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第九話

「ねね、ステータス見せてくれない?ランクだけでいいからさ」


 ダンジョンから戻る途中、香月さんに言われた。


 本当に僕のランクが F なのか気になるのだろう。


「いいですよ」


 ステータスカードは、ランクしか映らないように設定できる。


 特にランクを見られて断る理由もなかったので、僕は快諾した。


 僕はステータスカードを見た。




 伊藤優: ランク C




 あれ、C ランクになっている?


「どうしたの?」


 香月さんが聞いてくる。


「いえ、なんかステータスが上がっていて。ちょっとびっくりしてしまって」


「そうなの?見ていい?」


 僕は少し迷って頷いた。


「え、ステータス C じゃん!すご!!あれ、F じゃなかったの。どういうこと?」


 少し疑念が混じった目でこちらを見てきた。


「昨日ギルドの精密検査に行ってきて、その時は確かに F でした。なんなら、ギルドに確認をしてもらっても大丈夫です。その時に言われたのは、おそらく配信中だけ強化されるタイプのスキルを持っているのだろうとのことでした」


「なるほどね。それだったら整合性取れるか。それにしても C ランクの強さか」


 香月さんは何かを考えだしたようだった。


 > えっ C ランクなのか。確かに、ならあの強さも納得


 > F じゃないのか


 > 毎回 C ランクになるってこと??


 コメント欄も疑問などが流れていく。


 こんなに色々な人に僕のことを考えられて、少し落ち着かなかった。


 ---


「ふむ、C ランクか」


 タバコの灰を灰皿に落としながら、灰崎はつぶやいた。


「ギルド長、タバコは辞められたのでは?」


「まあいいじゃないか、たまには」


「たまにじゃないから言っているのですが」


 そう言って護衛の三島がため息をつく。


「三島も見るか、F ランクのはずの少年が C ランクになっている。こいつは面白いぞ」


 三島は少し目を細めた後、首を横に振った。


「必要になったらアーカイブなどを見ます。」


「そうか。おそらく報告によれば、視聴者数に応じてランクが変わるとのことだったが、どこまで上がるのか。これは見ものだな」


 灰崎は低く笑いながら、タバコの火を消した。


「どちらにせよ、観察は必要でしょう」


「その通りだな、人を呼んでくれ」


「承りました」


 満足げに灰崎は笑みを浮かべた。


 ---


 あれ。


 僕は驚いて足を止めた。


「どうしたの?」


「あの、ステータスが D ランクになっていて。さっきまで C だったのですが」


 ステータスカードを香月さんに見せた。


「確かに D ランクになっているね」


 視聴者数を見てみると、1万人ほどまで減っていた。


 さっきよりも少ない。


 これが原因だろう。


 どうやら、2万人を超えていると C ランク、それ以下だと D ランクになるのかもしれない。


「視聴者が多いほど強くなる、か」


 香月さんがぼそりと呟いた。


「伊藤さん、本格的に配信者やりませんか?」

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