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それは、かのうせいのもんだい
「ありがとうございました」
空いたテーブルを片付けながら、雪之丞は思考に沈む。
青柳から頼まれた、依頼。
必ずしもうまくいくとは思っていなかったが、月末になればこの店で働き始めて二カ月になる。
特に報告できるようなこともなければ、これから報告できそうだという予測も立たない。
そろそろ、成功の可能性はないのではなかと思い始めてもいた。
実際、緑川のあの台詞が、ふと気づくと頭に浮かんでいる。
因果応報、という言葉は確かにあって、それでも、傷ついたらそれは誰かを傷つけていいことにはならないことくらい、良く知っていた。
「諦めましょうか」
「なにを?」
無意識に零れていたらしい言葉に、曲を弾き終えた春真が振り向く。
「すみません。独り言です」
「そう? なんか元気ないね」
「そんなことありませんよ」
「リクエストもないし、雪さん何か聞きたかったら弾くよ」
軽やかに鍵盤をたたいて見せて、春真は他のお客に聞こえないようにこっそりとそうささやいた。




