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灯台島へ その8

ドクン。


ドクン。


灯台の内部は、


巨大な心臓みたいに脈打っていました。


赤黒い霧が壁を流れ、


床までゆっくり動いています。


ショウタは半泣きで階段を駆け上がっていました。


「うわぁぁぁ!! 気持ち悪ぃぃ!!」


サヨも息を切らしています。


「ま、まだ上あるの!?」


見上げると、


階段は果てしなく続いていました。


魔王が真顔で言います。


「古代建築はだいたい縦に長い。」


「雑学みたいに言うな!!」


そのとき――


後方から爆音。


ドゴォォン!!


クロノワールたちが戦っている音です。


黒霧の魔物たちの咆哮が響いていました。


サヨが不安そうに振り返ります。


「みんな……。」


ピースケは穏やかにうなずきました。


「信じましょう。」


少女も静かに前を見ています。


でも、


体はかなり透けていました。


足元がほとんど消えかけています。


ショウタが気づきました。


「急がないとヤバいな……。」


すると――


ゴォォォ……。


上の階から、


低いうなり声。


全員が止まります。


赤い霧がゆっくり流れてきました。


そして。


階段の上から現れたのは――


巨大な黒い鳥。


羽は霧。


目は真っ赤。


サヨが声を上げます。


「ニワトリ!?」


「いや絶対違う。」


ショウタ即ツッコミ。


その黒鳥は、


まるでピースケを真似したような姿でした。


ただし。


全身が呪い。


目がギラギラ。


怖い。


ベルフェルが低く言います。


「霧が作った模造体か。」


黒鳥はピースケを見下ろしました。


そして――


ギャォォォォ!!


超音波みたいな咆哮。


灯台全体が震えます。


ショウタが耳を押さえました。


「うるさぁぁ!!」


その瞬間、


黒鳥が突撃。


速い。


巨大。


完全にミサイルです。


しかし――


ピースケは前へ出ました。


ドン!!


真正面から受け止めます。


衝撃で石階段が砕けました。


サヨが叫びます。


「ピースケ!」


黒鳥は狂ったように暴れています。


ギャァァ!!


でも。


ピースケは静かでした。


赤い目を見つめながら、


そっと言います。


「あなたも苦しいんですねぇ。」


ショウタが叫びます。


「会話でなんとかなる相手か!?」


しかし。


黒鳥の動きが、


ほんの少し止まりました。


その瞬間。


少女が小さくつぶやきます。


『……霧守りの記憶。』


全員が振り向きました。


少女は黒鳥を見ています。


『灯台に取り込まれた悲しみが形になってる。』


黒鳥は苦しそうに鳴いていました。


ギ……ギャ……。


まるで助けを求めるみたいに。


サヨが胸を押さえます。


「かわいそう……。」


しかし次の瞬間。


灯台上部から、


赤黒い光が爆発。


ゴォォォォ!!


黒鳥の体がさらに巨大化しました。


ショウタ絶望。


「強化イベント入ったぁぁ!!」


魔王が叫びます。


「時間がない!」


核の暴走が近い。


灯台全体が崩れ始めています。


石壁に亀裂。


床も揺れる。


ピースケは静かに羽を広げました。


「先に行ってください。」


ショウタが振り向きます。


「えっ!?」


「ここは私が止めます。」


サヨが不安そう。


「でも!」


ピースケは笑いました。


「大丈夫ですよぉ。」


黒鳥が咆哮。


ギャォォォ!!


赤い霧が吹き荒れます。


その中で、


巨大ニワトリと黒霧の怪鳥が向かい合っていました。


ショウタは歯を食いしばります。


「……絶対追いつけよ!」


ピースケはうなずきました。


そして――


ドゴォォン!!


黒鳥が突撃。


灯台内部で、


巨大な羽と羽が激突したのでした。

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