11月
11月1日 月曜日
赤「おはよう」
麗「お、おはよう」
赤「・・・」
麗「あ、赤羽、次は赤羽の家に行ってもいいかな?」
赤「・・・それの両親は普段家にいないぞ」
麗「え?独り暮らし?」
赤「や、兄上と姉上と3人で暮らしてる」
麗「・・・ど、どんな人?赤羽に似て皮肉っぽい?」
赤「失礼だな」
麗「だって、家族には挨拶しないと」
赤「気が早い」
11月2日 火曜日
山「今日お前んち行っていい?」
赤「なんで?」
山「妹がお前の飯を食べたいって」
赤「あぁ、そういうことか。今日のメシは多分親子丼だな」
山「やったね」
麗「・・・」
茜「いいなー私も行きたい」
赤「うーん、ちょっと遠慮してほしいぜ」
11月3日 水曜日 文化の日
赤「兄上、姉上、来週の予定は?」
兄「私は土から月まで連勤だな。終わったら店の改装でしばらく休み」
姉「私は暇してるよ」
赤「・・・木曜日の予定は?」
姉「ないよ」
兄「休みだな」
赤「・・・実は箱根の温泉宿のチケットが当たったんだ。行ってきてくれないか?」
兄「・・・まだ車には乗れないのか」
赤「ああ。普通に吐くと思う」
姉「ん、わかったよー」
兄「温泉か。気が利くな。最近腰が痛いんだ」
赤「4枚あるから、恋人も連れてってあげてくれ」
姉「あいよー」
11月4日 木曜日
兄「・・・調べたけど箱根の宿が当たるキャンペーンなんてなかったぞ」
姉「・・・でも旅行券、今手元にあるよ。4枚」
兄「誰か家に連れ込むのか?」
姉「山口くんじゃない人?」
兄「・・・女か」
姉「女ね」
兄「・・・ふぅ、そんなことしなくても家開けたのにな」
姉「お金、リビングに置いといてあげましょ」
11月5日 金曜日
赤『・・・麗さん』
麗『なに?』
赤『来週の11日、暇?』
麗『・・・!勿論!』
11月6日 土曜日
山「なんだよ、呼び出しやがって。今日は妹の宿題の手伝いする約束なんだぞ」
赤「それは悪かった」
山「んで、なんの用だ?」
赤「お前、上地さんとヤったことある?」
山「?あるけど」
赤「・・・ゴムって、何使った?」
山「・・・お前、よく聞いてくれた。用意するから安心して待っててくれ」
赤「すまねぇ」
山「気にすんな」
11月7日 日曜日
茜『だから、そんな怖いもんじゃないって』
麗『でもさでもさ』
茜『でもさもイグサもないよ!』
麗『やっぱり痛い?』
茜『私はそんなにだったかな』
麗『・・・なんか動画とか見た方がいい?』
茜『予習は大事だけど、AVとかに出てくる過激なことは期待しない方がいいし、絶対に求めちゃだめだよ。繋がるだけでお腹の中から幸せになるから』
麗『・・・』
茜『嬉しくないの?』
麗『嬉しいけどさぁ』
茜『赤羽なら大丈夫だよ。ホラもう寝た寝た。2時だよ』
11月8日 月曜日
赤「テスト帰ってくるの、随分遅かったな」
山「なんかカンニングが1クラス全員でやったらしい」
茜「あーなんか聞いたなぁ」
山「んで、色々バタバタしてたらしい」
赤「愚かだな」
麗「・・・2位」
赤「ふっ、1位」
山「・・・おっかしいな、40人くらいいないはずなのに順位が普段と変わってねーや」
茜「やっぱ赤羽には勝てないね。61位。賢蒼は?」
山「111位。ぞろ目だぜ!今日は帰りにガリガリ君を買うぜ!きっと当たる!」
茜「肌寒いのに?」
赤「残念だったな、麗さん」
麗「・・・ふん」
11月9日 火曜日
山「ほれ、ゴムとローション。2箱入ってる。付け方はさすがに知ってるか」
赤「さんきゅ」
山「赤羽って、中学の荒れてた時期に使ったことあるんじゃないのか?」
赤「・・・その時は避妊してないこともある。ゴム渡されたら使ったし、渡されなかったらそのまま」
山「・・・え」
赤「・・・まぁ、連絡とかは来てないから奇跡的に耐えてると思うけど」
山「じゃあ、なんでお前俺に用意させたんだよ!」
赤「・・・愛のあるセックスなんざ、したことないからだよ。麗さんを傷つけるわけにはいかないんだ」
山「クソ野郎だな。金払え」
赤「勿論」
11月10日 水曜日
兄「ほれ」
赤「・・・なんこれ」
兄「コンドームだよ」
赤「・・・余計なお世話だ」
兄「受け取らないなら、俺らは明日家を空けない」
赤「・・・わかったよ。ありがと」
兄「・・・緊張で萎えるなよ」
赤「余計なお世話だ」
兄「今日シコるのはやめておけ」
赤「余計なお世話だ」
兄「AVみたいなのは期待するな」
赤「余計なお世話っつってんだろ!」
11月11日 木曜日
赤「いらっしゃい」
麗「・・・お、おじゃまします」
赤「質素な家ですまないね」
麗「いや、全然全然・・・お義兄さんとお義姉さんは?」
赤「旅行だ・・・お義兄さん?」
麗「・・・」
赤「何か飲む?コーヒー?お茶?ジュースもあるよ」
麗「・・・コーヒーがいいな」
赤「あいよ。ここが俺の部屋」
麗「おじゃましまーす・・・広いね」
赤「皮肉かい?お嬢様」
麗「ちが、違うよ!」
赤「冗談だ。コーヒー取ってくるから楽にしててくれ。そこのお菓子は勝手に食べてくれ」
赤「・・・」
麗「・・・・・・違うの。別に堪能したかったわけじゃないの。私が普段使ってるベッドと違うから寝心地を確認したかっただけなの。布団を抱きしめてるのは癖なだけ」
赤「何も言ってないぜ」
麗「・・・ごめんなさい」
赤「気にしねーよ。はい、コーヒー」
麗「・・・苦い」
赤「うちのコーヒーは苦いよ。はい、牛乳」
麗「ありがと・・・てかさ、気になってたけど、この木箱はなに?」
赤「開けてもいいぜ」
麗「・・・煙草?」
赤「普段吸う?」
麗「うーん、クリスマスの時に家族で葉巻を吸うくらいだけど」
赤「そんな御大層な煙草じゃあないよ」
麗「んで、なんであるの?17歳だよね」
赤「・・・中学校の時にイキってて吸ってて、それを忘れないように取ってある」
麗「・・・吸っていい?」
赤「勿論」
麗「・・・ジッポーまであるのね」
赤「元カノがくれたんだ」
麗「・・・ふーん。ライターはどこかな」
赤「それ使えよ」
麗「・・・ヤダなぁ。赤羽の元カノの贈り物なんて使いたくない」
赤「はいはい。これ」
麗「ん、花火の時に使ったライターじゃん」
赤「捨てるわけないだろ」
麗「ん・・・げほっ、ナニコレ」
赤「セッタだから相当強いよ」
麗「うぅ・・・げほっげほっ」
赤「無理して吸うな。寄越せ」
麗「・・・ん、んん、はぁ、捨てちゃうのね」
赤「ああ。俺には不要だからな」
麗「赤羽の卒アル見せてよ」
赤「いいぜ。そこの本棚の隅」
麗「・・・すごい量の本だね。作者ごとに固めてあるの?」
赤「ああ。作者の出版順にならべてある。読みたきゃどーぞ」
麗「・・・これが?小学校の卒アル?随分埃を被ってるね。ふー」
赤「おうおう埃が舞うな。ロクに見返さないからな」
麗「・・・ごめん、幼馴染みが映ってるから?」
赤「それもある。俺は1年4組だぜ」
麗「・・・この肩組んでる女の子が?」
赤「ああ。幼馴染み。長曾我部アンリ」
麗「・・・」
赤「・・・俺さ、誕生日を教えたがらなかっただろ?」
麗「うん」
赤「・・・6月29日が命日なんだ。事故の日、一緒に帰ってたんだ。それで7月3日の俺の誕生日を祝う約束をした1秒後、車が突っ込んできたんだ」
麗「・・・」
赤「あんまり、誕生日を祝われたくないんだ。その役目はアンリのものだったからな」
麗「赤羽」
赤「・・・」
麗「アンリさんの誕生日は?」
赤「・・・2月24日」
麗「・・・一緒に、お墓に行ってもいい?」
赤「・・・・・・・・・・・・勿論」
赤「これが元カノだな」
麗「・・・・・・ふーん。じゃあこっちの写真で隣同士なのは?」
赤「それも元カノだな」
麗「・・・この人は」
赤「んーと、元カノだな」
麗「・・・さいてー」
赤「返す言葉がねーぜ」
赤「暗くなってきたな。そろそろ帰る?それとも食べてく?」
麗「赤羽の手料理?」
赤「質素な晩餐だよ」
麗「じゃあ、食べたいな」
赤「じゃ、ここで待ってて」
麗「・・・手伝ってもいい?」
赤「勿論」
赤「したらその人参はさいの目切りしてくれ」
麗「さ、さいの目切り?」
赤「ん-と、ちっちゃなブロック状に切ってってくれ」
麗「・・・」
赤「待て!んな左手で人参を切るな!指無くなるぞ。猫の手って知らないの?」
麗「な、なにそれ」
赤「・・・どうりでこの前の弁当、包丁使わないモンばっかだったわけだ」
麗「・・・」
赤「怖いから包丁持たないでくれ。んーとこのジャガイモ2つをこのピーラー使って皮剥いて」
麗「わかった」
赤「そのジャガイモ切ってくから終わったら頂戴」
麗「わかった。他にやることは?」
赤「んー、じゃあこっちのニンジンをスライサーで切ってって」
麗「全部?」
赤「いや、これだけ。後はポトフに入れる分」
赤「ほい、召し上がれ」
麗「いただきます」
赤「・・・味が薄かったな」
麗「おいしい」
赤「そりゃどーも」
麗「これはなんて料理?」
赤「ん-と五目ご飯にポトフ、豚肉とレンコンの油炒め、きんぴらごぼうだ」
麗「これなら花嫁修業いらないね」
赤「はっ、気が早いぜ」
麗「ごちそうさまでした」
赤「流しまで持ってくからそのままでいいよ」
麗「や、持ってくよ」
赤「・・・もう、9時だぜ。帰らなくていいの?ご両親、心配するよ」
麗「・・・・・・」
赤「門限破っちゃったとか?一緒に謝りに行こうか?」
麗「・・・帰りたくないな」
赤「喧嘩でもしたの?」
麗「その、違くて・・・え、エッチなこと、したいの」
赤「・・・・・・泊まってく?」
麗「う、うん」
麗「ごめん、シャワー長かったよね」
赤「気にしてない」
麗「あれ?眼帯」
赤「寝るときは義眼外すんだよ」
麗「へぇー・・・」
赤「・・・んで、するの?」
麗「は、初めてだから、その、や、優しくして。でも、無茶苦茶にしてほしい」
赤「・・・ああ」
赤「・・・はい、水。もう夜中だな」
麗「・・・・・・・・・赤羽」
赤「なに?」
麗「・・・・・・大好き」
赤「・・・俺も」
麗「・・・一緒に寝よ」
赤「ああ。明日学校だしね」
11月12日 金曜日
麗「ん・・・おはよ」
赤「おはよう。体の調子は?」
麗「・・・少し、歩きにくい」
赤「そう」
麗「・・・随分慣れてるね」
赤「まぁね」
麗「・・・けだもの。朝ごはんはある?」
赤「昨日の五目ご飯とポトフなら」
麗「いただく」
赤「ああ」
11月13日 土曜日
茜「てか、そろそろ進学か就職か考えないとね」
山「俺は働くよ。親父の仕事の手伝いだ」
茜「なんの仕事なの?」
山「コンサル」
麗「私は進学」
赤「決めてない」
茜「え、もうすぐ進路の決定だよ?」
赤「ぶっちゃけ進学に魅力を感じていないんよ」
麗「赤羽のご両親は何をされてるの?」
赤「親父はサックス1本で稼いでる。母上は親父と一緒に世界を飛びながら通訳の仕事もしてる。兄上は美容師、姉上はニート」
山「あの人ニートなの?」
赤「家からほぼ出ないから、ほぼニート」
茜「働いてる?」
赤「ああ。漫画家だ」
麗「・・・なんか納得するよ」
赤「そーいや、麗さんのご両親はなにをされてるんだ?」
麗「お父さんは会社のCOOでお母さんは歯科医」
赤「わーお」
茜「なんの会社?」
麗「えっと、美術品の輸出入だったり、俳優の育成だったり弁当のバランつくったり手広くやってるよ」
山「ますますわからないな」
11月14日 日曜日
茜「ね、ねぇ」
山「どうした?」
茜「私、ちょっと違く見えない?」
山「・・・可愛さは変わらないけどなぁ」
茜「ありがと。えへへ。じゃなくて!」
赤「・・・ヒントは肩より上」
山「・・・あ、前髪が短い!」
茜「違う!」
赤「・・・」
山「・・・じゃ、じゃあ頬の色が違う!」
赤「それは今興奮してるからかな」
茜「・・・ふんだ」
山「・・・」
赤「ばーか。カラコンだよ。目の色が普段より茶色」
山「え」
赤「ちゃんと見とけよ。両目あんだから」
11月15日 月曜日
山「な、なあ最近茜の機嫌がよくないんだよ」
赤「例えば?」
山「ん-一緒に帰りたがらなかったり、話しかけても後でねって感じでぼかされたりって感じ」
赤「お前、なにかやっただろ。思い返してみろ」
山「・・・昨日のコンタクトのことかなぁ?」
赤「上地さんはそれくらいで距離は取らないはず。それで取ったとしたら決定打になっただけだから積み重ねがあるはず」
山「・・・いや、マジで何もしてないぞ」
赤「・・・」
麗「何もしてないからだよ」
山「阿比留!どういうことだ?」
麗「赤羽ってさ、私に普段何してくれると思う?」
赤「え?」
山「??」
麗「まあ一緒に帰ったりするし電話もラインもするよ。でもそれ以上に休みの日にお出かけしたりするよ」
赤「まあ、たまにするよな」
麗「帰り道とか片手間の連絡とかじゃなくてさ、ちゃんとデートとかに行かないと女の子は冷めちゃうよ」
赤「お前、6月から付き合ってんだよね。どれくらいデートした?」
山「・・・最近はあんまりだけど、夏休みは赤羽の店にほぼずっと一緒にいたぜ?」
赤「それだろ」
麗「それだね」
山「お、おかしいのか?」
麗「私と赤羽は付き合って2か月だけど、デートなら3回、家の訪問も入れるなら5回、公園とかでちょっとお喋りするとかはもう20回以上してるよ」
山「・・・」
赤「お前、人は無条件でそばにいるわけじゃあないんだぞ」
山「そっか・・・ありがとな。週末、デートするよ」
赤「そうしとけ」
11月16日 火曜日
茜「・・・それは、賢蒼の意思じゃないじゃん」
山「それは・・・」
茜「私、そんなに魅力ない?一緒に居たくないの?」
山「そんな訳ない!」
茜「じゃあ!なんで遊びに誘ってくれないの!なんで一緒に居ようとしないの!」
山「・・・」
茜「・・・」
山「・・・」
茜「・・・はぁ、もういいよ。週末にちゃんと話そうよ」
山「茜!」
茜「・・・」
11月17日 水曜日
茜「やだよ。別れたくないよ」
麗「うんうん」
茜「でもさ、愛情もないのに一緒に居られるのはもっと嫌なの」
麗「わかるよ」
茜「賢蒼は私のこと、好きじゃないのかな。興味なくなっちゃったのかな」
麗「・・・」
茜「・・・もう、わかんない。賢蒼が」
麗「・・・はい、ハンカチ」
11月18日 木曜日
赤「舐めた口きいてんじゃねーぞ」
山「は?」
赤「お前、この期に及んでアドバイス求めに来たんか?あ?」
山「・・・」
赤「なんもわかってねーだな」
山「・・・俺は馬鹿だから」
赤「馬鹿だからなんだ。馬鹿でも意思疎通はできるぞ。それともお前は言語能力に異常でもあるのか?境界知能か?幼稚園児ですらマックのハッピーセット買えるんだぞ。お前はどうなんだ」
山「・・・てめぇ」
赤「怒れよ。馬鹿が。なにより腹立たしいのが俺に正解を求めたことだ。お前は俺が首を吊れって言ったら死ぬんか?あ?」
山「・・・」
赤「アドバイスならいくらでもできる。抱きしめとけとか愛を嘯けとかセックスしろとか。お前、俺のアドバイス通りに動いてみろ。それこそ徹底的な破局だぞ」
山「・・・じゃあ、どうすればいいんだよ!」
赤「自分で考えろ!」
山「っ」
赤「人間関係に正解なんてない。だが、誠実さは殆どの場面で正しい武器になる。人から与えられた模範解答よりも自分で捻りだしたダイアのクソの方が価値がある」
山「・・・」
赤「迷って、藻掻いて、足掻いて、苦しんで、考えて、逡巡して、考察して、伝えろ。考えを止めるな」
山「・・・」
赤「・・・・・・馬鹿が」
11月19日 金曜日
山「・・・茜」
茜「なに」
山「・・・・・・授業終わったら、ついてきてほしい場所がある」
茜「わかった」
山「・・・バッシュ、持ってきて」
赤「久しぶりに来たな」
麗「私は初めて来た」
山「・・・着替えてくる」
茜「私も」
赤「俺らは制服のままでいいか」
麗「うん」
赤「山口!ハーフコートは使うからな!」
赤「はぁ・・・はぁ・・・麗さん、運動よくできるな」
麗「まぁね・・・てか、赤羽全然運動できないんだね」
赤「ちげぇ・・・体を動かす機会が・・・はぁ・・・少ないんだ。体育もサボってばっかだし」
麗「じゃ、また私がオフェンスね。頑張れ頑張れ」
赤「勘弁してくれよ」
山「・・・フリースロー勝負しよ」
茜「うん・・・・・・え、なんで?てか、なんで体育館なの?」
山「茜の一番得意なフィールドだから?俺もようわからん」
茜「・・・」
赤「もうやだ。休憩しよ」
麗「うん」
赤「ほれ」
麗「赤羽が飲んでからでいいよ」
赤「2本ある。奢り」
麗「・・・もう」
山「っし!追いついてきた!」
茜「はぁ?絶対勝つし」
山「おい、順番だろ!」
茜「関係ないし!」
麗「なんで山口を止めなかったの?絶対間違ってるよ」
赤「まぁ、俺も絶対にそうじゃあない方がいいと思ってるよ。でも、最悪じゃあなかったからいっかなって」
麗「・・・」
赤「見ろよ。どっちも笑顔なんだから」
麗「・・・ふん」
赤「おい、取んなよ。両方一緒だよ」
麗「ん、こっちあげる」
赤「一緒だろ・・・飲んでも文句言うなよ」
山「・・・負けたぁ」
茜「ふん、現役バスケ部に勝てると思うな!」
山「茜」
茜「なに?」
山「悪かった。また遊ぼ」
茜「・・・・・・うん!」
赤「な?」
麗「・・・私たちも続きするよ」
赤「勘弁願いたいぜ」
麗「ほら、立った立った」
赤「なけるぜ」
11月20日 土曜日
山「やあ」
茜「やっほ!」
山「じゃあ、どこいきたいんだっけ?」
茜「ん-と、ゲーセン行きたいし、バッシュの靴紐買わないといけないし、スタバも飲まないといけないし、映画も見るから、とりあえずスポデポから!」
山「ああ、今日は楽しも」
茜「うん!」
11月21日 日曜日
麗「そしたら赤羽が『中和は完璧だから』ってフラスコの中の水溶液を躊躇なく飲み干したんだよ。塩酸と水酸化ナトリウムだよ。しかもBTB溶液でチェックすらせず計算して計量して、普通に飲み込んだんだよ」
父「はっはっは、才律君は豪胆だな」
麗「んで、後でBTB溶液を入れてみたら、ちょっと黄色っぽかったの。その日は露骨に口数が減ってたんだよ。面白いよね」
母「・・・麗」
麗「は、はい」
母「赤羽ではなく、才律と呼びなさい」
麗「で、でも」
父「彼は逃がすには惜しい」
母「大好きで、麗って呼び捨てされたいなら、あなたも行動しないと」
麗「う、うん。わかりました」
11月22日 月曜日
山「雨が降らない都市は?」
茜「うーん、サハラ砂漠?」
赤「・・・フランス」
山「正解!じゃあ、ちょっと傾いてる国は?」
茜「・・・えー、わかんない」
赤「ギリシャ」
山「正解!」
茜「え、なんで?」
赤「ギリ、斜」
茜「しょーもな!」
山「カレーとシチューとハヤシライスが大好きな国は?」
茜「えぇ・・・インド?」
赤「ルーマニア」
山「正解!」
茜「ずるい!これは答えれた!」
赤「答えてから言うんだな」
山「日付を司る真っ赤なライオンがいる県は?」
茜「え?・・・え?わかんない。北海道?」
山「違う。赤羽、答えは?」
赤「・・・兵庫だな」
山「お前本当にすごいな!」
茜「え?なんで?」
赤「頑張って考えてみてくれ」
11月23日 火曜日 勤労感謝の日
茜「ね、ねぇ、昨日のクイズ、まだわかんないんだけど」
赤「まだ考えてたのかよ。山口から聞けば?」
茜「それは癪じゃん」
赤「・・・ヒントは赤いライオンか日本の時間を司る場所、このどっちかがわかったら簡単だ」
茜「え・・・真っ赤なライオンだよねぇ」
赤「ライオンを日本語で言うと?」
茜「・・・リオン?」
赤「発音じゃあなくてだな」
麗「何喋ってるの?」
茜「あ、おはよ!なんか昨日賢蒼から聞いたクイズの答えがわかんなくて」
赤「日本の時間を司る赤いライオンのいる県は?」
麗「赤いライオン・・・レッドライオン・・・真っ赤なライオン・・・・赤い獅子・・・!兵庫ね」
赤「正解だ」
茜「え?私だけわかんないの?」
赤「ま、本人来たし、聞けば?」
山「ごめん!待たせた!行こうぜ!」
赤「今日のプランは?」
山「知らん!誰かがプラン持ってきてると踏んだ!」
赤「誇るなよ。じゃあ、上地さんお願い」
茜「まっかせて!じゃ、とりあえずゲーセン行こ!」
11月24日 水曜日
兄「お前の彼女さんってどんな人」
赤「っ、げほっげほっ、んだよ藪から棒に」
兄「食事中だぞ」
赤「兄上が振ったんだろ!」
兄「そろそろ面拝んどこっかなって。写真は?」
赤「ないぞ」
兄「は?」
姉「え?」
赤「なにが?」
兄「普通、彼女の写真くらい取るだろ。スマホ貸せ。パスワードは?0721?」
赤「んなわけ。1223だ」
兄「・・・ほんとにねーな。てか最後に撮った写真中学の卒業式じゃねーか」
姉「えぇ・・・私のアルバム見る?ほら、3999枚以上あるよ。元カレの写真すらあるよ」
兄「俺も100枚以上は彼女の写真あるな」
姉「じゃ、来週までに2ショット撮ってきてね」
赤「やらなかったら?」
兄「んー換気扇の掃除と風呂のタイルの掃除と、エアコンの掃除を全部自分一人でやれよ」
赤「ひでぇ」
姉「ごちそうさま。おいしかったよ」
赤「はいはい」
11月25日 木曜日
麗「・・・ねぇジョヴァンニ」
執「どうかなさいましたか?」
麗「ジョヴァンニって既婚者だったよね?」
執「はい。細君は別邸で働いています。それがどうかなさいましたか?」
麗「・・・細君、いい響きだなぁ」
執「赤羽様のことを御想像なさっていますか?」
麗「うっ」
執「彼は見どころのある青年でしたからね。晩酌の場でよく光様が家にまた来てほしいと仰っております」
麗「お父さん、そんなに気に入ったんだ」
執「ええ。光様がこんなに人について話されるのは若かりし頃に奥様と出会ったとき以来ですよ」
麗「聞きたいような聞きたくないような」
執「それで、わたくしめの細君がどうかされましたか?」
麗「・・・ジョヴァンニって奥さんのこと、なんで呼ぶ?」
執「プライベートでしたら、愛称のアブシルですね」
麗「愛称かぁ・・・才律って愛称をつけるならなにになる?」
執「・・・りっくん、とかでしょうか」
麗「りっくん・・・なしなしなし!恥ずかしい!」
執「愛い愛いしいですね。若返りますよ」
11月26日 金曜日
赤「いい加減冬服着たらどうなんだ?」
山「カッターシャツとニットで過ごすのが高校生ってもんよ」
茜「赤羽はきちんと着るよね」
赤「別に着崩す理由もないしな」
茜「私はこれ!カーディガン!これで萌え袖で写真撮るんだよ!」
山「お、いいねぇ俺も俺も」
茜「カッターシャツで萌え袖するとキョンシーみたいだね」
赤「脳みそが腐ってて跳んで移動するしかない無能にはお似合いだな」
山「んだと!」
赤「馬子にも衣装、馬鹿にも制服。覚えとけ」
山「表出ろ!」
11月27日 土曜日
赤「一気に冷え込んだな。誰だよくだらないギャグ言ったやつ」
山「うぅ、寒いぜ。あそこのコンビニ行こうぜ」
赤「歩き食いか?関心しねーな」
山「ポケットから取り出した財布はなんだよ」
赤「今日はエスプレッソにしよっと」
山「俺はレモンティーにしよっと」
赤「肉まんは食べるか?」
山「悪くないな」
11月28日 日曜日
山「・・・風邪か?」
赤「いや、寒いだけだ」
山「顔色終わってるぞ。今日は帰ったら?」
赤「うるせぇ、逃げんな。勝ち逃げは許さん」
山「そんな表情で音ゲーされてもなぁ」
11月29日 月曜日
赤『風邪だ』
山『だと思ったよ。馬鹿が』
赤『先生に言っといてくれ』
山『ああ、寝とけ』
麗「・・・おはよう」
赤「・・・・・・」
麗「大丈夫?吐き気とかは?」
赤「・・・まだ夢見てんのかな」
麗「ほっぺつねってあげよっか?」
赤「頼む」
麗「任せて」
赤「やめい!冗談だ!」
麗「うーん、あんまり肉がなくてつまみにくいね」
赤「・・・」
麗「ほれほれ、うりうり」
赤「・・・何しに来たんだ?」
麗「お見舞いだよ」
赤「姉上は?」
麗「あ、ピンポン鳴らしたら出てきた人ね。あれがお義姉さんなのね」
赤「変な服じゃなかっただろうな」
麗「普通にジャージだったよ。コンビニ行っちゃったけど」
赤「あいつ・・・」
麗「んで、体の調子は?」
赤「もうよくなったよ」
麗「よかった」
赤「・・・」
麗「・・・」
赤「・・・・・・」
麗「・・・ね、ねぇ、ちょっとだけエッチなことしない?」
11月30日 火曜日
赤『・・・ちょっとだけってなんだよ』
麗『本当にごめん』
赤『別にいいけど』
麗『才律』
赤『なんで急に名前?』
麗『呼んでみたかっただけ』
赤『小っ恥ずかしいな』
麗『才律』
赤『何度も呼ばなくてもいるよ』
麗『大好き』
赤『はいはい』
赤「・・・俺も、大好きさ」
麗「・・・愛しいなぁ」




