魔導具作成とプリン
翌朝、早朝に目が覚めた。
早速顔を洗って、服を着替える。
そして椅子に座り、『魔導具呪文一覧』を読む。
まずはランプの呪文が知りたい。
ふむふむ、『光を灯せ ライト』も色々改造されている。
光を段階的に弱くする呪文もあるし、色を変える呪文もある。
色は6桁の数字で表すとされ、次のページに色つきで数字の一覧も載っていた。
よし、初心者キットを開けよう。
中身は、木の基盤が3枚と、魔術ペンと魔石が一つ。
あとは説明書がついているだけ。
まずは説明書通りやってみよう。
ジョルジュに頼んで魔石を粉にして貰い、インクを一瓶貰った。
そこに魔石の砂を少量ずつ加えていく。
そろそろ良いかなと、ペンをつけて書いてみる。
「そうだ、【鑑定】」
すると、インクの上にウィンドウが開き、文字が浮かんできた。
【魔術インク】
魔導具を作成する時に使用される。
ランク:B
「ふむふむ、インクにランクがあるのか。Bランクなら及第点だな。ちゃんと魔術インクになっていて良かった」
俺は問題なく書ける事を確認して、木の基盤に向き合った。
「失敗したときは削ればいいって、書いてある。削る道具が必要だな……」
トントン。
ノックの音と共に、メイドのサーラが入ってくる。
「おはようございます、アルキス様。今日はお早いですね」
「おはよう、サーラ。魔導具作りが凄く楽しくてね」
「朝食のお時間ですので、お手を止めて食堂までお越し下さい」
「わかった、今行くね」
俺はペンを置いて、席を立つ。
自室を出て、食堂へ向かった。
全員が着席してから、料理が運ばれてくる。
俺は今日も美味しい食事を堪能した。
食後のお茶を啜っていると、お父様がジュリアお姉様とルルーシュお兄様に話しかけた。
「ジュリア、ルルーシュ。お前達に頼みたい事がある。東門の奥にあるオルハラの森で、ゴブリンを間引いてくれぬか。冒険者ギルドに依頼はかけたが、人が集まるまで時間がかかる。お前達に頼みたい」
「いいわよ、お父様。ゴブリン程度、敵じゃなくってよ」
「ジュリア、くれぐれも前に出るんじゃねえぞ。前衛は俺が引き受ける」
「二人とも、ありがとう。上位職も姿を現している。十分に気を付けるんだぞ」
「冒険者ギルドで依頼を出してるだろうから、一度冒険者ギルドに寄ってみるよ。上手くすればランクアップするかもしれないしな!」
「ちゃんと気を付けるから、大丈夫よ。お母様も、心配しないで。私達、結構強いんだから」
「わかっているわ。無事に帰るのを、待っているわね」
オルハラの森の事は、昨日聞いていた。
俺も行った方が良いだろうか?
「お父様。俺も行きましょうか?」
「お前はまだ幼い。家で訓練でもしていなさい」
「そっか……。じゃあ、二人が疲れて帰ってきた時の為に、美味しいお菓子を作って待っていますね!」
「ええ、楽しみにしているわ!」
俺達は解散して、俺は厨房に早速寄ってみた。
「ガストン、いる?」
「おお、アルキス様。早速菓子を作られますかな?」
「うん。材料は、卵、牛乳、砂糖。砂糖は結構使うんだけど、大丈夫かな?」
「在庫は潤沢にありますから、大丈夫でしょう。この位で良いでしょうか?」
「うん、大丈夫だよ」
「あとは何を用意しましょうか?」
「蒸し器の用意と、ジャム用の小さめの瓶を6つ、欲しいな」
「かしこまりました。この瓶で宜しいでしょうか」
「うん、丁度良いよ。まずは試作品を6つ、作ってみるからね。この器と、鍋を借りて良い?」
「どうぞ。では、何かあれば呼んで下さい」
「うん、ありがとう」
俺はまず手を洗い、砂糖と水を鍋に入れて、中火で熱する。
揺らしながら加熱して、茶色く色が変わったら、火を止める。
お湯を加えて混ぜて、カラメルソースの完成だ。
瓶に少量ずつ入れていき、そのまま冷ます。
鍋を洗って、次は器に卵を入れてかき混ぜる。
そこに砂糖を入れて、更にかき混ぜる。
鍋に牛乳を入れて、中火で熱し、砂糖を入れて溶かす。
湯気が立つくらい温まったら、卵液に加えていく。
全部混ざったら、こし器でこす。
その後、カラメルソースを入れた瓶に卵液を流し込んでいく。
「よし、出来たぞ。次は蒸し器に並べて、と。弱火で30分蒸して、10分蒸らそう」
火加減はコンロがやってくれるので、楽ちんだ。
やがてプリンが蒸し上がり、ガストンが様子を見に来た。
「アルキス様、完成でございますか?」
「うん。これを冷蔵庫で2時間ほど冷やして欲しいんだ」
「かしこまりました。では、2時間後にお呼びいたします」
「うん、宜しく頼むよ」
俺は後片付けを済ませた後、自室に戻った。




