海の町ラグーン
しばらく進んだ後、馬車がまた止まった。
「アズール様、オークです! 2体います!」
【紅の剣】は、すぐさま飛び出していった。
俺は窓から戦闘風景を眺める。
オークはすごく大きな大男だった。
目が血走っていて、凄く怖い。
あっ、ガイウスさんが1体切り捨て、もう一体の首をアザリアさんが切りつけ、ゲイルさんが魔法でとどめをさした。
魔石を取り出して、アザリアさんが戻ってくる。
「ねえ、アルキス。アイテムボックス持ちなら、オークを持って行けるんじゃない?」
「はい、大丈夫です! 外に出ていいですか?」
「ええ、いいわよ」
俺は外に出て、深呼吸した。
倒れているオークの大きさに震えながら、オークに触れてアイテムボックスにしまう。
もう一体も同じようにしまい、馬車に戻った。
【紅の剣】も、乗り込む。
馬車は再び走り出した。
「アルキス、ラグーンに着いたら、冒険者ギルドまで、付き合ってくれないか。オークは売れる部位が多いから、金に換えちまおう」
「はい、わかりました」
それから30分位して、村が見えてきた。
「あそこが、フギン村だ。身体は大丈夫か?」
「お尻がちょっと痛いけど、大丈夫。俺、お腹空いたよ」
「そうだな、着いたら昼食にしよう」
馬車は村に無事入れた。
馬車止めに馬車を置き、全員で食堂に向かう。
食堂はこじんまりした建物だった。
中に入ると、そこそこ席が埋まっている。
「いらっしゃい。あそことこっちの席に、適当に座っておくれ」
俺はアズール叔父様の対面に座った。御者さんと、メリルさんと、トーマスさんも一緒だ。
「日替わりを5つ頼むよ」
「あいよっ! ちょっと待ってておくれ」
女将さんは、すぐに大皿にシチューを並々注いで、持ってきてくれた。
あと、一人1個の大きな黒パン。
飲み物は、水。
「黒パンは食べたことあるか? そのままだと固いから、汁でふやかして食べるんだ」
「うん、食べたことない。やってみるね」
俺はパンを千切り、シチューでふやかして、口に入れた。
うん、美味しい。
野菜もじゃがいもとニンジンと豆が入っている。
俺はフォークで具材を食べて、パンを食べて、シチューを啜った。
綺麗にたいらげた後、水を飲み干し、一息つく。
「凄く美味しかった!」
「そうか、良かったな。馬の世話もあるから、もう出るぞ。大丈夫か?」
「うん、大丈夫!」
俺達が食堂を出ると、【紅の剣】も出てきた。
お会計はアズール叔父様がまとめて払っていた。
俺達は馬車に乗り込んだ。
「馬に水と餌をやるから、少し待っててくれ」
「うん!」
しばらくして、御者さんが戻ってきた。
「アズール様、出発いたしやす」
「ああ、宜しく頼む」
俺達は出発し、再び平原を駆け抜けた。
道中、ウルフが2回、ゴブリンが1回出てきたけど、【紅の剣】の敵ではなかった。
夕焼けが見える位になって、ようやく海の町ラグーンに到着した。
ラグーンは入り口に検問があって、無事通過できた。
ちょっとお高そうな建物の馬車止めに馬車を停めて、馬車から降りる。
うーんと背伸びをして、身体をほぐす。
「さあ、まずは宿を取ろうか。アルキスは俺と同室で良いか?」
「うん、良いよ」
くらもち亭という宿屋に入り、受付の女性に話しかける。
「宿泊で、8部屋空いているか? 1部屋はツインで頼みたい」
「はい、空いてございます。こちらが鍵になっております。お部屋はお二階と三階です。夕食はつけましょうか?」
「ああ、つけてくれ」
「1泊銀貨8枚で、8部屋ですので銀貨64枚でございます。ツインの料金は割引させて頂きました。お食事は1食銀貨1枚ですので、銀貨9枚。合計銀貨73枚です」
「ありがとう。銀貨73枚丁度だ」
「では、丁度頂きました。ごゆっくりどうぞ」
アズール叔父様は、みんなに部屋の鍵を配った。
「まずは部屋に荷物を置いてこようか。その後晩餐にしよう」
俺とアズール叔父様は、2階の203号室だった。
部屋の右側のベッドに鞄を置いて、アズール叔父様と部屋を出る。
1階に降りて、食堂の席に座る。
あっ、メリルさんと、トーマスさんも来た。
「私達も同席して宜しいですか?」
「勿論良いとも。ああ、御者も来たようだな。おーい、こっちだ!」
御者さんがやってきて、席に座る。
「アズール様、お待たせ致しました」
「いやいや、ご苦労だった。これが部屋の鍵だ。夕食を一緒に食おう」
すると、若い女性の店員さんが来た。




