2月
2月1日 火曜日
茜「・・・おはよう」
父「おはよう。朝ごはんは?」
茜「食べる・・・ママは?」
父「知らん。パチンコだろ」
茜「・・・」
父「パンでよかった?」
茜「うん」
父「そうそう、前好きだって言ってた直売のリンゴペースト買っておいたんだ」
茜「え、ありがと。でも朝限定だよね」
父「さっき買ってきたばっか」
茜「そんな、休みの日なのに」
父「親は子供のためなら何だってするよ」
茜「じゃ、じゃあ・・・」
父「ん?」
茜「・・・いいや。お昼ご飯と夜ご飯はいらない」
父「あいよ」
2月2日 水曜日
麗「ねぇ、We Will Rock Youってあるよね」
赤「あるな。誰も彼も知ってる」
麗「うん、あれ、才律ならなんて訳す?」
赤「・・・んー目にモノ見せてやるとか?」
麗「なるほど。私はいいから聞いてくれって感じだと思う」
赤「ふーん。なんで急に?」
麗「店内BGM聞いてふと思っただけだよ」
赤「・・・くるみ割り人形聞いてか?」
麗「うん。てかなんでこの曲なんだろ」
赤「・・・さぁな」
2月3日 木曜日
山「おは」
赤「・・・うげぇ、せっかく今日は朝焼けを見ながら缶コーヒー飲んでたのに、余韻が台無し」
山「訴えたら多分俺勝てるぞ」
赤「山口、知ってるか?司法権は人間しか持ってないんだぜ」
山「張り倒すぞ」
2月4日 金曜日
茜「あれ、赤羽」
赤「本なんて読むんだな」
茜「ちょっと!」
赤「冗談だ。参考書買いに来たの?」
茜「違うよ。普通に雑誌買いに来たの。赤羽は?」
赤「古本を探しに」
茜「何探してるの?」
赤「なんか目についた面白そうな本と、蠅の王ってやつ」
茜「蠅の王?どんな本なの?」
赤「知らないから探してるんだよ」
茜「手伝おうか?」
赤「頼んでいい?」
茜「勿論。でも私が見つけたら奢ってね」
赤「雑誌をか?」
茜「違うよ。スタバだよ」
茜「これ?」
赤「それは蟻の王。漫画だし」
茜「・・・これ?」
赤「ん、それだな。さんきゅ」
茜「・・・そんなにいっきに本を買うの?」
赤「ま、興味が湧かなかったら1冊も買わないよ」
茜「じゃ、スタバ行こっか」
赤「・・・ちょっと待って、麗に連絡だけしとく。上地さんも山口に連絡したら?」
茜「え、呼ぶの?」
赤「違う。上地さんとスタバに行くってことは伝えておくだけ」
茜「・・・マメだね」
茜「じゃ、私はいつもの抹茶で。豆乳にしーよっと」
赤「俺はアイスコーヒー。買ってくる」
茜「あ、モバイルオーダーしちゃうからいいよ」
茜「乾杯」
赤「乾杯」
茜「赤羽は受験勉強してるの?」
赤「程々はしてる」
茜「私も進学するんだ。県外だから賢蒼と離れちゃうけど」
赤「あいつなら引っ越してくれるかもしれんけどな」
茜「あはは、そうだと嬉しいけど」
赤「上地さんは下宿するの?」
茜「そうだよ。憧れの独り暮らし!」
赤「家事とかはできるの?」
茜「困ってから考えるよ」
赤「・・・」
茜「赤羽って料理できるんだよね」
赤「普通の飯なら」
茜「なんでご飯作れるようになったの?」
赤「・・・昔、友達の家で暮らしてた時にその家には食材とかがなかったから俺が調べて買って作るようになった」
茜「友達の家で暮らしてた?どういうこと?」
赤「普通に家族みんなが旅行に行ってしばらくお暇してたんだよ」
茜「・・・旅行?料理のいろはがおぼえれるくらい長く?」
赤「・・・」
茜「・・・前々からずっと思ってたけどさ、赤羽ってずっと何か隠してるよね。結局目のことだって私は具体的には何も知らないままだし」
赤「・・・」
茜「・・・」
赤「・・・」
茜「・・・」
赤「・・・」
茜「・・・ま、無理に暴いたりしないよ。茜ちゃんは優しいからね」
赤「ありがとう・・・目は交通事故で失明してるんだ。右目をな」
茜「っ」
赤「・・・まぁ、あんまり触れないでくれると助かる」
茜「・・・」
赤「・・・」
茜「・・・赤羽ってさ、両親と仲いい?」
赤「・・・悪いな」
茜「・・・」
赤「・・・」
茜「・・・ごめん!忘れて!」
赤「・・・山口に言えないなら、俺が聞こうか?」
茜「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
赤「・・・」
茜「・・・別に何でもないよ!忘れて!」
赤「じゃ、また明日」
茜「ばいばーい!」
麗『明後日は私とデートね』
赤『え』
茜「・・・ただいま」
父「・・・」
母「・・・おかえり」
2月5日 土曜日
赤「山口」
山「なに?」
赤「・・・上地さんのこと、よく見とけ」
山「なんでだ?」
赤「・・・俺にもよくわからん」
山「なんそれ」
赤「とにかく、よく見とけ」
山「・・・お前が言うなら、そうするよ」
2月6日 日曜日
麗「・・・これかな?」
赤「・・・」
麗「ちょっとこれ持って体に当ててみて」
赤「・・・」
麗「・・・んー、黒の方が似合いそうだね。こっちにしよっか」
赤「俺春先の服は間に合ってるんだけど」
麗「いいのいいの。確か才律ってカーキのシャカシャカよく着てるよね。じゃ、それと下は藍色のパンツがいいかな。ちょっと試着してみてよ」
赤「・・・わかった、着てくる」
麗「うん、やっぱ似合うね」
赤「はぁ。お金おろしてくる」
麗「あ、もう支払ったよ」
赤「え」
麗「プレゼント。大事に着てね」
赤「・・・ありがと」
2月7日 月曜日
麗「ねぇジョヴァンニ。赤羽麗って、どう?」
執「・・・お嬢様」
麗「な、なによ。妄想するくらいいいじゃない」
執「いえ、お嬢様は一人娘ゆえ、赤羽様に婿入りしてもらう形になります」
麗「阿比留才律かぁ・・・ふふっ」
執「光様もそれを望まれています。それよりお嬢様」
麗「ん?」
執「来週はバレンタインですが、ご用意のほどはどうされてますか?」
麗「もう注文したよ。無難にレオニダスの48個」
執「・・・話を聞く限り、赤羽様は高価なものは受け取らないと愚考しますが」
麗「えっ・・・に、2万ってどっち?」
執「そうですね。チョコレートに2万円は赤羽様のお言葉を借りるなら『ぶっ飛んでる』ですね」
麗「・・・じゃ、じゃあどうしよう。もう買っちゃったんだけど」
執「おそらく赤羽様は、麗さまの手作りのチョコレートが1番喜ぶと思われます」
麗「・・・手作りかぁ」
執「6月や7月には実際にお菓子を手土産に赤羽様のお店に行かれたのではないですか?」
麗「・・・7月に喧嘩しててさ。勿論私が悪いんだけど。その時に2回とも受け取ってもらえなかったから、ちょっとだけ怖いんだよね」
執「赤羽様が受け取らないとお思いですか?」
麗「・・・そっか」
2月8日 火曜日
山「往生際が悪いぞ!」
茜「そーだよ!赤羽1番でしょ!」
麗「・・・早く」
赤「・・・」
山「男が廃るぞ!早くしろ!」
赤「黙ってろ!」
茜「王様の命令は絶対だよ!」
山「早く愛を囁け!」
麗「・・・私、そんなに魅力ない?」
赤「っ・・・全部好きだ。愛が重いところも背が高いことを気にするところも」
麗「っ・・・ありがと」
山「よく言った!それでこそ男だ!」
茜「あっついねぇ!」
赤「死ねよクソ野郎ども」
2月9日 水曜日
赤「・・・あれ、麗」
麗「あれ?才律。どうしたの?」
赤「普通に買い物。今日は卵が安くて。そっちこそ何してるの?」
麗「私も買い物だよ」
赤「何買うの?」
麗「内緒」
赤「内緒なら一緒に回れないな」
麗「・・・ケチ」
赤「何拗ねてんだよ」
麗「この卵とこっちの卵はどう違うの?」
赤「え、知らない。庶民は卵の味の違いなんてわかんないから安いのを買うんだよ」
麗「・・・他には何買うの?」
赤「薄力粉、ジャガイモ、ニンジン、ほうれん草、ヨーグルト、サラダ油、ケチャップ、パン粉」
麗「今日の才律の家のメニューは?」
赤「コロッケかな」
麗「た、食べに行ってもいいかな?」
赤「・・・今日は兄上も姉上のいるからなぁ」
麗「・・・だ、だよね。ごめんわがまま言っちゃって」
赤「・・・・・・泊めることはできないけど、夕飯だけなら」
麗「・・・!是非」
赤「ただいま」
麗「お、おじゃまします」
赤「・・・部屋で待ってる?」
麗「今からご飯作るの?」
赤「そうだよ。1時間くらいかかるからゆっくりしてて」
麗「手伝ってもいい?」
赤「・・・いいけど・・・」
麗「任せて。ジョヴァンニに猫の手は教えてもらったんだ」
赤「じゃ、この3つのジャガイモを皮剥いて。はい、ピーラー」
麗「任せて」
赤「玉ねぎ切るからこっち見ない方がいいよ」
麗「うん。これ以外にもピーラーって使う?」
赤「使わないから、終わったら流しに置いておいて」
麗「わかった」
赤「したら鍋に入れて。茹でるから」
麗「・・・あれ?水から茹でるの?」
赤「そうだけどなんで?」
麗「んーとジョヴァンニはお湯から茹でてたから」
赤「・・・ジャガイモを?」
麗「違うよ。ブロッコリー」
赤「・・・・・・えっと、水から茹でる食材とお湯から茹でる食材の違いは、地面に埋まってるかどうかだよ。ジャガイモとかニンジンは水から。白菜とかブロッコリーはお湯から」
麗「初めて知った」
赤「一般常識だぜ、お嬢様」
赤「兄上、姉上、飯だ。彼女がいるけどあんまり触れないで」
姉「!!」
兄「!?」
赤「いただきます」
麗「い、いただきます」
兄「いただきます」
姉「いただきます」
麗「・・・」
赤「?食べていいぜ」
麗「う、うん」
兄「・・・えっと、初めまして。兄です」
麗「あっ、初めまして、才律の彼女をやらせていただいてる阿比留麗と申します。不束者ですが、何卒よろしくお願いします」
姉「やめてやめて。そんなに気を張らないで!」
兄「・・・才律」
赤「なんだよ」
兄「お前にはもったいない」
赤「二度と貴様に飯は作らん」
麗「ごちそうさまでした。ごめんね無理言っちゃって」
赤「構わないぜ」
麗「じゃ、私は帰ります。お義兄さん、お義姉さんお邪魔しました」
赤「ちょっと送ってくる」
姉「いつでも来てね!」
兄「・・・」
姉「・・・どう?ファーストインプレッション」
兄「いい子だ」
姉「だよね」
麗「・・・ごめんね、無理矢理ご飯一緒に食べちゃって」
赤「それくらいのわがままなら、痛くも痒くも」
麗「・・・」
赤「・・・どうかしたか?」
麗「いや・・・お義兄さん、あんまり歓迎してくれなかったな」
赤「や、アイツはあれで歓迎してるつもりだぞ。興味のない相手には話しかけない。俺と一緒だ」
麗「・・・ふふっ」
赤「じゃ、また学校で」
麗「うん。おやすみ。今日も寒いから体温めて寝てね」
赤「はいはい」
2月10日 木曜日
山「メイドって、線対称だよな」
赤「・・・何を言い出すかと思えば。どこが線対称なんだ?」
山「メイドって漢字で書くと?」
赤「・・・家政婦?少しニュアンスは異なるけど」
山「違う違う、メイドをだよ。メイドの土産とかの」
赤「・・・冥土か。確かに」
山「こういう小さなところからメイドのプロ意識が詰まってるんだなって感心したんだよ」
赤「・・・それで、遺言は決めたのか?チェックメイトだぞ」
山「・・・参りました」
赤「将棋もチェスも弱いな」
2月11日 金曜日 建国記念日
赤「ん、くだらないこと思いついた」
山「言ってみ」
赤「二郎系にコナン君と初めて行く服部君のモノマネ」
山「は?」
赤「『背油クドぉ!』」
山「・・・しょーもな。しかもその『せやかて工藤』って公式で言ってないらしいし」
赤「え」
山「馬鹿が」
赤「うっせ」
2月12日 土曜日
山「俺さ、幼いころにずっと勘違いしてたことがあってよ」
赤「人として生まれてきたのに壊滅的な頭の悪さのせいで自分は新種のオラウータンなのかってことか?」
山「ちげーよばーか」
赤「安心しろ、お前はラムサール条約で保護されてるからな」
山「なんだよ。ラムサール」
赤「湿地を守ってこーぜ!って感じ」
山「初めて知った」
赤「んで?勘違いしてたことは?」
山「俺さ、シベリヤのことずっと矢の種類だと思ってたんだよ。アローの矢な」
赤「・・・ごめん、理解が追い付かない」
山「しかもシベリヤじゃなくて、シベリアだったっていう」
赤「・・・ふふっ、はっはっはっは」
2月13日 日曜日
茜「おじゃまします!」
麗「うん、いらっしゃい」
茜「ジョヴァンニさん!久しぶりです!」
執「お久しぶりです、上地様。キッチンはこちらです」
茜「麗ちゃんは何作るの?」
麗「その前に、はい、エプロン」
茜「ありがと!」
麗「私はガトーショコラかな」
茜「ガトーショコラ!私はマフィンにするんだ!」
麗「茜ちゃん、お菓子作りは初めて?」
茜「友チョコでクッキーとかなら焼いたことあるけど、こういったのは初めてなんだ。麗ちゃんは?」
麗「5月とか6月とかスケープゴートに行くときは毎回手作りしてたんだ」
茜「すごい!」
麗「まぁ、ジョヴァンニにだいぶ手伝ってもらっちゃったけど」
茜「さ、砂糖ってこんなに入れるの?大丈夫だよね?」
麗「何気なく食べてるものもこうやって見るとびっくりしちゃうよね」
茜「・・・えい!うわぁ、真っ白だ」
麗「じゃ、ダマにならないように混ぜないとね」
茜「体力仕事はまっかせて!あれ?その瓶は?」
麗「キャプテンモルガン。風味が出るからね」
茜「お、お酒?」
麗「うん。飲んでみる?」
茜「・・・ちょっとだけ貰おっかな」
麗「一気に流し込んじゃだめだよ。ゆっくりと・・・」
茜「ぐぇっ、げほっげほっ」
麗「言ったそばから・・・」
茜「なにこれ。お酒ってこんな感じなの?」
麗「まぁ、そうだね」
茜「私、大人になってもお酒飲まない。ソルティライチで十分」
茜「でーきた!」
麗「うん、私もできた。明日、学校で渡すの?」
茜「勿論!麗ちゃんも?」
麗「・・・私は家に呼ぼっかな」
茜「うわぁ、甘々」
麗「う、うるさい」
2月14日 月曜日
茜「はい!バレンタイン!」
山「マジか!ありがと!家で食べるよ!」
茜「そうしてそうして!これは赤羽の分だよ」
赤「・・・山口にあげなよ」
茜「なんで?」
赤「・・・まぁいいや。ありがと」
麗「私も、はい。山口」
山「わお、高そうなチョコ」
麗「お家で食べてね」
山「ありがとな!大事に食べる!」
赤「・・・麗さん?俺のは?」
麗「誰が麗さんですか?」
赤「・・・麗?」
麗「学校終わったら、家まで来て」
赤「・・・重たいなぁ」
麗「何か言った?」
赤「滅相も粗相もないぜ」
赤「おじゃまします」
麗「うん、いらっしゃい」
執「お久しぶりです、赤羽様」
赤「ご丁寧にどうも。俺なんかに毎度毎度頭下げなくていいですよ」
執「いえいえ、いずれ私の主になるかもしれません故、礼儀は寝てても欠きません」
麗「ちょ、ちょっと」
赤「・・・ははっ」
麗「じゃ、ここ座って」
赤「あいよ」
麗「とりあえず、コーヒーだよ。ブラックでよかった?」
赤「ありがとう。落とせるようになったんだね」
麗「いや、ジョヴァンニにお願いしたんだよ」
赤「・・・」
麗「じゃん、ガトーショコラだよ」
赤「・・・すごいな。随分高級そうだ」
麗「手作りだよ」
赤「・・・見えなかったな。すごいな」
麗「でしょ。じゃ、いただきます」
赤「・・・・・・・・・・・・」
麗「ど、どう?」
赤「・・・麗」
麗「な、なに?」
赤「・・・お酒、入ってる?」
麗「入ってるけど・・・あっ!ご、ごめん、そうだった。忘れてた。ごめん。今すぐ捨てるよ」
赤「いや、大丈夫。捨てなくていい。こんなにもおいしいからな」
麗「ごめん」
赤「・・・別にお酒飲まないのは飲酒運転の事故とは関係ないよ。理性を手放すのが嫌なだけ。本当に気にしないで。それより、おかわりはある?」
赤「おじゃましました」
麗「うん、また来てね」
赤「ああ」
赤「・・・」
赤「・・・・・・」
赤「・・・・・・・・・」
赤「・・・・・・・・・・・・オエッ」
赤「げほっ、最悪だ・・・まだ俺は動けないのかよ・・・クソっ」
2月15日 火曜日
麗「赤羽、昨日はごめん」
赤「だから何にも気にしてないって」
麗「よかったら、これ、食べて。これには洋酒入れてないから」
赤「わざわざありがと」
2月16日 水曜日
茜「おはよ!おまたせ!」
山「俺もさっき来たところだよ」
茜「それで、なんで茜ちゃんを呼び出したの?」
山「いやぁ・・・暇だったから遊びたいなーって思って」
茜「私もちょうど暇だったし、遊ぼ遊ぼ!」
茜「下手っぴ!」
山「うるさい!俺もうガーター塞ごうかな」
茜「え?そんな機能小学生しか使わないよ」
山「うるさい!そい!」
茜「あっ・・・やっちゃったね。あのスプリット、できる?」
山「無理無理。真っすぐ投げるのもおぼつかないし」
茜「スコアが92かぁ。もうちょっと行けたかも」
山「・・・」
茜「ぷぷっ61点だ!」
山「うるさい!」
山「乾杯!」
茜「乾杯!」
山「何食べる?」
茜「えーっと、明太子のパスタと小エビのサラダ。賢蒼は?」
山「辛味チキンとエスカルゴとソーセージピザ」
茜「1切れちょうだい!」
山「やーだね」
茜「ケチ!」
山「また遊ぼー」
茜「うん!また月曜日!」
2月17日 木曜日
山「なぁ、お前茜の何を見て心配になったんだ?」
赤「・・・俺も言語化が難しいんだよ」
山「昨日デートしてきたけど、普通だったぞ。楽しんでくれてたし」
赤「昨日何したんだ?」
山「ボウリング行って、ゲーセン行って、サイゼで飯食って、ユニクロで服見て帰った」
赤「アクティブだなぁ・・・学校帰りによくそんな遊べるな」
山「楽しかったぜ」
赤「・・・次のデート、体動かさないのにしたら?」
山「どういうことだ?」
赤「上地さんは・・・えっと、単細胞だから体動かして楽しんでるうちは悩み事をわすれるんじゃあないかな。湿っぽい映画見て、一緒にご飯食べながら探ってみて」
山「・・・お前、言葉選んだうえで出てきた単語が単細胞なの?」
赤「それ以上に見合う言葉が見当たらなかった」
山「錯視か乱視なのかわからんけど、コンタクトおすすめするぜ」
赤「片目だけだから1Dayのコンタクトを2日使えるぜ!お得だな・・・馬鹿が」
山「ちなみに、茜はコンタクト使ってる」
赤「ちなまなくていい」
2月18日 金曜日
茜「おはよ!」
赤「ああ、おはようさん」
山「おーはよ」
茜「2人してなんの話してるの?」
赤「スタンドのビジュアルについて」
茜「え?」
山「俺としてはパープルヘイズが好きなんだよね」
赤「わかるぜ。帽子というかバイザーと言うか。ハンカチの柄みたいな紋様も相まってかっけーよな」
山「よくわかってんな親友よ。お前は?」
赤「俺はなぁ・・・ボーン・ディス・ウェイのデザインが好き」
山「意外なところをついてくるな。開いたら出てくるスタンドだっけ」
赤「ああ」
茜「・・・何の漫画?」
赤「ジョジョリオン」
茜「・・・それは、ジョジョなの?」
赤「ああ。俺は2部と8部が好き」
山「俺は4部と6部」
茜「見てみよっかな」
赤「おすすめはしないぞ」
山「おすすめはしないぞ」
茜「なんでよ」
赤「長い」
山「重い」
2月19日 土曜日
赤「文房具ってさ」
麗「ん?」
赤「文房具って、だいたい1つの物事しかできないよね。ペンなら書く、消しゴムなら消す」
麗「それがどうしたの?」
赤「・・・ちょっと羨ましいよな」
麗「・・・」
赤「・・・俺も文具だったら、何も考えずに使われるのを待つだけだったのかな」
麗「・・・悩み事?」
赤「別に」
2月20日 日曜日
山「ゆで卵って、ボイルエッグじゃん」
赤「何を言い出すかと思えば」
山「スクランブルエッグもあるよな。じゃあ、目玉焼きは?」
赤「・・・アイオブエッグとか?」
麗「Ofを変なところで使わないで。フライドエッグでいいんだよ」
山「そーなんだ」
赤「・・・それで、なんの話なんだ?」
山「いやぁ、卵使うと料理の名前が簡単になるんじゃあないかなって。炒飯とかオムレツとか、子供でも簡単に覚えれる名前じゃん」
赤「確かに、卵料理がボンゴレビアンゴとか、ザッハトルテとかだったらすぐに覚えられないな」
麗「サニーサイドアップは?すぐに覚えれる?」
山「・・・サニー再度アップ?また晴れてきたってこと?」
赤「馬鹿が。あと麗、それは料理名ではない。調理方法だ」
2月21日 月曜日
赤「・・・24日、空いてる?」
麗「空いてるよ。なんで?」
赤「・・・着いてきてほしいところがある」
2月22日 火曜日
茜「ただいま」
父「・・・おかえり」
山『明日の祝日暇?映画見に行かない!』
茜「っ」
茜『行く行く!11時にイオンでいい?」
山『勿論!』
茜「・・・ふふっ」
2月23日 水曜日 天皇誕生日
茜「あ!おはよ!」
山「ごめんごめん、遅れちゃって」
茜「大丈夫だよ」
山「したら、何見る?」
茜「んー、この映画、アクションらしいよ」
山「・・・俺この作品の1知らないからなぁ」
茜「じゃ、他のにしよっか。なにがいい?」
山「・・・これとか?」
茜「珍しいね。こんな感じのタイトルの映画選ぶなんて」
山「ま、たまにはね」
茜「・・・」
山「・・・」
茜「・・・お、面白かった?」
山「俺にはあわなかったけど・・・」
茜「違う違う、この映画、つまんなかったよね」
山「あ、やっぱり?」
茜「うん。結局ヒロインも主人公も相手のためとか言いながら、行動がブレブレ」
山「だよねぁ。病院に行くって言ってるのに花屋で花の匂いを楽しみだしたり、作者がカッコいいよ思ってることを無理矢理入れた感じがするよね」
茜「うんうん。決め台詞もダサいし」
山「またあーそぼ!」
茜「勿っ論!」
山『アドバイス通りにしたけど、問題が起きた』
赤『どんな?』
山『映画がクソすぎて、しんみりした雰囲気にならなかった』
赤『えぇ・・・』
2月24日 木曜日
赤「おはよう」
麗「うん、おはよう。駅集合って言ってたけど、どこに行くの?」
赤「・・・墓参りだ」
麗「・・・アンリさんの?」
赤「そう。俺は年3回だけ行くって決めてるんだ。命日、俺の誕生日、そしてアンリの誕生日」
赤「・・・こっち。そこのバケツに水入れてくれ」
麗「うん」
赤「・・・ここが、お墓」
麗「・・・」
赤「・・・ひさしぶり」
「・・・」
赤「・・・紹介するよ。彼女の麗。今まで彼女がいることとかいたこととかは話したけど、きちんと連れてきたのは初めてだね」
「・・・」
麗「・・・初めまして」
「・・・」
赤「・・・俺は、多分今、幸せだと思う」
「・・・」
赤「山口の馬鹿が、俺に言ってきたんだ。何のために生きるのか、誰のために生きるのか」
「・・・」
赤「まだ、結論は出てない。でも、前みたいに無様には、生きないよ」
「・・・」
麗「・・・」
赤「・・・じゃ、また来るね」
女「あれ?さい君じゃん」
赤「・・・どうも」
女「随分久しぶりだねぇ。こんなにもおっきくなって」
赤「お久しぶりです」
女「あら、彼女さん?」
麗「はい。才律の彼女です」
赤「・・・この人がアンリのお母さん」
麗「・・・初めまして。よそ者なのに勝手に来てごめんなさい」
女「なに言ってんのよ。さい君は息子みたいなものなんだから、喜ぶのは当然よ」
赤「・・・っ」
女「じゃ、さい君、よかったらいつでも来てね」
赤「はい、ありがとうございます」
赤「・・・」
麗「・・・」
赤「・・・」
麗「・・・」
赤「・・・少し、寄り道していい?」
麗「勿論」
麗「ここは?」
赤「俺が中学の時、煙草を買ってたちっちゃな店」
婆「なんだい、冷やかしかい」
赤「どうも」
婆「・・・赤羽じゃないか」
赤「お久しぶりです」
婆「何年も顔見てないから肺炎で死んだんかと思ったわい」
赤「残念ながら生きてますよ」
婆「それで、セッタでいいんか?」
赤「・・・1本だけ、買えます?」
婆「・・・んなもん商売にならん。持ってけ」
赤「ありがと。ばぁちゃん。ライター頂戴」
婆「ふん、二度と来るな」
赤「・・・ふぅ」
麗「・・・」
赤「・・・・・・」
麗「・・・」
赤「・・・そっちは風下だぞ」
麗「・・・君の過去を、触りたくてね」
赤「・・・」
麗「・・・ハンカチ、いる?」
赤「・・・泣いてねーよ。煙が目に入っただけだ」
麗「・・・」
赤「・・・っ」
麗「・・・」
赤「・・・・・・」
麗「・・・」
赤「・・・ふぅ、行こうぜ」
麗「・・・うん」
2月25日 金曜日
赤「・・・」
山「・・・・・・阿比留を幸せにするって言った奴の行動とは思えないな」
赤「・・・・・・アイツの制服、見てみたかったな」
山「・・・アンリの話はナシじゃあなかったのか?」
赤「・・・少しだけ、吹っ切れた」
山「・・・When you’re at the end of the road.And you lost all sense of control.And your thoughts have taken their toll.When your mind breaks the spirit of your soul」
赤「・・・言うな。お前」
山「さあな。俺は馬鹿だから、歌詞の意味は分からん。剃刀を捨てろ。包帯を巻け」
赤「・・・死にたいわけじゃあないさ。気持ちいいわけでもない」
山「・・・俺には理解ができない」
赤「しなくていい。これが最後だからな」
山「・・・」
赤「・・・これで、過去の僕は死んだんだ」
山「・・・お前」
赤「・・・」
2月26日 土曜日
赤「おはよう」
麗「・・・着いてきて」
赤「おいおい、朝の挨拶はおはようでしょ」
麗「いいからっ!」
赤「・・・なんだよ、こんな人が少ないところまで引っ張ってくるなんて、痴漢か?」
麗「・・・座って」
赤「・・・」
麗「座って!」
赤「っ」
麗「・・・・・・ほんとにやめて」
赤「・・・」
麗「・・・お願いだから、自分を傷つけないで」
赤「・・・・・・」
麗「・・・私さ、才律のことが本当に好きなんだよ。アンリさんに嫉妬するくらい。そんな才律が傷つくの、ましてや自傷なんて、耐えられない」
赤「・・・」
麗「・・・才律」
赤「・・・なに?」
麗「・・・もうしないよね」
赤「・・・ああ」
麗「次やったら、両手両足を縛り上げるからね」
2月27日 日曜日
赤「・・・」
麗「・・・痛いの?」
赤「そりゃあな」
麗「・・・・・・」
赤「・・・」
麗「・・・」
赤「・・・痛みってさ。麻薬なんだよ。皮肉だよね。生きるためのシグナルなのに」
麗「・・・才律の傷を見ると、本当に心も痛くなる。何が麻薬なの?」
赤「・・・」
2月28日 月曜日
赤「・・・ははっ、懐かしいな」
赤「・・・入学式んとき、凄い目立ってたよな。外人さんだって。お姫様だって」
赤「・・・一際輝いてらっしゃる。麗しいな」
赤「・・・これが、1年生の遠足の写真か・・・ははっ、でっかいおにぎりだな」
赤「・・・・・・・・・最後の写真は、これか。運動会」
赤「・・・肩組んだとき、なんだかむずむずしたんだよなぁ」
赤「・・・恋だったのかな」
赤「・・・」
赤「・・・アンリ」
赤「・・・・・・っ」
赤「うっ・・・・・・ぐすっ」
赤「うっ・・・ううっ・・・あぁ・・・ぐすっ・・・うわぁ・・・っ」
赤「・・・うぁあああああああぁぁっ」




