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夜空 その2

天海の奥。


小さな扉が、


きぃ……と開きます。


そこから顔を出したのは――


真っ白でもふもふした、


“わたあめみたいな生き物”。


丸い。


小さい。


ふわふわ浮いている。


そして、


すごく眠そう。


『……おなかすいた』


静寂。


ショウタ、天を仰ぎます。


「また食欲系ぇぇぇ!!」


サヨは思わず笑ってしまいました。


「でもかわいい……」


白いもふもふは、


ぷかぷか浮きながら周囲を見回します。


夜の龍を見て、


ぴたっ。


クジラを見て、


ぴたっ。


最後に、


ピースケを見て――


一直線に飛んできました。


ぽすっ。


ピースケの頭に着地。


ショウタが即ツッコミ。


「そこ人気スポットなの!?」


黒いヒヨコがむっとします。


『先客ですぅ。』


白もふ、もふっと押し返す。


『せまい』


『せまいですぅ』


ピースケの頭の上で、


小競り合い開始。


サヨ、吹き出す。


「なにこれ……」


そのとき。


空の管理者の少女が、


白もふを見て目を見開きました。


『……まさか』


元管理者の少年も青ざめます。


『“白昼”……?』


ショウタが聞き返します。


「またすごそうな名前来た!!」


少女は説明しました。


『夜と対になる存在。』


『“昼”を司るもの。』


静寂。


ショウタ、白もふを見る。


白もふ、


ピースケの羽をもふもふ中。


『おなかすいた』


「この子が!?」


夜の龍が静かに近づきます。


巨大な黒い顔と、


小さな白もふ。


でも白もふは全然怖がりません。


『ひさしぶり』


夜の龍の目がやわらかくなります。


『……起キタノカ』


白もふはこくん。


『おなかすいたから』


ショウタ崩れ落ちます。


「世界の根本が食欲で動いてる!!」


クジラたちの歌が、


なんだか楽しそうになりました。


ルゥゥン♪


ピースケはのんびり言います。


「じゃあ朝ごはん会ですねぇ。」


全員ツッコミ。


「規模がでかい!!」


でも。


その瞬間――


天海の光が、


一気に強くなりました。


ザァァァァァ!!


白もふの体が、


まぶしく輝き始めます。


サヨが目を細めました。


「うわっ……!」


少女が青ざめます。


『力が漏れてる!』


白もふは慌てています。


『あれ?』


『まぶしい?』


次の瞬間――


ドォォォォン!!


世界中へ、


巨大な光の波が広がりました。


地上。


海。


山。


全部が一瞬で“昼”になります。


ショウタ絶叫。


「夜終了ぉぉぉ!?!?」


夜の龍もびっくりしています。


『昼ガ強スギル』


白もふ、しょんぼり。


『……おなかすくと、調整むずかしい』


サヨが苦笑い。


「赤ちゃんみたい……」


しかし。


地上では大混乱が始まっていました。


真夜中なのに昼。


ニワトリ大混乱。


漁師たち大混乱。


寝ていた村人たちも飛び起きています。


そして――


天海のさらに奥から、


ものすごく不機嫌そうな声が響きました。


『……うるさい』


静寂。


ショウタ、硬直。


「……今度は誰?」

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