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しゃべる遺跡 その1

朝。


山の空気がやけに澄んでいました。


ショウタは地図を広げながら、嫌そうな顔をしています。


「……で、また遺跡?」


サヨは楽しそうに覗き込みました。


「今回はちゃんと“お宝”って書いてあるよ!」


ピースケはすでに準備万端で立っています。


「朝ごはん食べたので、行けますねぇ。」


ショウタが即ツッコミ。


「行く前提なのやめろ!!」


その横でタヌキがぴょんぴょん跳ねていました。


「山の奥の“しゃべる遺跡”だって!」


クロノワールが静かに補足します。


「古代の封印構造物だな。崩壊すれば危険だ」


ショウタの顔が引きつります。


「危険案件確定じゃん……」


でも魔王はすでに乗り気でした。


「宝があるなら行く価値はある」


ベルフェルも当然のようにパンを詰めています。


『探索用携行食』


「遠足気分かよ!!」


そして一行は山の奥へ。


霧の中、たどり着いたのは――


巨大な石の門でした。


サヨが息をのみます。


「すごい……本当に遺跡だ……」


門には奇妙な紋章が刻まれていました。


ショウタが読み取ろうとして、即諦めます。


「読める気がしない」


ピースケはじっと見つめていました。


「これ、押すやつですねぇ。」


ショウタが振り向きます。


「なんで分かるの!?」


ピースケは普通に押しました。


ゴゴゴゴゴ……。


石の門がゆっくり開きます。


「正解なのやめろ!!」


中は暗い通路。


しかし壁の奥から、


かすかに光が漏れていました。


タヌキがワクワクしています。


「お宝だよお宝!」


一同、慎重に進みます。


すると――


カチッ。


床の石が沈みました。


ショウタが即反応。


「はい罠ぁぁ!!」


次の瞬間。


ズドドドド!!


天井から巨大な石が落下。


サヨが悲鳴。


「きゃあ!」


しかしピースケは軽く羽を広げて――


ふわっ。


風で石を横にずらしました。


「軽いですねぇ。」


「軽いじゃねぇよ!!」


さらに進むと、今度は部屋。


中央に巨大な宝箱が置かれていました。


キラキラと光っています。


タヌキが目を輝かせます。


「これ絶対お宝!!」


ショウタが慎重に言います。


「どう考えてもトラップだろ」


クロノワールも頷きます。


「罠だな」


魔王は普通に近づきます。


「開ける」


「やめろォォ!!」


しかし魔王は開けました。


ガチャ。


静寂。


中から――


ふわぁ……。


光の粒が舞い上がります。


そして出てきたのは、


金銀財宝……ではなく。


大量の“パンのレシピ本”。


ショウタ、固まる。


「え?」


ベルフェルが真顔で一冊取りました。


『古代パン技術書』


「当たり引いてるの怖い!!」


サヨが笑います。


「なんか平和なお宝だね」


ピースケも頷きます。


「おいしそうですねぇ。」


そのとき――


遺跡が小さく震えました。


ゴゴゴ……。


ショウタが青ざめます。


「……嫌な予感するんだけど」


レシピ本の文字が光り始めます。


そして、


壁一面の紋章が一斉に点灯。


龍のような声が響きました。


『認証完了。継承者確認』


全員停止。


サヨがつぶやきます。


「え、なにこれ……?」


その瞬間――


遺跡の奥から、


巨大な影がゆっくり立ち上がりました。


パンの香りをまとった、


“古代の守護存在”が。


ショウタ絶叫。


「またボス戦始まるのおかしくない!?!?」

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