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砂金探し その9

静寂。


空に咲いた超巨大黄金花が、


きらきら宝石を揺らしながら、


ぽつりと言いました。


『……おなかすいた』


ショウタ、


頭を抱えてしゃがみ込みます。


「この世界ほんと何でも食欲あるな!?」


白もふは興味津々。


『花もごはん食べる?』


黄金龍が困った顔。


『それ、“竜脈花”』


『山の元気が増えすぎると咲く』


クロックが分析。


『過剰エネルギー生命体です』


ショウタ。


「言い換えても怖い!」


竜脈花は、


ゆっくり町を見下ろしました。


巨大な花びらが開くたび、


宝石がぱらぱら落ちます。


町の人々、大騒ぎ。


『ルビーだ!』


『こっちはサファイア!』


『うわぁぁ金持ち!!』


ショウタ。


「だから拾うなぁぁ!!」


しかし。


竜脈花の中心部が、


ぼぅ……っと赤く光り始めました。


メカリン青ざめ。


「エネルギー不足です!」


「栄養を求め始めてる!」


ショウタ。


「花なのに圧が強い!」


その瞬間――


ズズズズズ……。


竜脈花の根っこが、


山全体へ広がり始めました。


岩を飲み込み、


鉱石を吸収し、


どんどん巨大化。


星川ヌシが低く言います。


『このままだと、山を食べ尽くす』


静寂。


黄金龍も焦っています。


『咲きすぎた……』


小型ドリル軍団は、


なぜか感動中。


『成長!』


『効率!』


『最高!』


ショウタ。


「お前ら反省しろ!!」


そのとき。


ピースケが花を見上げながら、


ぽつり。


「この子もぉ。」


「急に大きくなりすぎて困ってるんですねぇ。」


竜脈花が、


ぴくっと揺れました。


『……困ってる』


『おなかすく』


『でも食べると苦しい』


サヨが目を丸くします。


「エネルギーを吸いすぎてるんだ!」


クロックもうなずきました。


『循環できていません』


『“受け取るだけ”の状態です』


ショウタ。


「またバランス問題!」


すると。


永遠のシチュー鍋の精霊が、


ぴょこんっと飛び出しました。


『だったら、“分ければ”いい!』


ショウタ。


「毎回シンプル!」


でも。


ピースケは笑っています。


「いい考えですねぇ。」


次の瞬間。


ピースケは、


竜脈花から落ちた小さな宝石を拾いました。


そして。


町の子どもへ渡します。


「どうぞぉ。」


子どもはびっくり。


『いいの?』


「はいですぅ。」


すると。


竜脈花の光が、


少し穏やかになりました。


『……減った』


でも同時に、


花の色がきれいになる。


黄金龍がハッとします。


『循環した』


クロック。


『過剰エネルギーが安定しています』


メカリンも気づきました。


「独り占め状態が暴走の原因だったんだ!」


ショウタ。


「この世界、毎回それ!!」


そのとき。


ガンテツのおじさんが、


大声で叫びました。


「町のみんなー!!」


「宝石は“使う分だけ”にしようや!!」


静寂。


鉱夫たちは顔を見合わせます。


そして。


ひとりが笑いました。


『……まあ、急に大金持ちになっても困るしな』


『酒場なくなるまで飲みそうだ』


『お前は飲むな』


町に笑いが広がります。


すると。


竜脈花の根っこが、


ゆっくり縮み始めました。


ズズズ……。


暴走停止。


山の揺れも止まる。


そして。


巨大な花は、


最後にふわっと光ると――


空へ、


大量の“金色の綿毛”を飛ばしました。


綿毛は、


山へ。


川へ。


町へ。


遠い空へ。


黄金龍は静かに言います。


『新しい竜脈の種だ』


白もふ、ぽわーっと見上げながら。


『きれい……』


ショウタも珍しく静か。


「……なんか今回は、ちゃんといい終わり方だな」


その瞬間。


メカリンの小型ドリルたちが、


綿毛を見上げながら一斉に叫びました。


『畑だ!!』


ショウタ。


「嫌な予感しかしねぇぇぇ!!」

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