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ミニピースケ その2

ピースケ、固まりました。


「……虹の親鳥様?」


ショウタが即ツッコミ。


「今さら肩書き増やすのやめろぉぉ!!」


空中には、井戸から出てきた虹色の龍がゆっくりと浮かんでいます。


龍は丁寧にもう一度頭を下げました。


『失礼しました。“井戸の底の契約記録”により、あなたは我々の起動鍵です。』


サヨがぽかん。


「起動鍵ってなに……?」


タヌキが小声で説明します。


「たぶん昔の魔法インフラだよぉ……。」


「インフラって言うな!世界観が現実寄りになる!」


ピースケは首をかしげました。


「えぇっと……覚えがないですねぇ。」


龍は静かに続けます。


『数千年前、この山の地下には“天虹水脈てんこうすいみゃく”が封じられていました。』


ショウタが反応。


「また壮大設定きた!!」


龍のヒゲがゆらりと揺れます。


『水脈は“感情の増幅”を司るもの。笑い・怒り・幸福が増幅し、世界に影響する。』


サヨが小声。


「それ、昼の虹色事件の原因じゃ……。」


ピースケ、ちょっと気まずそう。


「もしかして私ですかぁ……?」


龍はうなずきました。


『はい。あなたは“増幅器”として最適化されています。』


ショウタ、即座に叫びます。


「最悪の適合性やめろぉぉ!!」


そのとき――


井戸の中からさらに声。


『ですぅ……。』


『まだいますぅ……。』


『下、広いですぅ……。』


ミニピースケ軍団がぞろぞろ浮上してきます。


その数、増えている。


ショウタが頭を抱えました。


「井戸、無限ダンジョンになってる!!」


龍は少し困ったように言いました。


『本来は“感情の流量調整装置”でしたが……封印が解けかけています。』


その瞬間――


井戸の水面が黒く濁りました。


ゴボゴボゴボ……。


空気が変わります。


サヨが顔を強ばらせました。


「これ……昼の呪いと似てる……」


龍が低く言います。


『外から“干渉”されています。』


ショウタが聞き返します。


「また敵ぃぃ!?」


ピースケは井戸をじっと見つめました。


そして静かに言います。


「中に、まだ誰かいますねぇ。」


その言葉と同時に――


井戸の底から、


“カタ……カタカタ……”


あの音が、また聞こえました。


ショウタの顔が引きつります。


「それ骸骨系の音じゃん絶対ヤバいやつぅぅ!!」


龍がゆっくり構えます。


『注意してください。“水脈の番人”が侵食されている可能性があります。』


サヨがつぶやきます。


「つまり……まだ終わってないってこと?」


その瞬間。


井戸の中から、


真っ黒な“手”がゆっくり伸びてきました。


ドロォ……。


龍の目が鋭くなります。


『来ます。』


ショウタ絶叫。


「またボス戦始まるの早すぎるぅぅ!!」


ピースケは少しだけ羽を広げました。


「今度は……ちゃんと話せるといいですねぇ。」


そして――


井戸の闇が、完全に開きました。

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