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灯台島へ その11

ゴォォォォォ!!


黒い光線が、


最上階を飲み込みました。


ショウタが叫びます。


「終わっ――」


その瞬間。


バサァッ!!


巨大な羽。


ピースケが全員の前へ飛び出しました。


ドゴォォォン!!


黒い光が羽へ直撃。


灯台全体が震えます。


サヨが悲鳴を上げました。


「ピースケ!!」


黒い霧が吹き荒れます。


しかし。


ピースケは倒れません。


巨大な羽を広げ、


全員を守っていました。


ショウタが目を見開きます。


「耐えてる……!?」


ピースケの羽には、


黒い霧がまとわりついていました。


痛みはあるはず。


でも。


ピースケは静かでした。


「今ですぅ……!」


魔王が叫びます。


「王冠を!」


サヨは急いで深海の王冠を取り出しました。


青い宝石が輝きます。


ポォォォ……。


その瞬間。


霧の核が怒りの声を上げました。


『ヤメロォォォ!!』


黒霧がさらに暴走。


部屋全体が崩れ始めます。


ゴゴゴゴ!!


床が割れ、


天井も崩落。


ショウタが叫びました。


「時間ないぃぃ!!」


魔王は王冠へ魔力を流し込みます。


青い光が広がりました。


すると――


王冠から、


無数の青い糸のような光が伸びます。


それは黒霧へ絡みつき、


引き剥がし始めました。


ギギギギ……!!


核が苦しそうに脈打ちます。


『グアァァァ!!』


少女が目を見開きました。


『呪いが……分かれてる!』


サヨが必死に叫びます。


「いけぇぇ!!」


しかし。


黒霧は抵抗します。


巨大な顔がいくつも浮かび上がりました。


怒り。


悲しみ。


憎しみ。


叫び声が部屋中へ響きます。


ショウタが耳を塞ぎました。


「うわぁぁぁ!!」


灯台守も苦しそうに膝をついています。


『ぐっ……!』


すると。


ピースケがゆっくり前へ進みました。


黒い光を受けながら。


サヨが叫びます。


「危ない!」


でも。


ピースケは止まりません。


そして、


霧の核をまっすぐ見つめます。


「あなたは……。」


静かな声。


「ずっと、苦しみを抱えてきたんですねぇ。」


核の巨大な目が揺れました。


『……。』


「怒りも悲しみも、消えない。」


風が吹きます。


「でも、それだけじゃないはずです。」


その瞬間――


青い王冠の光がさらに強くなりました。


ポォォォォ!!


霧の中から、


小さな光が浮かび上がります。


笑顔。


祈り。


優しい記憶。


昔この島で暮らしていた人々の、


温かい想いでした。


サヨが涙ぐみます。


「……きれい。」


黒霧の中にも、


ちゃんと光が残っていたのです。


核が苦しそうに叫びました。


『ヤメロ……!』


『思イ出シタクナイ!!』


しかし。


灯台守がゆっくり立ち上がります。


赤い目が、


少しずつ元に戻っていました。


「……いや。」


灯台守は震える声で言いました。


「忘れたくなかった。」


全員が振り向きます。


灯台守の頬を、


涙が流れていました。


「この島で笑っていた人たちを……。」


その瞬間――


核の赤い目にヒビが入りました。


パキッ。


『ア……。』


青い光と黒い霧がぶつかり合います。


そして――


ピースケが羽を大きく広げました。


「帰りましょう。」


その言葉と同時に、


王冠の光が爆発します。


ゴォォォォォォ!!


まばゆい青い光が、


灯台全体を包み込んだのでした。

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