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進化と白紙の超能力者  作者: ARS
序列戦
17/24

妹の来訪

遅くなりましたすいません


色々と事情があり妹の名前を変更します。

麗奈→麗

「…というわけなんだけど聞いてますか神刀お兄様?」


俺は今、困っていた。

突然の俺の義妹、麗の来訪に関しては最早どうでもいい。

しかし、妹がここに来た理由だ。


「えーと、要するにひょっとしたら俺に対する仕送りとか無くなるのか?」


そう、使っても使っても無くならないようなお金を使うことを許可を一応は貰っている。

故に焼肉バイキングを先生にご馳走したり宝石や貴金属の類の購入が出来ていた。


しかし、ひょっとしたら俺の父親…まぁ、顔も見たこともないけどその父親が現当主から降りる可能性があり、それによって俺への仕送りを無くされる可能性が今あったのだ。


「はい、そうなりますね。

今のところは当分は降りないと思いますけど確実にお兄様への支援はお義母様のみとなりますね」


「いや、それは無いよな?

いやだってほら、そんなことしたらお前だってここの学校を受けるのだろう?」


「私の場合は能力のお陰で利用価値があるそうですね」


麗の言葉に俺は言葉が詰まってしまった。

その言い様じゃまるで、麗は道具じゃ無いか…そんな言葉は意味をなさない。

俺は知っている。

なぜなら、彼女自身がそれを許容してしまっているからだ。


「…それで、それだけを伝えに来たのか?」


「いえ、違いますよ。

神刀お兄様にこの学校の案内を頼みたいと思って私は来ました。

それと家族でも一部しか知らないお兄様の能力について聞きに来ました?」


俺はその言葉を聞いて固まった。

何処からか情報が漏れていたのか俺の知られているようだ。

でもなぜ?

俺の能力がかなり特殊だというのを知ってるのは先生くらいだ…。

でも、あの先生がうちとの繋がりがあるとは到底思えない…ならば…。


「そうですよ、不思議に思いませんでした?

神刀お兄様は力があるにもかかわらず、ずっと家で監禁され続けられていた状況に…。

多分、お父様でも怖かったんですよ…お兄様の超能力が強くなることを…」


そうか…よくよく考えたらそうだな…生まれた時から俺は必要最低限の人としか関わらなかった。

きっと、俺が表に立つことを父親は望まなかったのだろう。

いや、考えようによっては兄達の妬みを避けるためでもあったのかもしれない。


「さてとお兄様、辛気臭い話は終わりにして案内をお願いしてもいいですか?」


「あ、あぁ大丈夫だぞ」


俺は麗のお願いを聞き入れて外に出るための支度をする。

普段だと制服などに着替えるが今はゴールデンウィークの時期である。

部活などで学校に行く人以外は基本的に敷地内でも私服はありなのである。

そうして、俺は麗の学園案内を開始したのだった。





「へぇ〜やっぱりこの学校は最先端をいっていますね…」


一つ一つ施設を回って行くと時間が足りなくなるので他には無いと授業説明の時に言われた施設を主に回っていた。


「そうなのか?

あくまで学校としては最先端をいってるんじゃないのか?」


「何を言ってるんですか?

この学校はそもそもが全学園長、525歳のエルフのアリレア=レニアによる研究分野や戦闘分野において高い水準の維持と増加を促すために有名な研究所ですら取り扱われないほどの独自の機材などを作り出したとされる天才研究者兼、最強に最も近いとされた才女です」


「ごめん、何言ってるのか分からない」


そもそも、学園長が変わったという話は初めて聞いたし、480って最早…。


「そういえばお兄様はそこら辺の一般常識は五百年より前のものでしたね。

コホン、では少しだけ説明しますね。

超能力の歴史学は基本的に小から中学生の間に行われるので軽く説明できます」


「頼む」


そこから始まったのは亜人の始まりと…超能力の歴史…そして、アリレア=レニアという女についての話もあった。


「まず最初に説明するのは超能力の始まりと亜人の生まれですね。

超能力というのは約500年前…正確には507年前にとある、科学者が発見した力です。

名前はアリレア=レニアなんですよ」


「待ってくれ、なんでそんな人がいまも生きてるんだ?」


「…オリジネーターシリーズ『エルフ』…世界で一番最初にエルフに進化した人間なんです」


麗がポツリと零した言葉はあり得ないの一言ですら片付けられないような衝撃の事実だった。

名前だけでも聞いたことがある。

『オリジネーターシリーズ』それは世界で一番最初の進化を遂げた者達をそう呼んだ。

昔は頻繁に出ていたがそれでもごく一部の人間しか進化を遂げることができなかった。


要するにその『オリジネーターシリーズ』は亜人を辿った先のご先祖様に必ずいるということなのだ。


「そして、彼女が発見して正式に公表されたのは丁度500年くらい前、まぁ正確には数ヶ月の誤差がありますけどね。

そして、彼女が進化を遂げたのは大体480年くらい前です。

まぁ、一番の問題はこの進化した『亜人』というのは年齢が変わるものもあれば見た目が大きく変化するもの根本的な性質が変わるものと様々な変化が多かったんですよ。

その際で一度、約300年前に性質の違いによる種族間による大規模な戦争が一度だけあったそうなんです。

しかし、お兄様みたいな『亜人』じゃない人達は人数が圧倒的に多いのにも関わらずに最弱の烙印を押される程にまで大敗を喫しています」


「そうか、それが『亜人』と人種の落差か…」


俺は今まで気になっていた『亜人』が優遇される理由を知って概ねの現状を理解した。


「しかし、なんで『亜人』はそんなに強いんだ?

系列そのものでいくなら人とそんなに変わらないはずなのに…」


「そこなんです…元々、そう考えられていたのですが…一つ大きな問題があるんです。

それは種族思想とも言えるものが存在があるのは知っていますか?」


「種族思想?

それって基本行動や考え方に関わるものか?」


「いえ、そういう意味じゃありません。

圧倒的な落差を作ったとされるその種族のみに許される特殊工程というものがあり、それは種族のそれぞれの人によって違います」


「えっと…どういうことだ?」


理解できずに俺は首を傾げてしまう。

いきなり難しいことを言われて俺は頭を混乱させる。


「えっと…例えばエルフという種族には『自然能力』と呼ばれる法則能力があるんです。

例えば強力な治癒能力や風を利用した力と言った。

種族に合わせた特殊工程を持っている…簡単に言えば種族固有能力と言えます。

その基本原則となるものを種族思想と呼んでいるんです」


「えっと…要するにその人個人が持つ能力とは別に種族で持つことが出来る能力があるということか?」


「簡単に言えばそうですね」


いま、俺の顔は引きつっていただろう。

種族が違うということは隠し玉とは別に通常で出せる種族固有能力を堂々と使ってくるということだ。

おまけにそれ一つで生まれた時から持っている工程と同じくらいの隠し玉ということだ。


原書(オリジン)持ちにとっては他の工程が使えない分、隠し玉を常に使っている。

しかし、種族固有能力さえあればいくらでも勝機を生み出せてしまう。


「言いたいことが分かったようですね。

しかし、一つだけ例外が生まれています。

現、この学園の学園長…最強にして無名…名は誰も知らないとされる人種の男ですね。

彼はそもそもの超能力が一種の種族思想と同じだと言われています」


今まで気にしなかったが学園長がかなりの化け物だと改めて認識できた。

最強と謳われる程の実力を持ち種族固有能力を持つ『亜人』を退けたのだから。


「となると、今回の亜人攻略は難しそうだな…」


「…亜人攻略ですか?」


俺はふと考えたことが口に出ていたようで麗が不思議そうに首をかしげる。


「あ、すまん」


「いえ、少し教えてください」


「いいけど…」


咄嗟に謝ったが興味を持ったようで麗はジッと俺を見て聞いてきた。

俺は正直に頷いて序列戦について話す。

俺が話し終えると黙って聞いていた麗は興味深そうに少し笑う。


「要するに神刀お兄様は種族思想に対して勝てないとお考えなのですね?」


俺は麗の質問に対して頷く。


「たしかに種族思想を持つ相手と戦うとなればある程度の思想の偏りについて知る必要がありますからね」


そこからまた麗の説明が始まった。


種族思想というのはある程度の範囲があり、そこからほぼランダムの能力が使えるらしい。

例えばさっき例に出した『エルフ』は『自然能力』の他に『エレメント』や『環境適応系』場合によっては『植物系』の種族思想を持っており種族固有能力はそれらの中から更に絞り込んだものになるらしい。


「要するに種族固有能力は種族思想の中から絞り込んだ一つの能力が発現するのか?」


「いえ、必ずしもそうとは限りません。

例えばハーフは最大二つですね。

クォーターでも最大四つの最低一つくらいは持ってます。

まぁ、クォーターの場合は四つは稀なんですけどね。

それにクォーター以降は覚醒遺伝で過去にあった種族思想も出ますけど基本的にはクォーターと変わりませんね」


「えっと、それは要するに複数の種族思想があるから起き得ることということであってるか?」


「はい、そんな感じで大丈夫です。

他にはオリジネーターは例外ですね。

一番の問題は特異な体質の持ち主くらいです。

まぁ、滅多にいないのであまり知られていませんけど、たしかどこかのお姫様が純粋な血統でありながら三つの種族固有能力を持っていたという話がありましたね」


オリジネーターはまだしも特異体質持ちまでいるのかよ…。

俺は内心そう毒づきながらも対策を考えていた。

『白紙の原書』が種族思想まで再現できるとは限らないのだ。


「話せることはここまでですし案内の続きをお願いします神刀お兄様」


麗は俺の心情を知ってか知らずかそう言って俺の手を取る。

それのおかげか俺はふと我に返って頷くが次に行く場所が思い付かなかった。


「麗、悪いけど行きたい場所はあるか?

俺としてはもう無くなってしまったのだが…」


「そうですねー、訓練場とかはダメですか?

できれば使いたいのですけど…」


少し意外な場所だったが俺はすぐに頷いて「先生の許可が取れるか確認する」と言って職員室の方に向かった。

もちろん、麗は後ろからしっかりと付いてきている。




「すいません、グラフト先生はいらっしゃいますか?」


俺は職員室に着くとなれた口調で先生を呼ぶ。

どうやら、何か仕事があったようで少し遅れて来た。


「どうした?

訓練は今日は無理だぞ?」


「いえ、普通に訓練場の使用許可をもらいに来ただけです」


「そうか…少し待ってろ俺は少しやることがあるから引率できる先生を…」


先生が動き始めたその時だった。

先生の動きが止まる。


「その必要はないと思うのだけど」


背中の三分の二はある金色の髪、綺麗で透き通るような紅い瞳、整った顔立ちに透き通った綺麗な声…職員室の奥からそんな少女が出て来たのだ。


「俺はあんたの案内係だ。

放り出すわけには行かないだろ?」


「ええ、そうよ。

でも、私は今とっても訓練場に興味があるの。

そこの人も相手をしてくれるかな?」


少女はそうにこやかに微笑む。


俺は咄嗟に了承しようとした時、先生と麗に止められる。


「伊坂井、もう少し考えて返事しろ」


「神刀お兄様、この人と相手するということは分かってるの?

相手は吸血鬼のお姫様、セニア=レルアラなんだよ」


俺は一瞬頭の中が真っ白になる。

ゆっくりと視線を目の前の少女の口に持っていく。


「おかしいな、吸血鬼の特徴である八重歯は隠してたのだけど…それにお姫様って顔まで知ってる人は少ないのだけど…」


少女はさっきの微笑みとは違った笑みで笑いながらそう言う。

そう、それが俺が初めて見た純粋な『亜人』だった。

今回は説明回になってます。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

面白いと思って頂けたなら幸いです

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