砂金探し その3
静寂。
巨大な星川ヌシが、
空中をゆっくり泳いでいます。
金色の光が、
川にも町にも反射して、
まるで夜空みたい。
でも。
その目は悲しそうでした。
『星砂を返して』
ガンテツのおじさんが震えます。
「わ、わしらはただ、暮らしのために……」
鉱夫たちも不安そう。
『最近よく採れるから掘ってただけなんだ……』
『町のみんなを食わせなきゃいけねぇし……』
ショウタが小声。
「今回は悪いやついないパターンか……」
サヨもうなずきます。
「だから難しいんだよね。」
そのとき。
メカリンが川の水を機械で分析しました。
ピピピピ!
「まずいです!」
「地下の“星砂脈”が空洞化してる!」
クロックが補足します。
『このまま採掘を続ければ、川が消滅します』
静寂。
町の人たちが青ざめました。
ガンテツがうつむきます。
「じゃあ……鉱山を閉じるしか……」
でも。
それはつまり、
町の仕事もなくなるということ。
白もふが困り顔。
『みんなしょんぼり』
巨大猫も珍しく目を開けています。
『……難題』
そのとき。
ピースケが川辺へ座りました。
ぱしゃ。
水面に映る金色の光。
ピースケは星川ヌシを見上げます。
「全部返したらぁ。」
「今度は町が困っちゃいますねぇ。」
ヌシは静かにうなずきました。
『わかってる』
『だから怒れない』
ショウタ。
「ヌシ様が優しすぎる!」
すると。
小さな金魚たちが、
川底から何かを運んできました。
きらきら光る石。
でも。
普通の金じゃない。
星みたいに内側から光ってる。
メカリンが目を見開きます。
「これ……!」
「“育つ星砂”です!」
ショウタ。
「育つ!?」
クロックが分析。
『通常の星砂は採れば減ります』
『しかしこれは、水脈が健康なら再生する』
サヨが顔を上げました。
「つまり……」
ピースケが笑います。
「取りすぎなければ、一緒に生きられるんですねぇ。」
静寂。
ガンテツのおじさんが、
ゆっくり帽子を脱ぎました。
「……欲張りすぎてたかもしれねぇな」
鉱夫たちも顔を見合わせます。
『少しずつ採ればいいのか……?』
『川を守りながら……』
ヌシは静かに答えました。
『川が歌えるくらいなら』
ショウタ。
「表現がきれい!」
その瞬間。
メカリンが突然、
目をきらぁん!と輝かせました。
「じゃあ作りましょう!!」
ショウタ。
「嫌な予感!」
メカリンはスパナを掲げます。
「“川を傷つけない採掘マシーン”を!!」
全員停止。
ショウタ。
「爆発する未来が見える」
「失礼ですね!」
しかし。
町の子どもたちが集まってきました。
『見たい!』
『川を守れるの!?』
ガンテツも笑います。
「面白ぇじゃねぇか」
「やってみるか!」
その瞬間。
星川ヌシの周りに、
小さな光の魚たちが舞いました。
川の水も、
少しずつ透明さを取り戻していく。
そして。
ヌシはピースケを見ながら、
静かに言いました。
『……ありがとう』
『久しぶりに、川が笑った』
夕日が山へ沈みます。
金色の川。
笑う町の人たち。
設計図を描き始めるメカリン。
そして――
白もふは、
こっそり砂金を山ほど集めていました。
ショウタ絶叫。
「お前ぇぇぇぇ!!」




