二千円くらいですかね?」
華乃の所持金は決して多くは無い。
二千円を支払って、夕飯やネカフェ代を払えば…明日は夕飯が食べられるかどうかになる。
…それでも
「修理…してください」
つい、お願いしてしまった。
何と無く、この符がまだ泣いているような気がしたのだ。
「分かりました…修理は明日の昼には終わると思うので、引き取りに来てください」
「はい!お願いします」
符屋を出てネカフェへ向かう。
節約の為に、今日の夕飯はカップラーメンだけにする。
「明日こそは二層へ降りて、物の怪を捕まえないと…いよいよ失業してしまいますね」
そう呟きながら、配信サイトを覗いてみると…
登録者が七十五人となっていた。
「え?!そんなに増えたのですか!」
配信二日目で、まずますの状況に華乃は胸を撫で下ろす。
「観てくださる方がいるのですし…明日も頑張らねば、ですね!」
◇
翌日も一層から配信をスタートする。
開始直後から既に視聴者は三十人が集まっていた。
「そうだ!皆さまにお伝えがあるのです!」
『何なに?』
『聞きたい』
視聴者の反応の良さに、心の中で感謝しながら
華乃は話し始める。
「昨日の配信観てくださった方いらっしゃいます?」
『観てたよ』
『当然!』
「ありがとうございます!昨日…河童の符を拾って…悩んだのですが、思い切って修理に出したんです!」
『修理出したの?』
『えええ…損じゃない?』
「それが、ですね…なんと修理した途端、河童さんが
進化したのですよ!」
『ええええええ?!』
『嘘だろ?!』
『進化?!稀にあるけど…マジか?』
『華乃ちゃん強運すぎるー!』
今日の昼過ぎ、符屋へ行くと待っていた店員が興奮気味に、話しかけてきたのだ。
「お客さん!大変ですよー!あの河童の符…
修理完了した途端、進化したんです!」
「え?…進化って?」
「符の中の物の怪は、使い続けると強化されていくんです、そして稀にですが別の物の怪へ進化する個体がいるんですよ!」
「そんな事が…」
この符は、長く使われてきた経緯があるようだ。
経験値を積み、あと少しで進化するところを…
なんらかの事故で符が破損、持ち主が手放したのだろうと推測された。
そんな経緯を華乃は視聴者に説明する。
『うおおーー!!熱いな!』
『進化って、ヤバいだろ!』
『華乃ちゃん、凄すぎる!』
「なので、今日は…この子と共に二層へ挑戦しに行こうかなと思ってます!」
華乃の宣言に、再びチャット欄は賑わう。
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