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進化と白紙の超能力者  作者: ARS
序列戦
18/24

真祖

どうしてこうなった?

どうしてこんなに文字数が…いっているんだ?

「吸血鬼…だと?」


俺はよくよくセニアと呼ばれた少女を見る。

しかし、八重歯などは見えず俺には本当に吸血鬼なのか分からなかった。


「いや、待ておかしいだろ?

吸血鬼というのは太陽が苦手じゃないのか?」


俺はハッと思い出して俺はそう麗に問う。


「ええ、確かに普通の吸血鬼は逸話とかみたいに灰などにはならないけど免疫力が低いのと優れた五感によって強い刺激には弱いわね」


俺の疑問に対して麗では無くセニアと呼ばれた少女が答える。


「普通だったら?」


「神刀お兄様…違うのです。

彼女は吸血鬼から吸血鬼を生み出した姫じゃ無くて…オリジネーターに近い存在なんです…」


俺の頭は理解しきれなかった…オリジネーターに近い存在?

その言葉だと彼女はオリジネーターではなくて別の何かだと…。


「伊坂井、真祖という言葉を知っているか?」


「えっと、確か普通の吸血鬼と違って別の要因により吸血鬼になった存在だったよな?」


先生の突然の質問に戸惑いながらも俺は答える。


「概ねその通りだ昔はその意味で使われていた。

しかし、現在では真祖というのは吸血鬼に血を吸われたことがある人間の子供で稀に生まれる吸血鬼のことを指すんだ。

おまけにその子供が特異な体質を持つものでしか吸血鬼にならないが故に個体も少なく…種族思想もとんでもないものを持つことが多い。

他にも吸血鬼の弱点である吸血衝動の抑制と日光に対する免疫を持つ…故に畏怖を持ってそれらの者らに相応しい『真祖』の名の意味を変えてまで与えたそうだ」


先生の説明に納得はなんとなく出来たが一気に新しい情報が入り過ぎて頭がパンクしてしまいそうだ。


「要するにハイブリッドヴァンパイアということか?」


結果、俺はこうまとめたのである。


「「「…」」」


三人どころか職員室全体がシーンと静まり返って俺に変な視線を飛ばしてくる。


「あ、でも要約すればそういうことなのかしら?」


「いえ、そこは納得するところではないかと…」


セニアは手を叩いて納得の様子を見せるが麗がため息混じりにツッコミを入れる。

麗の一言に対して頷く先生が何名かいたが気のせいだろう。


「伊坂井…ここは素直に『真祖』で覚えておけ心の中でならいくらでもその呼び方でいいから」


「え、あー…はい」


なんか納得いかないがどうやらその呼び方はダメだそうだ。

的確だと思ったのに…。


「とりあえず訓練所を開けてもらうことはできるんですよね?」


「話を逸らしたな…まぁ、お前が後悔しないならそれでいいだろう。

お前もそれでいいよな?」


「私は大丈夫よ。

少し暴れたいと思ってたし」


「そこが心配なんだがな…」


先生はため息をつきながらセニアに確認を取ると鍵を取り出して先に職員室に出て行った。

そのすぐ後ろからセニアはついて行ったようだ。


「とりあえず私達も行きましょうか」


「そうだな」


麗はそう言うと俺が返事する前から歩き出していた。


「そうだ…神刀お兄様」


「どうした?」


急に麗は俺の方を向いて止まる。

そして、ゆっくりと歩いて行くセニア達をそっと見てから再び俺に向き直す。


「神刀お兄様は当主になりたくないのですか?」


俺は黙り込む。

そんなこと一度も考えたことなかった。

でも、その想像が俺には少しも出来なかった。


「忘れてください…もしも、当主になっていいと言うなら頼みたいことがあっただけですから」


「その頼みって…」


「さ、行きましょう。

あの二人はもう先に言ってます」


麗はそう明るく言うと走り出してしまった。

俺は追いかけるが頭にずっと引っかかるものがあった。


麗の真剣な表情は初めて見たかもしれない。



***************



「遅い!全く…せっかくこっちは珍しく寄り道せずにまっすぐ来たのに…」


先生は俺が訓練所に着いて第一声にそんな言葉を響かせる。

というか、普段は寄り道してから訓練所に来てたの?


そんな疑問を俺はグッと押し殺すと口を開く。


「いや、それより今から軽く暴れてくる」


俺はそう言うと準備運動をして…走り出す!


「いや、ちょっと待て」


走り出せなかった。

先生に首根っこ掴まれて俺は盛大に尻からすっ転ぶ。


「いてて、何だよ先生…」


俺は腰の辺りを抑えながら先生を見ると先生が指差してるのが見えた。

その先には…


「何を言ってるのかな?

えーと、伊坂井君?今から私と…えっと…殺し合い?(ケンカ)するんじゃないの?」


「結構です!」


誰が好き好んで殺し合うか!


「あ、違った」


あ、よかった…殺し合いじゃないんだ。


「殺し合う(バトル)んだよね!」


うん…なんか知ってた。

なんか俺の知ってるバトルじゃないような気がする。


「安心しろ」


先生はそう呟く。

どうやら、俺の想像している対決(バトル)だよな。


「吸血鬼とは基本的に好戦的だ」


え?

なんか急に語り出したぞ?


「お前の考えている表記で間違いはない」


「それって安心する要素皆無じゃね?」


というかナチュラルに心読まれてるなぁ…。

まぁ、先生だからねぇ。


「ナチュラルに心読んでる先生とそれを許容している二人がすごいね…」


何故かセニアに褒められた(呆れられた)。

まぁ、腹をくくるとしよう。

どうせここで負けても公式戦ではないから結果には残らない。

それに亜人との戦いの予講になる。

万が一でもこいつには勝てない。

それでも意味がないわけじゃない。


「どうやらやるみたいだな」


「そのようですね」


外野の二人が呆れてるような気がするが気のせいだと信じよう。


「へぇ、精々なんの取り柄もない人種がどこまでできるか見てあげるよ」


セニアはそう言うと笑う。

その瞬間…ピシリと俺の本能が伝えていた。

目の前にいるのは化け物だと…。


鳥肌が立ち…足が竦まそうになる。

それでも俺はなんとか意地で立って宝石の在庫などを確認して行く。


各種の大きい奴が一つずつ…小さい奴だと汎用品が五つくらいか…。


「それじゃルールはセニアにさっき説明した学校のルールでやる。

それでは、二人とも配置に着け」


先生はそう言うと俺とセニアはお互いに背を向けて歩く。


「始め!」


先生の合図とともに俺はすぐさま振り向いて走り出す。

勿論、強化系統の能力は使用している。

俺は走っている勢いを乗せて拳を振るう。

それに対してセニアは助走も付けず、ただ振り向いた際に無造作に拳を振るってくる。


拳同士で交わる。


拳同士でぶつかり合うことは無くお互いの拳は逸れて空振る。


すぐさま俺は体を右足を軸に反転させる。

そのまま体を戻すように逆方向の反転させる。

その勢いをつけて蹴る。

しかし、手応えが弱く当たる瞬間に飛ばれたようだ。


それで終わらせるわけにはいかなかった。

俺は敢えて真正面から向かわずに思いっきり地面や壁、天井を蹴り上げて多角から攻撃する。


それらの攻撃は嘲笑うが如く次々に見切られ、避けられ、反撃を食らう。


俺は小さな宝石を使う。

それは【奇稲田(クシナダ)の原書(オリジン)】が刻まれているものだ。

要するに…俺は現在、とんでもない速さでセニアの周りを跳んでいた。


時折、攻撃を仕掛けるがやはり避けられる。

しかし、さっきとは違い反撃はされない。

ならば…勝機だ。


己の全力を持ってして殴る!

タイミングを掴み…決して相手が避けれない瞬間に俺は拳を振り上げて殴る。


しかし、勝負は決するはずだった。

いや、後から考えればどちらにしろ決まらなかっただろう。

なぜなら、セニアの実力が俺の想定し得ないレベルだからだ。


目の前に俺の拳を握ってセニアは笑っていた。


「ふふふ…おかしいかな?

私が受け止められたのがそんなに不思議?

それとも今頃気がついた?

まだ、私は何一つとして能力を使っていないことに」


その瞬間、俺の中には怒りがあった。

俺が油断したのも俺が判断をミスしたのも…そして、舐められた。





もう、後先なんて知ったことか…





瞬間、俺の頭は真っ白になった。

追加でさっき使ったのと同じ種類の宝石の小さいのを砕く。



「やめろ!それは…」



先生はの止める声が聞こえる。

でも、もうこいつに勝つにはこれしかない。



「いや、そうだな…思う存分やってこい!」、



俺はその瞬間嗤った。



「え?」



その瞬間にはセニアの間抜けた声と共にセニアは壁に激突していた。

俺がしたことは簡単だ。

単純に蹴っただけだ。

とんでもない速さでな…。


しかし、代償の種類を変えるだけでここまでこの能力は変わるのだと思うと末恐ろしいものを感じる。

だって…普段使ってる代償以外は死と隣り合わせなのだから。


「ふふふ…どうやら私は過小評価をしてたよ。

ごめんね…でも少し気をつけてね」


その瞬間、この場はとんでもない熱気に包まれた。

炎…いや、太陽がセニアの手から生まれていた。


俺は思わず笑ってしまう。

新しい宝石を砕いて【白紙の原書】を直接覗けている状態だから分かる。

あれは…原書(オリジン)だ。


同じ原書(オリジン)と言う存在なのに天と地ほどの差に感じた。

乾いた笑みを漏らしながら俺は走り出す。

全身全霊で勝ちたいと一度でも願ったから…。


いくつもの衝撃が走る。

この一瞬で何百もの攻防を行う。

お互いに減った障壁はゼロ。

一重にお互いの再生能力とエネルギーの高さがこの状況を作り上げた。


腕を振るい炎をかき消す。

しかし、太陽は消えない。

圧倒的な熱量が力を持ったように押し寄せてきて吹き飛ばされる。


「まだ…甘いよ。

もっと楽しませて…ここまでやれる子は久しぶりなんだから!」


その言葉を聞いて俺は笑う。


「お望み通り…ぶっ飛ばす!」


走り抜ける。

そして、上から全力で空を蹴る。

それにより落下した俺は太陽に挑む。

熱量により押し返される感覚を落下で相殺して殴る…瞬間だった。


爆発が起きた。

とんでもない衝撃が俺に走る。

それでも俺は勝つために障壁の消耗を抑えることを最優先にする。


「へぇ〜、まだ終わってなかったんだ」


セニアは俺の無事を確認すると大地を蹴る。

一瞬だった。

俺の目の前まで詰め寄りセニアは既に腕を振り上げていた。




その時だった。

俺は人生で初めて敗北を恐れた。


自信を持ったが故の業…確かにそうだ。

でも、違う。

悔しいんだ。


そう、わかった。


ー相手が未だ全力を出していないのに終わる訳にはいかないー


単純なこと…簡単なこと…悔しいこと。


俺は考えた。

今使える全てを…考えた…今勝つために必要なものを…考えた…己の中に眠る…忘れていた知識を…考えた…今まで見てきた人間の能力を…。




ー答えは見つけた




その瞬間、止まっていた時間が動き出すように呆気なく腕は振るわれた。


「考えろ…必要な力は【月詠】」


俺はそう呟くとともに状況を確認する。

どうやら、賭けには成功したようだ。


俺が今使っている力は【月詠の原書】と【奇稲田の原書】の同時使用ではなかった。


融合使用


これは俺の家の伊坂井家に伝わる秘技。

二つ以上の生まれ持った超能力の工程の全てをフル活用して一つの超能力にする技術。


それはそう難しい事ではないように見える。

しかし、それは至難の技だった。

全工程をフル活用…要するに余計な工程も使わない工程も出してはいけないのだ。

そして、能力として一つにならない限りそのメリットは発揮されない。

マルチ能力者…要するに重複能力者というのは元の脳のスペックがとても高い。

同時に二つの工程を操れる脳は二つのことを同時にできることを示している。


しかし、この融合使用は完全に一つにすることにより脳に圧迫されたリソースを減らすことができ、別の後天的な能力などを使うのに脳を回すことができる。

そして、最大限に自分の強みを発揮できるのだ。


俺の場合は威力や汎用性を求めた結果なのだが、本来はそのような使われ方をされている。

一応、見る機会があったからやり方は分かっていたが…実際やって見るとどれだけ難しい技術か分かる。

工程を完全にゼロから組み替えるのと同じくらい辛かった。


それでも、この回路を使ったことにより触れた炎を全て反射することに成功しているので結果としては良かっただろう。


そして、俺が融合使用を行ってから1秒も満たない瞬間に俺の頭が無茶苦茶になるほどの痛みが走る。

それはこの組み合わせの代償のようだ。

元より【月詠の原書】はある程度の反射能力の強弱をつけることが出来るのだが代償による強化の影響で最低の反射量が膨大なものになっていた。


重力と引力の反射が行われているのだ。

空気と光の方は上手く調整できていたようで反射はされていない。

しかし、もしも反射の調整に失敗していたら即座に自分が死んでいたことを想像できた。


まぁ、最初の重力と引力から分かる通り、今現在俺は宙に浮いていた。

どうやら、これは力の強弱を利用して引力を更に強く反射したり、逆に弱めに反射することにより前後上下左右好きに動けることが分かり、俺はすぐさま動き出す。

そして、俺のいた場所には拳が通り過ぎる。

まだ慣れなくて軽く飛びすぎるが上手く避けれたようでホッとする。

力の最低値が高すぎて扱い難いが意外と能力としては消費は大きく無い。


「へぇ、まだそんなのがあったの?

いや〜、こっちも久し振りにあれをしないと勝てないかな…」


少女は顔を暗くしてそう言うと途端に怖気が走った。

本能とかそう言うレベルじゃ無い。

俺は頭をフル活用してより能力の最適化を謀る。

そんな中でニンマリと少女は笑う。

そして、おもむろに一本の小瓶を取り出す。

小瓶の中には赤い液体が入っており、それを少女は飲み干す。


「あー久ぶりだね…この感覚…さて、もっと楽しもう!」


瞬間、風でも通り過ぎたのかと錯覚した。

もう既に目の前には少女が嗤いながら拳を握りしめており、それが目に移ったのも数瞬後だった。

僅かな痛みが腹に走る。

それで済んだのは一重に反射の能力が優秀だからだろう…しかし、反射できるエネルギー量にも限界はある。

それが…今回のダメージだった。


壁にぶつかることなく俺は空中で立て直して状況を確認…している暇などなかった。

俺の顔面には既に手が添えられている。

いや、掴まれている…。


「つっかまえた!

ふふ、どうやら炎は簡単に反射されるけど…ゼロ距離ならどうかな?」


それを聞いた瞬間、俺は顔に反射を集中させる。

すると、軽く少女の拘束から抜けて少女を蹴る。

威力はないがかなり吹き飛んでくれた。

しかし、すぐに起き上がって来ることが俺の中では容易に想像できた。


考える…。


能力融合 追加


【放出の原書】

【炎の原書】

【武器の芸術(ウェポンアート)】


瞬間、俺の体に炎が纏わりつく。

そして、その炎はチューブのように俺の体から俺の手まで伸びていき剣の形を作り出す。


そして、少女の飛んで行った場所の土煙が晴れた瞬間のこと…俺の真横に現れて少女は巨大な炎の塊を俺に直接叩き込もうと手を突き出して来る。

反射的に剣で身を守る。


だが、俺は気にしていなかった。

彼女の炎は圧倒的に強いと言うことに…。

俺の炎は一瞬だけ…完全に消えた。

少女の炎だけが手元に残り少女は嗤いながら突っ込んで来る。

しかし、その程度で終われるわけがない。

俺は能力の強弱を利用する。

実は【放出の原書】によりある程度の空気を操っておりそれに規則性を出して自身の反射による移動にプラスして加速する。


「うそ!

いつの間に…」


俺は後ろを取り勝機だと思った。

少女は驚いており、そんな言葉を発している。




勝った…




そう…考えていた。



「なんてね♪」


そんな呑気な声が俺の耳に届くまで…。

少女は捕まえたと言わんばかりの笑みで俺の腕を掴み、俺の腹に手を当てる。


『光焰爆発(メガフレア)』


少女は小さな声で発せられた言葉…。

その技について俺は知っている。

教科書に載っていたとんでもない威力の殲滅用能力…

しかし、至近距離で撃たれた場合の威力は本来の殲滅能力としての威力から考えると大地をも蒸発させる…いや、消滅させる能力…。

歴史上でもたった一度しか使われた記録がない歴史上最強の破壊力を持つ能力…。


どうにか止めようと俺は動く。

しかし、それをあざ笑うが如く炎は悪化なく大きな光と轟音をあげて爆発する。


一面が真っ白に染め上がる。

光で目が潰れそうになるがそれとともに耳に響く爆音が聴覚をおかしくしてる。


そんな中で頭痛が走る…。


(これは…遺伝子解析による父母の能力解析結果?)


意識が消える瞬間に得た情報がそれだった。



***************



光と爆音が収まるとそこには辺り一面に炎が上がっていた。


「これはまた…とんでもない能力を出しましたね」


麗は涼しい顔しながらもほんの少しだけ顔が引きつっていた。

横にいるグラフトも乾いた笑みしか漏れなかった。

しかし、重要なのはそこではなかった。



「ふーん、流石は人類最強の能力者と言ったところかしら?

建物の破損も彼の傷も何一つ無いわね…」



セニアは興味深そうに周りを見る。

そこでセニアは理解した。

序列戦と言うものにあるルール違反の殆どが事実上不可能ということに…。



「さてと、終わったし案内の続きでも…」



その時、セニアは違和感を覚えた。

仮にも吸血鬼である彼女だ。

耳が良すぎて潰れそうな環境でも僅かに大きな音くらいなら聞き取ることができる。


そう、彼女は聞いていないのだ。

障壁が砕ける音を…。



(あり得ない…あの威力の物の中を前準備も無しに耐えられるというの?)



そう、あり得ないのだ。

しかし、音が響かなかったと言うことはそういうことなのだ。



炎の中…僅かに炎が退けられていく。



そこにはひとりの少年が立っていた。

精神的に大きな消失感があるようで左腕がぷらりとぶら下がっており、ゆっくりと歩み出す。

彼はどうやら、左腕を犠牲にして反射や放出、炎などを使用して押さえ込もうとしたようだ。

その結果がこれだった。

ある程度の押さえ込みに成功して体の殆どに炎を浴びながらも僅かに障壁の耐久を残して立っていた。



「あれは…とんでもねぇな」



グラフトはその光景を見て苦笑いをする。

現在の彼ならなんだかんだでほぼ無傷で立っているだろう。

しかし、神刀と同じくらいの頃だったら本当にあそこで立ってあられたのか疑問は尽きなかった。

高1ではあそこまでの実力は無理だが高2ならたどり着けていたとグラフトは思うが、ひどい劣等感を僅かに感じていた。



「うそ……なんで?」



セニアは訳もわからず首を振る。



「融合使用…擬似顕現(レプリカ)…『草薙の剣』」



一本の刀が神刀の目の前に現れる。

それを見てセニアは正気に戻って嗤う。

まだ終わっていないと…。

その瞬間、徐々にセニアの髪に銀色の髪が混ざる。

それは決して銀髪にならず、金と銀の髪が入り混じりながらも原型を引き立てる神秘的な姿となっていた。


「いいよ…いいよ!面白いよ!

何年振りだろう?久しぶりの全力だよ…」



その瞬間、世界は凍りつく…いや、正確には辺りに冷気が発せられているのだ。

やがてそれは熱気も発せられ出し…。



「教えてあげる…私の能力を…」



その瞬間、セニアは影に体が沈む。

神刀は僅かに身体を震わせると身を翻して刀を振るう。

そして、甲高い音が響く。

気づけばセニアには真っ赤な剣が握られており神刀の刀と交錯していた。

何度も打ち合うが、やがてお互い同時に一歩引く。



セニアはふふっと笑うと再び突撃する。

神刀は僅かに身体を傾けてセニアの斬撃を避ける。

そして、お互いの獲物が再び交錯しようかという瞬間だった。


割れる音がした。


それは決して障壁が砕けた音ではない。

神刀の刀が砕け散る音だった。


「っ!」


急いで神刀は能力を構築しようとするが発動しない。


(まだ宝石の効力は切れていない…ならなぜ?)


神刀は焦って考えるが答えが浮かばない。

その隙を突いてセニアは神刀を蹴るとあっという間に勝敗が決まった。

そう、あまりにも呆気なく…。


障壁が砕ける音が鳴り響く。

すいません、いつも更新が遅れています。

ごめんなさい。


とても…長いですね…


いや〜初の亜人戦…そう簡単に勝たせる訳ないじゃないですよ!

いや、マジで描写難しい…特に一人称からの三人称は特に…。


こんな作品ですがこんなところまで読んでいただきありがとうございます!

いつも作品の更新が遅くて申し訳ありません!


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