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賢者の埋蔵金 その14

ぴたり。


回転していた迷宮が、


完全に停止しました。


逆さに落ちかけていた家も、


空中で静止。


ショウタは巨大猫のしっぽにぶら下がったまま、


ぷるぷる震えています。


「た、助かった……?」


しかし。


迷宮の最深部から、


ズズズ……と重い音が響いてきました。


壁が開く。


床がずれる。


巨大な歯車が回転する。


そして暗闇の奥から、


“それ”が姿を現しました。


巨大。


とにかく巨大。


岩みたいな甲羅。


その上に、


都市レベルの遺跡。


しかも頭は――


“亀”。


ショウタ絶叫。


「今度は亀ぇぇぇ!?」


ダイチモグラが静かに頭を下げました。


『……長老』


サヨが目を見開きます。


「長老?」


巨大亀は、


ゆっくり全員を見回しました。


その目は古い。


何百年も地下を見てきた目。


『騒がしいと思えば』


『また地上の者か』


低い声だけで、


迷宮全体が震えます。


コンパスたちは一斉敬礼。


『長老ぉぉ!!』


『方向感覚の神ぃぃ!!』


ショウタがツッコミ。


「神だったの!?」


巨大亀は、


ふぅ……とため息をつきました。


その息だけで風圧。


『迷宮は静寂を好む』


『騒ぐと回る』


ショウタ、即反応。


「じゃあ毎回ショウタが叫ぶせいでは」


「言うなぁぁ!!」


すると。


逆さ家の青年が空中から叫びます。


『そ、その前に助けてぇぇ!!』


全員、


「あ。」


ピースケは青年をふわっと風で受け止め、


無事救出。


青年は地面にへたり込みました。


『助かったぁ……』


サヨがほっとします。


「よかった……!」


巨大亀はその様子を見ながら、


静かに言いました。


『助け合うか』


『……昔の賢者みたいだな』


エルドランの幻影が、


少し気まずそうに笑います。


『昔は色々あったんじゃよ』


ショウタ即ツッコミ。


「絶対トラブルメーカーだったろ!」


巨大亀はゆっくり目を閉じました。


『賢者は、ここに“最後の宝”を残した』


静寂。


トンネル博士がごくり。


「世界をひっくり返す宝……!」


巨大亀はうなずきます。


『だが簡単には渡せぬ』


ショウタ、嫌な予感。


「また試練?」


巨大亀。


『うむ』


「ですよねぇぇ!!」


その瞬間――


迷宮の床が光りました。


巨大な円形の部屋。


中央に、


ぽつんと小さな箱。


でも。


その周囲には、


無数の道。


上へ行く道。


下へ落ちる道。


途中でねじれる道。


空へ続く階段。


サヨが困惑。


「どれが正解なの……?」


巨大亀は静かに告げます。


『宝へ続く道は、一つだけ』


『ただし』


その目が光りました。


『“近道”を選んだ者は、二度と戻れぬ』


ショウタ絶叫。


「説明が毎回怖い!!」


そのとき。


白もふが、


一つの道を指差しました。


『あれ、いいにおいする』


黒いヒヨコも。


『ごはんですぅ』


ショウタが顔をしかめます。


「いや絶対罠だろ……」


でも。


ピースケはその道を見て、


ぽつり。


「……たしかに、いい匂いですねぇ。」


静寂。


巨大亀の目が、


わずかに細くなりました。

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