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灯台島へ その5

荒波カジキ丸は、


黒い霧を切り裂きながら進みます。


ザバァァァン!!


前方には――


巨大な亀の背中。


その上に建つ、


不気味な赤い灯台。


まるで海に浮かぶ呪われた城です。


ショウタはロープにしがみつきながら叫びました。


「近くで見るとさらにデカいぃぃ!!」


サヨも見上げています。


「山みたい……。」


そのとき。


黒い霧の人影たちが船へ向かってきました。


ユラァァ……。


顔がない。


目だけ赤い。


ガンツが青ざめます。


「来るぞ!」


霧の人影たちは、


海の上を滑るように移動してきます。


ショウタが震えました。


「ホラー系苦手ぇぇ!!」


すると。


エリシアが光の槍を放ちます。


ズバァン!!


霧の影が消えました。


しかし――


また後ろで復活。


「増えてるぅぅ!!」


クロノワールが低く言います。


「霧そのものが本体だ。」


ベルフェルはパン箱から丸パンを取り出しました。


「使う時が来た。」


ショウタが嫌な顔。


「嫌な予感しかしない。」


ベルフェルはパンを青い炎で包みます。


そして――


投げた。


「くらえ。」


ドゴォォン!!


パン爆発。


霧の影まとめて消滅。


ショウタが絶叫。


「爆発パンだったの!?」


「非常食兼武器だ。」


「どういう設計思想!?」


その間にも、


船は霧守りへ近づいていきます。


巨大な前足。


黒い甲羅。


古代遺跡みたいな背中。


そして赤い灯台。


ゴォォォ……。


灯台から聞こえる音が、


だんだん大きくなっていました。


まるで泣き声みたいです。


サヨが胸を押さえます。


「苦しそう……。」


その瞬間――


霧守りの赤い目が強く光りました。


ズゥゥゥン!!


巨大な前足が船へ振り下ろされます。


ガンツが叫びました。


「跳べぇぇぇ!!」


荒波カジキ丸、


超巨大波へ突入。


船が宙へ浮きます。


ショウタ、半泣き。


「船が飛んでるぅぅぅ!!」


そして――


ドォン!!


船は霧守りの甲羅へ着地。


全員転がりました。


「いったぁ!」


「着いたぞ!!」


ピースケは立ち上がります。


甲羅の上は、


まるで古代都市でした。


崩れた石畳。


倒れた柱。


霧だらけの街。


その中央に、


巨大灯台。


サヨが小さくつぶやきます。


「ここ……昔、人が住んでたのかな。」


白い服の少女が静かにうなずきました。


『昔は、海を守る島だった。』


でも。


今は崩れています。


黒い霧が建物を覆い、


地面には赤い亀裂。


まるで島全体が病気みたいでした。


すると――


カツン。


灯台の入口から、


誰かが現れます。


長いコート。


白い髪。


そして赤い片目。


ショウタが固まりました。


「……えっ。」


男は静かに笑います。


『ようこそ。』


その声は、


どこか優しそうなのに、


妙に冷たい。


魔王が目を細めました。


「お前か。」


男は軽くお辞儀します。


『私は“灯台守”。』


背後で赤い灯台が脈打ちました。


ゴォン……ゴォン……。


灯台守は笑っています。


『霧守りは、もう休ませてあげなくては。』


サヨが不安そうに聞きます。


「休ませるって……?」


男の赤い目が細くなりました。


そして。


『沈めるんですよ。』


その瞬間――


灯台の光が爆発的に強くなります。


ゴォォォォォォ!!


霧守りが苦しそうに咆哮を上げました。


島全体が激しく揺れ始めます。


ショウタが叫びます。


「うわぁぁ!? ラスボス感すごいぃぃ!!」

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