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沈没船 その6

ザバァァァン!!


ピースケたちは海面へ飛び出しました。


ショウタが激しくむせます。


「げほっ!! し、死ぬかと思った……!!」


サヨも王冠を抱えたまま息を切らしていました。


「はぁ……はぁ……。」


ガンツが船の上から叫びます。


「急げ! 海が荒れるぞ!」


その瞬間――


ドゴォォォン!!


海面が大爆発。


巨大な水柱が空まで吹き上がりました。


ショウタが振り向きます。


「うわぁぁ!?」


海の下で、


海竜と海喰らいが激突しているのです。


青い光。


巨大な触手。


渦巻く海。


まるで海そのものが暴れているみたいでした。


ベルフェルが目を細めます。


「規模が大きい。」


エリシアも真剣な顔。


「急がないと巻き込まれます!」


全員なんとか船へ戻ります。


ガンツが全速力で舵を切りました。


「霧の外へ出るぞ!」


荒波カジキ丸が激しく揺れます。


ザバァァン!!


ショウタは船にしがみついて半泣き。


「今日だけで寿命縮んだぁぁ!!」


しかし。


ピースケは船首で静かに立っていました。


羽の中には、


深海の王冠。


青い光がかすかに揺れています。


そして――


霧の向こう。


幽霊船がまだ戦っていました。


骸骨船長はボロボロになりながらも、


海喰らいへ剣を向けています。


『……王冠ヲ……。』


その姿を見たサヨが叫びました。


「届けなきゃ!」


ピースケはうなずきます。


「ええ。」


すると。


魔王が海図を広げました。


「王冠を届ける場所がある。」


ショウタが振り向きます。


「まだ続くの!?」


魔王は当然の顔。


「王冠は“潮鳴り岬”へ納めねばならん。」


ガンツが顔色を変えました。


「潮鳴り岬だと!?」


ショウタが聞き返します。


「やばい場所なの?」


ガンツは真剣でした。


「あそこは海流が狂ってる。」


「普通の船じゃ近づけねぇ。」


クロノワールが低く言います。


「しかも今日は嵐になりそうだ。」


空を見上げると、


黒い雲が集まり始めていました。


遠くで雷。


ゴロゴロ……。


ショウタが叫びます。


「イベント詰め込みすぎだろ!!」


しかし。


そのとき。


霧の中から、


幽霊船がゆっくり近づいてきました。


ボロボロの船体。


赤い目の骸骨船長。


でももう、


敵意はありません。


船長は静かに頭を下げます。


『……頼ム。』


サヨはぎゅっと王冠を抱えました。


「うん。」


ピースケも静かに答えます。


「必ず届けます。」


すると。


骸骨船長はゆっくり剣を掲げました。


その瞬間――


周囲のスケルトン船員たちが、


一斉にこちらへ並びます。


ショウタが目を丸くしました。


「えっ。」


ガンツが息をのみます。


「まさか……。」


海喰らいの巨大な影が、


霧の向こうから迫ってきました。


すると。


骸骨船長が叫びます。


『総員!!』


スケルトン船員たちが剣を構えます。


『我ラガ道ヲ開ク!!』


次の瞬間――


幽霊船が海喰らいへ突撃しました。


ドゴォォォン!!


触手と砲撃。


骨の船員たちの叫び。


海が揺れます。


ショウタが叫びました。


「うおおおお!?」


ガンツも叫びます。


「今だ!! 突っ切れぇぇ!!」


荒波カジキ丸は全速力。


霧を抜け、


荒れる海を進みます。


背後では、


幽霊船が最後の戦いを続けていました。


サヨは振り返りながら小さく言います。


「負けないで……。」


すると。


霧の向こうで、


骸骨船長がこちらを見ました。


そして――


少しだけ笑ったように見えました。


その直後。


巨大な雷が海へ落ちます。


ズガァァァァン!!


嵐、到来。


潮鳴り岬への最後の航海が始まったのでした。

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