表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
55/63

今年のテーマの方向性会議

今日は、今年の文化祭での漫研の発表のテーマの方向性を決める部会が放課後に開かれる。

今朝もいつものように由衣と登校しながら、その話をする。

「なぁ、今年のテーマ、どんなのがいいかな。」

「考えてないの?」

前のように叱られてはたまらない。

「か、考えてるよ。でも必ず一つは案を出すことなんて言われてないよな。」

「うん、そうだけど、たくさんの案が出る方がいいんじゃない。だから、私はずっと考えてたよ。」

「どんなの?」

「ここじゃあ言えないな。部会のときに言うよ。」


放課後の部会。

部会の司会は副部長が務める。

もちろん副部長にも発言権はある。

まず部長から

「一年生は二年生から聞いていると思いますが、去年のテーマは「感動を伝えたい」でした。今年も、私たちも楽しめて、見に来てくださった方に見に来てよかったって言っていただけるテーマにしましょう。一年生も遠慮しないで、積極的に提案したり意見を言ったりして活発な会議にしましょう。」

就任して間がないのに、もう美鈴は立派な部長だ。

すごいな。


副部長がみんなに提案を求める。

萌が手を挙げる。

「『この後どうなるんだ』っ感じのはどうですか。何かのチャンスやピンチの場面もあるでしょうし、突然の告白なんかもあって、この後彼ら彼女らはいったいどうなるんだって。気をもんだり期待したりしながら見てくれるんじゃないでしょうか。」

うん、面白い。

萌も積極的になっている。

真奈美が手を挙げる。

「私は癒された作品を紹介したいです。気持ちが打ちひしがれたときに、優しく包んでくれた作品、泣きたくなった作品を紹介したいです。」

咲良が

「それは、去年のテーマに近くないですか?今年は全く違う路線でいきたいです。」

確かにそうだ。

反対意見なんて、漫研の会議で今までにあったか?

いい、すごくいい。


各自、考えてきたのだろうが、だれとも被らない斬新な案はそう出るものではない。

二年生で発言していないのは俺と由衣だけになる。

とくにそんな義務はないのだけれど・・・。

由衣が手を挙げた。

「小さいころに見て印象に残った漫画やアニメってどうですか。よかったっていうのだけでなく、怖かったとか辛かったとかこれはひどいとかいうのも、もちろんありで。きっと、見に来てくれた人たちも同じ気持ちになって懐かしんでもらえると思います。そして、あのとき、こんなことがあったな、あの人とこんなこと話したなって思い出してもらえたらなって思います。」

みんがうなずいている。

「それいいな。」

と小さな声も聞こえた。

もう決まりだな。

「他に提案はありませんか。」

副部長が確認する。

何も出ない。

「では採決に移ります。」

まずは萌の案。

手は挙がらない。

次に真奈美の案。

同じく。

最後に

「白川さんの提案に賛成の人。」

全員が手を挙げた。

真奈美も萌もスッキリした顔で手を挙げている。

「全員の賛成で今年のテーマは白川さんの案に決まりました」

決まった。

今年のテーマの方向性が。


部長から

「実際のテーマの文言と言いますか表現は、みんなで出し合って決めたいと思います。箱を用意しておきますので、必ず1つは紙に書いて一週間以内に入れてください。後日、投票で決めたいと思います。」

気になることを思いついたので質問する。

「部長、それは記名ですか、無記名ですか?」

部長が少し考えて

「どちらでもいいと私は考えていますが、それでよろしいですか?」

みんながうなずく。


部長からの諸連絡に移る。

「もうだいぶ暑くなってきましたので、部室で一緒に活動できるのはもうしばらくの間になると思います。その後は各自での活動になります。夏休みになって補習が始まると、冷房が効いた特別教室で活動ができるようになります。限られた期間ですので、学校でしかできない活動を優先して取り組んでください。まずは各自の発表の作成になります。それまでに時間は十分にありますから、すぐに取り掛かれるように、具体的に内容を考えておいてください。」

ここで部長が俺の方をあのイタズラっぽい目でチラッと見る。

二年生がプッと吹き出す。

一年生には何のことやらわからない。

後で先輩に聞いたりなんかしないでくれよ。

それより本当にしっかり準備しておくんだぞ。

やってないとなると、集中砲火を浴びるからな。


真面目な顔に戻った部長が続ける。

「文化祭は夏休み明けの2週目ですが、意外にすぐにやってきます。夏休みの最後の週には補習がありませんので、そのうちの2日で部誌の印刷と綴じ合わせをします。その2週前くらいが原稿の締め切りになります。それを見越して作品を仕上げてください。締切日に間に合わなければ、部誌には載せられまん。それも漫研が守り続けてきた伝統です。きちんと守ってください。」

言いたくないだろうが、みんなを鼓舞するために言っているんだろう。

部長になったからには、自分が嫌われ役になっても漫研をきちんとした部にしないとって思ってるんだろう。

個人的にいろいろあったが、こんな部長だから余計に大切しないとと思う。


部長のために漫研のために何かできることはないかな。

そうだ、何かの節目になる日まであと何日ってホワイトボードに毎日書こうか。

家に使っていない小さなホワイトボードがあるし。

気が付いた人が書き換えるっていうのも意識の向上になりそうだ。

カレンダーも部室にあった方が何かと便利だな。

俺の家にはやたらもらいもののカレンダーがある。


俺も、気が付いたことをどんどん行動に移していこう。

特別なことじゃない。

俺も含めてみんなが漫研で活動しやすくて過ごしやすいように。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ