12月
12月1日 水曜日
麗「こっちのダウンのが似合うんじゃない?」
赤「うーん、色がなぁ」
麗「じゃあ、無難にこのコートとかは?」
赤「んな体全体が隠れるコート、あんま男が着ないだろ」
麗「そう?意外と町中にいるよ」
赤「・・・茶色で体全体が隠せるコート。露出狂が着そうだな」
麗「ちょっと!私もこういうの着るんだけど!」
赤「ま、今日は上着はいいや。麗さんは何買うの?」
麗「うーん、どっちの色のマフラーがいいかな?」
赤「藍色の方」
麗「・・・じゃ、そっちにするよ」
赤「もう片方は俺が買おうかな」
麗「じゃ、はい」
赤「もう片方も寄越せよ。買ってくる」
麗「ダメだよ。なんなら私が買ってあげようか?」
赤「結構だ」
12月2日 木曜日
赤「・・・」
山「いや、これか?これめっちゃかっけーよな」
赤「帰りてぇ」
山「なんだよ。お前も靴買いたかったんじゃないのか?」
赤「ちげーよ。ローファーが壊れたから買いたかっただけだ。今日はナイキに用はなかったんだよ」
山「ま、なんでもいいだろ。お前ならどっちかう?白?黒?」
赤「知らね」
山「・・・・・・黒にしよっと」
赤「いやぁ、俺は白の方がいいと思ったなぁ」
山「舐めんな」
12月3日 金曜日
茜「おっはよ!可愛いマフラーだね」
赤「・・・」
麗「赤羽とおそろにしたの。ね?」
赤「・・・」
茜「赤羽?なんでつけてないの?」
赤「兄上にパクられた」
茜「あー」
麗「・・・ちゃんと自分の部屋に置いてよ」
赤「気を付ける」
12月4日 土曜日
茜「そーいや、テストのシステムが変わったらしいよ」
赤「このタイミングでか?」
茜「うん、集団カンニングを受けてって感じ」
山「どう変わったんだ?」
茜「えーっと、範囲を発表せず、テスト日も発表せず、いきなりやるんだって」
山「うげぇ、今日からテス勉した方がいいんか?」
赤「・・・終業式の日が12月21日だから、個表は19日くらいに帰ってくるはず。採点や点数ミスの確認とかもあるから17日にはテストが帰ってくる。したら採点に2日かかるとしたら15日にテストが終わる。じゃあ、10日あたりから始まると考えるのが妥当だな」
山「信じるぜ!」
茜「私も信じる!」
赤「あくまで推測だからな。アテにし過ぎるなよ」
12月5日 日曜日
麗「山口、ちょっとちょっと」
山「なに?」
麗「茜ちゃんの誕生日知ってる?」
山「聞いたことなかったな」
麗「12月22日だよ」
山「あ、そうなんだ。ありがと」
麗「誕プレ用意忘れないでね」
山「勿論」
12月6日 月曜日
茜「なにこの課題」
山「座右の銘ってなんだ?」
赤「決め台詞みたいなもんだ」
山「最高の手駒とは、自身の手駒を持っている手駒だ」
麗「なにそれ」
赤「手下と犠牲者を区別しないドラゴンさんのことだ」
茜「本当にわかんない」
12月7日 火曜日
茜「結局座右の銘何書いたの?」
麗「Taking is too easy, but that's the way it is」
赤「・・・いい趣味だな」
麗「間違えた、If you really bug me then I'll say goodbye.」
赤「悪かったって」
茜「え?なんの話?」
赤「Get your act together, we could be just fine.」
麗「・・・ふふっ」
茜「わかんないよ!」
赤「気になるなら、ワナビーって調べてみてくれ」
麗「いい曲だよね」
12月8日 水曜日
麗「ごめんね、呼び出しちゃって」
赤「気にしてないぜ。何の用なの?」
麗「一緒に茜ちゃんのプレゼント買いに行こ」
赤「誕生日でも近いのか?」
麗「ま、近くはないけど」
赤「じゃあなんで今日なんだ?」
麗「・・・会いたかった時に、ちょうどいい口実があったからだよ」
赤「っ・・・」
麗「・・・」
赤「照れるなら言うなや」
麗「う、うるさい」
赤「・・・これでいいや」
麗「ん?スマホカバーね」
赤「これに山口のきったない面張り付けておこう」
麗「もう」
赤「麗さんはどうするんだ?」
麗「・・・このヘッドフォン、どっちがいいと思う?」
赤「上地さん、音楽聞くのか?」
麗「流行りの音楽は聴くって」
赤「・・・・・・白かな」
麗「じゃ、こっちにしよ」
赤「なんでよ」
麗「茜ちゃんにはピンク、私用に白」
赤「はっ」
麗「赤羽用に黒買ってあげようか?」
赤「結構だ」
赤「・・・甘」
麗「あれ?スタバ初めて?」
赤「中学時代に連れてかれたりもしてたから初めてではない。こんなに甘かったっけ」
麗「私といるからじゃない?」
赤「・・・後全部あげる。コーヒー買いなおしてくる」
麗「もう」
12月9日 木曜日
山「・・・なんで男2人が並んでスタバ買ってんだ?」
赤「なんだっていいだろ。この期間限定4つください。テイクアウトで」
山「そんなに買うのかよ」
赤「兄上と姉上用にな。ホレ、奢り」
山「ダンケ。・・・うまいな!」
赤「・・・なんだよ、普通に甘すぎるだけじゃねーか」
12月10日 金曜日
赤「・・・」
山「・・・1日で何教科済ますんだよ」
茜「死ぬかと思っちゃった」
麗「現代文、化学、生物学、古典、英語、数2。残ってるのが英語、古典、地理、歴史、物理の5つだね」
赤「なんでこんなシステムに変わったんだよ。タコが」
茜「どうだったの?」
麗「うーん、普段よりちょっと悪いかな」
山「絶☆望」
赤「最悪ではない」
麗「とか言ってどうせ1位取るくせに」
赤「怒るなよ」
12月11日 土曜日
茜『今なにしてる?』
山『お風呂だよー。写真欲しい?』
茜『いらないし』
山『なんだと!俺の鍛えられたドラゴンハッスルを見たくないのか!』
茜『賢蒼って意外と鍛えてるよね』
山『そうか?筋トレとかしたことないし部活も入ったことないぜ』
茜『じゃあ天然素材でそんなにタフネスなの?』
山『羨ましいか?』
茜『ちょっと羨ましいけどね』
山『風呂あがったら電話していい?』
茜『うーん、お勉強しないといけないしちょっとだけね』
山『勉強しながら電話すればいいでしょ』
茜『そういって勉強できた試しがないからね。それにスマホ耳に当てっぱなしにすると腕痛くなっちゃうし』
山『イヤホンとかヘッドホンとかは?』
茜『持ってないんだよね』
12月12日 日曜日
茜「まだ5時なのにめちゃくちゃ暗いね」
山「俺は夏のが好きだなー。8時くらいまで明るいもん」
茜「それは嘘でしょ」
山「・・・おっと、忘れてた。茜、歩道側をどうぞ」
茜「あはは、ありがと」
山「この辺街頭少ないからなぁ。自転車だと人引きそうになるんだよね」
茜「・・・見て、あそこ。家でやりなよ」
山「・・・あいつは」
茜「ん?知り合い?」
山「・・・なんでこんなところにいるんだ?」
茜「知り合いなの?」
山「知り合い・・・なのかな?元クラスメイトだよ」
12月13日 月曜日
山「そーいや、昨日香川をちらっと見たよ」
赤「っ、どこでだ?」
山「普通に道の真ん中で知らん男とべろちゅーしてたで」
赤「べろちゅーて」
茜「なに?なんの話?」
山「や、別に。昔の知り合いに会ったってだけ」
麗「・・・中学の知り合い」
赤「・・・」
山「・・・」
麗「・・・そう」
茜「う、麗ちゃん、怒ってる?」
麗「別に」
12月14日 火曜日
赤「明日、サイゼな」
山「あいよ」
赤『麗さん、明日の放課後の予定は?』
麗『暇だよ』
赤『じゃあ、お手数だけどサイゼリアまで来てほしい』
12月15日 水曜日
麗「あれ?山口」
山「あれ?阿比留。どうしたの?」
麗「いや、赤羽に誘われたんだけど」
山「俺も。じゃあ茜も来るのかな」
麗「あれ、メッセージだ」
山「・・・ん、俺も」
赤『麗さんが俺に関することを聞いたら全て隠さず答えて』
赤『山口に、どんな質問しても構わない』
山「・・・どういうことだ?」
麗「・・・」
赤『客観的な視点から、俺の中学校時代がどれくらいいかれてたか説明してほしい』
麗「・・・」
山「・・・」
麗「じゃあ、聞いてもいい?」
山「・・・まあ、赤羽がいいって言うなら」
麗「・・・中学校の時の赤羽ってどんな感じだった?」
山「うーん、あんまり学校に来てなかったな。でもみんな赤羽の噂をしてたよ」
麗「どれくらいの頻度で学校に来たの?」
山「うーん、週に1回来るか来ないかだったな」
麗「・・・」
山「なんか、赤羽が暴力沙汰を起こしたとか、孕ませたとかいろんな噂があったよ」
麗「それはホント?」
山「孕ませたは嘘にしても、暴力沙汰も多くなかったよ」
麗「・・・あったの?」
山「・・・俺が知るのは1回だけだ。たしかクラスメイトの陽キャが赤羽にちょっかいかけてたんだよ。んで赤羽に対してお前も事故で死ねばよかったのにって言ったら、教室の中で叩きのめしてた」
麗「・・・」
山「俺は隣のクラスだったけど、救急車が来るレベルだった。そっから赤羽は学校に来なくなったな」
麗「・・・」
山「んで、家にもほとんど帰らずに女の家を渡り歩いてたって本人は言ってた」
麗「・・・」
山「煙草も普通に吸ってて、リストカットも会うたびに増えてて、当時は義眼じゃあなくて眼帯だったからそれ込みで噂が絶えなかったな」
麗「・・・赤羽」
山「で、なんか俺も両親が離婚して引っ越す時に、たまたま赤羽がこの街に引っ越すって知ったから、親父にお願いしてこの街におんなじタイミングで引っ越したんだ」
麗「なんで引っ越したの?」
山「んー、確か美容の専門学校に兄が通いだすタイミングで一家まとめて引っ越したって感じのはずだけど、その辺は俺もよくわからん」
麗「・・・」
山「で、俺は友達が引っ越し直後で居なかったから赤羽とつるもうとしたんだよ」
麗「・・・勇気あるね」
山「まあ疎遠になってたけど、小1とか2とかまでは・・・えーっと、もう1人の幼馴染みと一緒に遊んでたし」
麗「・・・長曾我部アンリさん?」
山「!赤羽はもう話してたのか。ま、それはいいとして、最初は酷かったよ。普通に煙草も吸ってたし、ホストクラブの近くで女をナンパしてたし、めちゃくちゃだった」
麗「・・・」
山「んで、俺は学校に通いながら、たまに赤羽と一緒に街を歩いてたりナンパ見てたりとかしてたんだよ。んで、アイツの中3の誕生日、セブンスターの箱をプレゼントしたんだよ」
麗「・・・」
山「したら、赤羽はしばらく黙り込んだ後、お前、高校決めたんか?って聞いてきたんだよ」
麗「それで?」
山「んで、決めてないけど、俺らが今通ってる高校目指してるって言ったら、鼻で笑った後、じゃあ勉強教えてやるって。そっから赤羽にめちゃくちゃ教えられてこの高校に入ったんだよ」
麗「・・・そう。ありがと」
山「ほかに聞きたいことは?」
麗「十分だよ。ありがと」
12月16日 木曜日
赤「・・・」
麗「ごめん、お待たせ。なんで学校サボったの?」
赤「ああ・・・行く気にならなかっただけだから気にしないで」
麗「相変わらず自由だね。てか、店の中で待っててくれればよかったのに」
赤「別れたいって言うかもしれないからな」
麗「・・・撤回して」
赤「なにがだ?」
麗「そんな、私は赤羽の過去を知ったぐらいで揺れる人だと思わないで。私は、片目が見えなくて、皮肉ばっかで、中学時代に煙草も女も好き勝手してて、山口を心底大事にしてて、茜ちゃんと親友で、何より私を大切に思ってくれる、赤羽が好きなの」
赤「・・・」
麗「勿論驚いたし、初めての相手がいろんな人との、その、経験があったって知ったらそりゃ、むっとするけど、別にそれで別れ話になるわけないじゃん」
赤「・・・」
麗「何より赤羽は、私の愛の重たさも、家の大きさも、知ったうえで愛してくれたんでしょ?」
赤「・・・」
麗「・・・」
赤「・・・」
麗「・・・こ、肯定してほしいなー」
赤「・・・ふふっ、そうだな」
麗「じゃあ、別れ話にはならない。いいね」
赤「ああ。悪かった。黙ってて」
麗「怒ってないって。でも」
赤「でも?」
麗「私の愛の重さを甘く見られたのは、心外だなー」
赤「・・・ははっ」
12月17日 金曜日
山「・・・赤点、か」
赤「かっこつけんな。笑い事じゃあないだろ」
山「・・・一夜漬けで何とかしてきたからなぁ。冬休み、学校行きたくねー」
赤「何点だったんだ?」
山「数学は耐えたけど、古典がダメだった」
赤「だから何点?」
山「21点」
赤「・・・」
山「何が光源氏だ。ハイエースしたペ*野郎じゃねーか」
赤「まあ、そうなんだけどな」
12月18日 土曜日
麗「ねえ、赤羽」
赤「なに、一口欲しいの?」
麗「うん、貰う」
赤「ほれ」
麗「あ・・・苦!何味?」
赤「栗」
麗「また変なもの買って」
赤「うまいだろ」
麗「あんまり好きじゃないな。こっちの1口いる?」
赤「いらない」
麗「えー、甘くておいしいよ」
赤「麗さんのチョイスは甘すぎるんだよ」
12月19日 日曜日
麗『ねぇ、才律』
赤『DMでは名前呼びなんだな』
麗『だって、恥ずかしいし』
赤『俺は名前呼びしてるだろ』
麗『でも、呼び捨てじゃないじゃん』
赤『麗さんも俺のことを才律君って呼ぶかい?』
麗『出来たら苦労しないよ』
12月20日 月曜日
山「お疲れ様」
茜「覗きだ!助けて!」
山「なんだと!」
茜「あはは、冗談だよ。いつも待っててくれてありがと」
山「俺がしたいからやってるし」
茜「ふぅ、疲れた。冬は寒いから汗は出ないけど、乾燥してて痛いんだよね」
山「こんなけ寒い中、よく練習できるね」
茜「ま、楽しいからね。私のリュックの中からニベア出して」
山「あいよ・・・・・・これ」
茜「待って!やっぱ鞄開けないで!見ないで!」
山「・・・学校でヤるのか?」
茜「違う!今日ウチ来るかなって思ったから買っただけ!」
12月21日 火曜日
赤「・・・降り出したな」
茜「朝から曇ってたからやだなーって思ってたら、雨降っちゃったね」
赤「上地さんは傘持ってる?」
茜「うーん、折り畳み傘がバッグに入ってたら運がいいなーって思ったり」
赤「あったの?」
茜「・・・あったらよかったなーって思ったり」
赤「・・・」
茜「・・・やむまで待つ?」
赤「俺の傘貸そうか?」
茜「え?2本持ってるの?」
赤「いや、1本だけだよ」
茜「じゃあ、濡れて帰ることになっちゃうじゃん」
赤「別に俺はいいよ」
茜「よくないよ!だったら相合い傘して帰ろ」
赤「いや、上地さんにも山口に悪いぜ」
茜「麗ちゃんも賢蒼も相合い傘したこと以上に濡れて帰らせたことの方が怒るよ!」
赤「・・・別にあと1時間でやむからいいや」
茜「・・・しょーがないな。一緒に待と?」
麗「・・・雨」
山「うわぁ、傘持ってないよ」
麗「ちょっと買ってくるよ。確か2階で傘置いてあったよね」
山「え、買うの?」
麗「雨やむまで待ってもしかたないからね」
山「そんな、もったいなくない?」
麗「だって、今学校ある時間だからお迎えをお願いできないし」
山「俺も父さん働いてる最中だからなぁ」
麗「・・・」
山「・・・やむまで待とうぜ」
麗「ま、そうしようか」
山「じゃ、コメダ行こーぜ。甘いものの気分だ」
麗「うん」
茜「赤羽ってさ」
赤「ん?」
茜「麗ちゃんのパパとママに会ったことある?」
赤「あるぞ。1回だけどな」
茜「じゃあ執事の、なんだっけシュプレヒコールさんみたいな人」
赤「ジョヴァンニさんな。なにか不満でも持ってるのかよ」
茜「え?」
赤「いや、シュプレヒコールって集団デモだったはず」
茜「よく知ってるね」
山「乾杯でもする?」
麗「なにに?」
山「うーん、俺の彼女のために学校をサボった彼女の親友に」
麗「・・・じゃあ、私は彼女に自分の意志で関わろうと変化した彼氏の親友に」
山「乾杯」
麗「うん、乾杯」
茜「んでさ、賢蒼って私の家に来るとさ、絶対に隣に座るの。肩と肩が当たるくらいね」
赤「聞きたくなかったな」
茜「それでさ、私が賢蒼の太ももとか手とかを触るといっつもビクッってするんだよ」
赤「本当に聞きたくないんだけど」
茜「それでさ、すっかり暗くなってもママとパパがいない日は、すっごくそわそわしだすんだよ」
赤「それ以上続けるなら、俺は濡れてでも帰るからな」
茜「ごめんって。でも、もうちょっと語らせてほしい」
麗「それでさ、ベンチに並んで座る前に、絶対風向きを気にするんだよ」
山「なんでだ?」
麗「んー私か風に当たらないよにかな」
山「マジか、俺も気を付けよ」
麗「んで、隣に座ってもちょっとだけスペースがあるんだ」
山「ま、アイツならそうだな」
麗「でも、私がちょっとでも寒そうにすると、くっついてくれるんだ」
山「・・・」
麗「それでさ、静かに距離を詰めてきたら、どうしたのって毎回聞くの」
山「なんでだ?」
麗「そしたら赤羽は大体『寒そうで見てられない』って言うんだよ。んで、私がほんとはくっつきたいだけじゃない?って言うとさ『・・・悪かったな』って言うんだよ。萌えじゃない?」
山「・・・うげぇ、想像しちまった」
茜「この前なんかえっちの途中でママが帰ってきちゃったときさ・・・ちょっと!スマホ見てないで聞いてよ」
赤「・・・もうやむな。帰るぞ」
茜「待ってよ!まだ語り終わってない!」
赤「聞きたくない。山口と上地さんの性事情なんざな」
茜「そんなこと言って!赤羽だって麗ちゃんとえっちなことしたくせに!」
赤「わざわざ語らないだろ。初体験じゃあるまいし」
茜「・・・え?」
赤「いっけね」
茜「赤羽?どういうことかな?」
赤「・・・」
茜「まるで、初体験はとっくに済ませたみたいな物言いだねー?」
赤「・・・靴紐、ほどけてるぜ。左足」
茜「シューズに靴紐なんか・・・あ!逃げるな!」
山「したら、学校帰りに飯食べて、帰り道にプレゼント渡すから茜の誕生日の話題は明日はナシね」
麗「わかったよ。じゃ、また明日」
山「おう!」
12月22日 水曜日
茜「おはよ!今日は私の誕生日だよ!山口!」
山「・・・」
赤「・・・」
麗「・・・」
茜「あ、あれ?」
山「・・・知ってるよ。なんならサプライズまで用意したんだけどな」
茜「え?嘘?え、あ、あの、えっと・・・」
山「・・・はい、プレゼント」
茜「・・・あ、あれがと。ん、んんっ、ありがお」
麗「はい、私もプレゼント」
赤「俺も」
山「本当は終業式終わってみんなでご飯食べてるときに渡したかったけどね」
茜「うっ、ごめん。今日誕生日だって教えてなかったの思い出したから」
赤「・・・今日は2人で飯行ってきなよ」
麗「うんうん」
12月23日 木曜日
麗『才律、25日空いてる?』
赤『んー25日か。姉上と新しい掃除機も見繕いに行く予定だよ』
麗『お父さんがデートしないなら会食に付き合えって』
赤『なんか姉上インフルで病院行っちゃったから空いてるよ』
麗『ほんと?じゃ、また連絡するよ』
12月24日 金曜日
山「ん-何がいいのかな」
赤「・・・周りの目が痛いぜ」
山「なにがだ?」
赤「冷静に男2人が化粧品コーナーでうんうん唸ったたら警戒される」
山「・・・でもよ、クリスマスのプレゼントはいいモノあげたいだろ」
赤「化粧品って、色とかでだいぶ考えて使ってるだろうし肌に合う合わないあるから、俺らが適当に買うのはおすすめしねーぞ」
山「・・・先言えよ!」
赤「お前が聞く耳を持たなかったんだろ!」
茜「だ、大丈夫だよね。男の人ばっかだよ」
麗「・・・早く買って、帰ろ」
茜「・・・バイオハザードバイオハザードっと・・・え、こんなにあるの?」
麗「この4、何が違うの?」
茜「えーっと、これが3でこれが4だね」
麗「・・・え、でも両方4って書いてあるけど」
茜「えーっと、これがプレステ3でこれがプレステ4だね」
麗「おんなじゲームなのに違う機械なの?」
茜「人気だからたくさん出てるんじゃない?」
麗「・・・どうして7の次がVILLAGEなの?」
茜「あ、7は赤羽たちに無理矢理やらされたんだよね。めちゃくちゃ怖かったな」
麗「・・・」
茜「うーん、わかんないなぁ。すみません!」
男「は、はい」
茜「えーっと、ゲーム好きの彼氏が喜びそうなゲームってどれですか?」
男「ん-と、どんなゲームを好みますか?」
茜「・・・わかんないなぁ。バイオハザードは好きだったはずだけど」
男「でしたら、このDMC5とかでしょうか」
茜「これは有名なの?」
男「はい、バイオが好きな人は大体これが好きです」
茜「じゃ、これにしよっと」
麗「・・・すみません」
男「はい」
麗「えーっと、このゲームができるゲーム機の本体の新品って売ってますか?」
茜「え!?」
12月25日 土曜日
麗「えーっと、もっと砕けた服で来てほしかったなー」
赤「・・・こんな豪華な家には、ドレスコードくらいあるだろと思ってね」
麗「・・・てか、結構いいスーツだね」
赤「姉上の彼氏からの頂き物だ」
執「お久しぶりです、赤羽様」
赤「あ、ジョヴァンニさん。お久しぶりです」
麗「ジョヴァンニ、ごめん、ダッシュでユニクロでラフな服買ってきて」
赤「え」
執「承りました」
赤「え」
麗「ちょっとここで待っててね」
赤「あいよ・・・ん-と、下座はここだったかな」
父「久しぶりだね。才律君」
赤「っ・・・お久しぶりです、光さん、梓さん」
父「すまないね。私たちは今から会食に行ってしまうんだ」
母「はい、よかったらどうぞ」
赤「・・・?」
父「ふふっ、驚いてるな」
赤「いや、まぁ、はい」
母「麗が才律君はレッドブルが好きだってしょっちゅう言ってるからね。ほら、乾杯」
父「乾杯」
赤「乾杯」
父「・・・・・・ふぅ、随分久しぶりに飲んだな」
赤「・・・」
父「さて、私たちは家を出る。冬の夜は長いからな」
母「家にあるものは好き勝手食べていいからね。足りないなら出前でもいいからね」
赤「ありがとうございます」
父「では、また時間があるときにゆっくり話そう」
赤「はい、楽しみにしてます」
麗「お待たせ、こっちだよ」
赤「・・・ここは不思議な家だな」
麗「あれ?レッドブル。しかも空き缶が3つ」
赤「光さんと梓さんが目の前で飲み干してったぞ」
麗「あれ?お父さん炭酸苦手なんだけどな。ま、いっか」
執「失礼します。お待たせいたしました。ラフな服装です」
赤「えーっと、幾らですか?」
執「代金は結構です」
麗「じゃ、こっちだよ」
赤「どこで着替えればいいんだ?」
麗「別に私の部屋でよくない?」
赤「・・・」
麗「・・・別に、リスカの痕も含めて愛してるよ」
赤「違う。恥ずかしい」
麗「・・・裸で抱き合ったことすらあるのに?」
赤「それはそれ、これはこれ」
麗「じゃ、この部屋で着替えて。外で待ってるから」
赤「悪い、待たせた」
麗「うん、似合ってるよ」
赤「そりゃどうも。ハンガーはある?」
麗「はい」
赤「さんきゅ。これはなんの部屋だ?」
麗「え?私の自室」
赤「・・・」
麗「ど、どう?」
赤「・・・随分広いな」
麗「皮肉?」
赤「勿論。俺の家のリビングくらいあるな」
麗「・・・何聞く?グリーンデイ?クイーン?ACDCとかジミヘンもあるよ」
赤「任せるよ」
麗「じゃ、クイーンにするね」
赤「・・・ターンテーブルじゃねーか」
麗「うん、お母さんの趣味でね。てか、適当に座ってよ」
赤「あいよ」
麗「よっと。なに飲む?ペプシにドクペにコーヒー。ワインとかもあるよ」
赤「コーヒー」
麗「任せて。練習したんだ。豆は・・・砕いて・・・あるのかな。これ」
赤「・・・」
麗「えっと、濾紙は・・・これ、だよね。あれ?どっちが表?裏面はどっち?」
赤「・・・・・・」
麗「えっと、セットして、豆は・・・どれだけ入れるの?1杯でいいの?」
赤「・・・濾紙は折ったか?」
麗「え、折ってない」
赤「貸せ。もう俺が淹れてやる。あと、豆を砕くって言うな」
麗「乾杯」
赤「ああ」
麗「・・・おいしい」
赤「いい豆だな」
麗「わかるの?」
赤「ぜんぜん」
麗「もう」
赤「少し、酸っぱいタイプのコーヒーだな」
麗「買って時間が経っただけかも」
赤「かもな」
麗「・・・・・・さ、才律」
赤「なに?」
麗「・・・わ、私のことは、いつ麗って呼び捨てにするの?」
赤「さぁね」
麗「・・・クリスマスプレゼント、あるよ」
赤「先言えよ麗」
麗「っ・・・もう」
赤「ははっ、冗談だ」
麗「・・・冗談じゃ、ヤダな」
執「お嬢様、少しよろしいですか?」
麗「ん?入っていいよ」
執「失礼します。赤羽様、お嬢様、ご夕食は何になさいますか?」
麗「赤羽は?何食べたい?」
赤「ん-、じゃ、麗さんの好物で」
執「かしこまりました。出来次第、部屋までお届けしますね」
赤「お願いします」
執「いえいえ、ではごゆっくりどうぞ」
麗「お願いね。てか、赤羽って、敬語どこで学んだ?」
赤「産声からすでに敬語だったさ」
麗「・・・」
赤「・・・一時期寝泊まりしてた女性の家で、マナーとして学んだ」
麗「・・・それ、もしかしなくても結構いい家だった?」
赤「阿比留家ほどじゃあないぜ」
麗「どれくらい?」
赤「ん-、執事は常駐してなかったな」
麗「・・・・・・どれくらいの期間?」
赤「2月くらい」
麗「その人の名字は?」
赤「それは言えないな。香川じゃあないとだけ」
麗「・・・」
赤「・・・」
麗「・・・まぁ、いいや。私の彼氏ってモテるんだね」
赤「麗さんほどじゃあないさ」
執「お待たせしました。ラザニアとポトフです」
赤「わざわざありがとう」
麗「ん、ジョヴァンニ」
執「勿論、自室で食事なさったことは、我々での秘密です」
麗「ありがと」
執「それでは、失礼します」
赤「・・・」
麗「・・・ち、違うの。家のテーブルだと距離が遠いから、隣に座って食べたかっただけなの」
赤「何に対する言い訳だよ。いただきます」
麗「いただきます」
赤「ごちそうさま」
麗「ごちそうさま」
赤「・・・」
麗「・・・えっと、デザートはいる?」
赤「あるなら戴くけど」
麗「じゃあ、はい」
赤「随分高そうなチョコレートだな。ゴディバ?」
麗「フレデリック・カッセルだよ」
赤「寡聞にして存じ上げてねーぜ」
麗「い、嫌ならねるねるねるねもあるよ」
赤「なんで?」
麗「えっと、これ、クリスマスプレゼント」
赤「ず、随分大きくて重い箱だな。開けていい?」
麗「勿論」
赤「・・・・・・・・・・・・」
麗「あ、あれ?」
赤「う、麗さん・・・その、失礼なこと聞くけど幾らだった?」
麗「えっと、待ってね、明細見てみる・・・12万だって」
赤「・・・ごめん、ちょっと理解できない」
麗「え、私、何かミスした?」
赤「違う。ただの彼氏に12万のゲーム機本体を渡すのは、その、ちょっとぶっ飛んでる」
麗「・・・」
赤「勿論、超嬉しいけど、さすがに受け取れない」
麗「えっ、でも、私、喜んで欲しくて」
赤「めちゃくちゃ嬉しいよ。できるなら今すぐ持ち帰ってモンスターをハンターしたいよ」
麗「じゃ、じゃあ貰って」
赤「ごめん、受け取れない」
麗「・・・」
赤「・・・今からテレビ繋いで、ゲームしない?」
麗「この部屋で?」
赤「ああ。麗さんが俺が好きなゲームをこのゲーム機で初めて欲しい。んで、一緒にゲームしよ」
麗「・・・でも、プレゼント」
赤「気持ちだけでも、重さで押しつぶされそうだから、受け取れない」
麗「・・・わかった。じゃあ、プレゼントは何がほしい?」
赤「・・・じゃあ、麗さんの大晦日の予定」
麗「そんなんでよければ、幾らでもあげるよ」
赤「じゃ、それがほしいな」
麗「うん」
赤「俺からのプレゼント」
麗「あ、開けていい?」
赤「勿論」
麗「・・・腕輪?」
赤「ああ。安物だけどな」
麗「・・・着けて」
赤「俺の手でか?」
麗「うん」
赤「じゃあ、つけるよ」
麗「・・・ありがと。なんで腕輪なの?」
赤「嫌だったか?」
麗「違う違う!気になっただけ。めちゃくちゃ嬉しいよ」
赤「・・・夏場、俺はリストバンド付けてるから」
麗「・・・才律」
赤「なに?」
麗「かわいいね」
赤「選んだ甲斐があったよ」
麗「違う。君がだよ」
赤「っ」
12月26日 日曜日
山「乾杯!」
茜「乾杯!」
山「何から食べる?ピザ?チキン?唐揚げ?」
茜「ピザ!」
山「じゃ、俺はチキン」
茜「ずるい!その1番大きいの食べたかった!」
山「茜だってピザ1番大きいのだろ!」
茜「フンだ」
山「ふぅ、お腹いっぱいだ」
茜「私も」
山「・・・今日、泊まる?」
茜「え?妹さんは?」
山「赤羽の家に泊ってる」
茜「えぇ・・・」
山「違う違う、赤羽のお姉さんに頼んだんだよ」
茜「ならよかった」
山「えっと、これ、クリスマスプレゼント。ちょっとだけ遅いけど」
茜「え!見てもいい?」
山「うん」
茜「・・・え、いいの?これ」
山「うん。電話するときに腕が疲れるって言ってたし」
茜「ありがと!大事に使うね。じゃあ、はい!これ私から」
山「見てもいい?」
茜「もっちろん」
山「え、DMC5じゃん!やったね!ありがと!」
茜「えへへ、どういたしまして」
12月27日 月曜日
麗「・・・・・・♪」
執「ご機嫌ですね。お嬢様」
麗「うわぁ!びっくりした!」
執「失礼」
麗「だってさ、こんなにいいもの貰っちゃったんだよ」
執「確か、以前頂いたと仰ってた物はどうされたのですか?」
麗「誕生日に貰った万年筆?丁寧に保管してるよ」
執「今回頂いたものは、腕輪ですか」
麗「可愛いでしょ。ほんとは指輪がほしかったけどね。なんちゃって」
執「・・・」
麗「これさ、よく見たら字が彫ってあるの。only eye only meだって」
執「隻眼だからこそ、言葉の重みがありますね」
麗「うんうん!」
12月28日 火曜日
茜「えへへ、私はスピーカー貰ったんだ。これ使って電話してると、超幸せなんだ」
麗「いいね、それ。私は腕輪」
茜「見せて見せて」
麗「やだ。私だけのもの」
茜「もう」
12月29日 水曜日
赤「はっはっは、結局、DMC5元々持ってることは言い出せなかったのか」
山「言えるわけないだろ」
赤「まぁ、そうだな」
山「・・・いるか?俺がもともと持ってた方」
赤「俺も持ってるし」
12月30日 木曜日
茜『山口の好きな曲って知らない?』
赤『本人に聞け』
茜『ま、いいじゃん。教えてよ』
赤『アイツはセカオワが好きだな』
茜『セカオワか。ありがと』
赤『山口はアルバムじゃあなくてプレイリストで聞くから、分かり合えない』
茜『私もプレイリスト派閥だな』
赤『二度と音楽の話題を出すな』
茜『酷くない?麗ちゃんはどうなのよ』
赤『麗さんもアルバム派だ』
12月31日 金曜日
麗「今日は私服で来たんだね」
赤「ジョヴァンニさんにまた新しい服買わせるわけにはいかないからな」
麗「こっちだよ。今日はジョヴァンニも休暇なんだ。だから、本当に2人きり」
赤「そりゃいいな。大広間でセックスするかい?」
麗「しない!」
赤「冗談だ」
麗「えーっと、なにすればいいの?」
赤「包丁使えないんだよね。ネギも頼めないしそばももう茹でてるし、今日は見てるだけでいいよ」
麗「じゃ、食器洗うよ」
赤「や、洗うものもない。包丁もまな板も使ってる最中だし」
麗「いただきます」
赤「いただきます」
麗「温かい」
赤「麗さんは年越しそば食べないのかい?」
麗「うーん、年末は海外に行くことの方が多かったからね」
赤「はっ、羨ましいこった」
麗「今年は赤羽もいるし、断ったんだよ」
赤「・・・」
麗「・・・年、もう明けちゃうね」
赤「今年は色々あったね」
麗「うん。出会って、誕生日を本気で祝われちゃったな。赤羽って、私のこといつから好きだった?」
赤「さぁね」
麗「もう。私は初めてスケープゴートに行った4月29日から、ずっと好きだよ」
赤「・・・」
麗「で、赤羽と本気で喧嘩して、仲直りして、文化祭で遊んだよね」
赤「ちゃんと覚えてるよ。キラークイーン」
麗「や、やめてよ。私も必死だったんだから」
赤「んで、キスして、セックスして、過去も傷も全部見せたね」
麗「うん」
赤「・・・ん、年があと1分で変わるな」
麗「赤羽」
赤「なに?」
麗「・・・大好き。今年1年ありがと。また来年も、もっと先もよろしくお願いします」
赤「・・・俺も、大好きだよ。来年も、よろしく」
麗「・・・来年だけなの?」
赤「・・・・・・ずっとこれからも、よろしく。麗」
麗「うん!大好き。才律」




