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灯台島へ その3

黒い霧の奥――


赤い目がゆっくり開きました。


ギロリ。


海そのものが見下ろしているみたいな巨大さです。


ショウタの声が裏返ります。


「でっっっか!!」


サヨも青ざめました。


「山みたい……。」


黒い影はまだ霧の中。


全体は見えません。


でも。


動くたびに海が揺れる。


ゴゴゴゴ……。


ガンツが汗を流します。


「こんなの見たことねぇ……。」


すると。


白い服の少女が静かに言いました。


『……あれは“霧守り”。』


ショウタが聞き返します。


「きりもり?」


少女はゆっくりうなずきます。


『昔は島を守る存在だった。』


赤い目を見つめながら、


小さくつぶやきました。


『でも、壊れてしまった。』


その瞬間――


ズゥン!!


巨大な何かが海へ落ちました。


超巨大な波。


荒波カジキ丸が激しく揺れます。


サヨが転びそうになりました。


「きゃっ!」


ピースケが支えます。


「危ないですよぉ。」


ショウタは半泣き。


「最近の敵サイズ感おかしいって!!」


しかし。


少女は急に苦しそうな顔をしました。


体が少し透けています。


サヨが心配そうに聞きます。


「大丈夫!?」


少女は小さく答えました。


『……島が沈み始めてる。』


全員が止まります。


『霧守りが暴れるたびに、灯台島は海へ沈む。』


魔王が目を細めました。


「封印型の守護者か。」


クロノワールもうなずきます。


「暴走している。」


少女はピースケたちを見ました。


『お願い……。』


『灯台を止めて。』


ショウタが首をかしげます。


「灯台?」


少女は黒い霧の奥を指差します。


遠く。


かすかに光。


巨大な灯台があります。


でもその光は、


白ではなく――


不気味な赤。


ゴォォォ……。


霧がそこから広がっていました。


エリシアが顔をしかめます。


「呪術灯台ですね。」


ベルフェルが真顔。


「名前からして危険。」


すると。


霧守りの赤い目がこちらを向きました。


ギロリ。


海が震えます。


ショウタが固まりました。


「……見つかった?」


次の瞬間――


ズゴォォォォン!!


巨大な腕のようなものが海から出現。


黒い鱗。


岩みたいな皮膚。


そのまま海を叩きつけました。


超巨大波。


ガンツが絶叫。


「回避ぃぃぃ!!」


荒波カジキ丸が急旋回。


ザバァァァン!!


あと少し遅れていたら終わっていました。


ショウタが震えます。


「今の当たったら船消えてた!!」


ピースケは静かに霧の奥を見ています。


灯台。


赤い光。


暴れる霧守り。


そして、


消えかけている少女。


サヨがぎゅっと拳を握りました。


「助けたい。」


ピースケもうなずきます。


「ええ。」


少女は少しだけ笑いました。


でも。


その体はさらに薄くなっています。


『急いで……。』


『私はもう……長くない。』


風が吹きました。


その瞬間――


霧の奥から、


巨大な咆哮。


ゴォォォォォォォ!!


海が震えます。


霧守りが、


ついにこちらへ動き始めたのでした。

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