二度目の報賞金
「ランプとドライヤー5個は、もうすぐ仕上がるからな。楽しみにしていてくれ!」
「はいっ! じゃあ、また来ます!」
俺はジャックと一緒に工房を出た。
「ジャック、魔導具ギルドに行っていい?」
「良いぞ。じゃあ、こっちだ」
俺はジャックについて、しばらく歩いた。
魔導具ギルドに到着し、1階の受付を覗く。
あっ、こないだ受付をしてくれたお姉さんが空いてる。
俺は受付に顔を出した。
「いらっしゃいませ。魔導具ギルドへようこそ。本日はどうされましたか?」
「あの、これを見て貰えますか?」
俺はアイテムボックスから小型エアコンを出して、スイッチを入れた。
冷風が勢い良く噴き出す。
「冷たい風……! これは……っ! お客様、基盤を見て宜しいでしょうか? あと、ギルド証をお願いします」
「はい、どうぞ」
俺はネックレスを外して、ギルド証を渡した。
お姉さんは、分厚い辞書をぺらぺらめくり、何やら確認している。
少しした後、お姉さんは感動したように笑顔で語りかけてきた。
「アルキス様、ギルド証をお返し致します。『冷風よ 吹け コールド』は新魔法です。詳しくお話をお伺いしたいので、待合室に来て貰えますか?」
「はい、わかりました」
俺は小型エアコンをオフにして、アイテムボックスにしまった。
ギルド証を首にかけて、移動する。
俺とジャックは、待合室に通された。
ソファに座っていると、お茶とお茶菓子が配膳された。
「改めまして、私はギルド職員のミザリーと申します。お聞きしますが、先程の冷風機は商品ではないのですね?」
「はい。本物は棚の上に置く大型タイプで、冷房と暖房を切り換えられるようにします。スイッチは紐を引っ張ってオンオフの切り換えが出来ることと、冷房は25度、暖房は26度になったら、自動的に止まるようになります。商品名はエアコンで、2週間後に完成する予定です」
「なるほど。『コールド』の魔法で冷房、『ウォーム』の魔法で暖房ですか。良く考えていますね。ちなみに材料費はおいくらでしょう?」
「1台金貨50枚です」
「すると、売値は白金貨1枚以上ですね。魅力的な商品ですが、買える人は限られるでしょう。個人的に、すっごく欲しいですね。商品が完成したら、すぐに登録に来て下さいね?」
「はい、わかりました。それと、扇風機っていう風を起こしつつ冷風を噴き出す魔導具も作っています。こっちも、出来たら持ってきますね!」
「とても魅力的な商品ですね。登録をお待ちしています。では、報奨金を支払いますので、少々お待ちください」
ミザリーさんは、静かに待合室を出て行った。
俺はお茶菓子のクッキーを食べつつ、お茶を飲む。
「アルキス様はこないだ報奨金を貰ったばっかりなのに、すげえや。扇風機も私兵団に分配して下さいよ」
「うん、ジョルジュに言っておくよ。ただ、私兵団の食堂って広いでしょ? 1台じゃ部屋が冷えなそう。2台置いた方が良いかもね」
「そんなに高いもんを、ぽんぽんくれるはずもねえが、一応期待してますよ」
それから少しして、ノックの音と共に、ミザリーさんが入ってきた。
「お待たせしました。『コールド』の呪文は実用性ありと判断され、報奨金は白金貨10枚でございます。どうぞお確かめ下さい」
俺は10枚数えて、アイテムボックスにしまった。
「はい、丁度受け取りました」
「エアコンと扇風機、魔導具ギルドでも買うかもしれないわ。クレベルタ商会に、しっかり話を通して置いてね?」
「わかりました。これから行きます」
「では、本日は以上でございます。ご利用ありがとうございました」
俺はジャックと待合室を出て、魔導具ギルドを後にした。
「じゃあ、クレベルタ商会に行きましょうか」
「うん、宜しくね」
俺達は商店街に入り、しばらく歩いた。
クレベルタ商会に足を踏み入れると、綺麗なお姉さんがにこやかに応対してくれた。
「いらっしゃいませ。アルキス様、ジャック様、本日はどうなさいましたか?」
「アズール叔父様に、魔導具の販売について、相談があるんだ」
「では、来賓室へどうぞ。こちらです」
俺達は来賓室へ通され、お茶とお茶菓子が出された。
俺はお茶菓子のクッキーを食べながら、アズール叔父様を待った。
「待たせたね。アルキス、ハンバーグやオークカツ等のレシピを買ったよ。どれもすごく美味しかった。しかも王家にも販売すると言うじゃないか。大変素晴らしい事だよ。また料理を思いついたら、売ってくれ」
「わかりました。今のところ、もうないので、また思いついたらガストンに作って貰いますね」
「ああ、それでいい。そういえば、魔導具の販売について、相談があるんだったね。乾燥機能付き洗濯機なら、もう2台売れたよ。高額だけど、やはり最新型の魅力には抗えないのさ」
「それは良かったです。では、まずはこれを見て下さい」
俺はアイテムボックスから小型エアコンを出して、スイッチを入れた。
冷風が噴き出し、俺の髪を揺らす。
それを、アズール叔父様に手渡した。
「冷風が出るだと?! これは新魔法かな?」
「はい。今、魔導具ギルドで報奨金を貰ってきたばかりです。それで、その冷風の出る大型の魔導具、エアコンを只今作成中です。本体に冷房と暖房を切り換えられるスイッチがついていて、棚の上に設置して使います。スイッチは紐を引っ張ってオンオフを切り換えます。それと、冷房は25度、暖房は26度で自動的に止まります」
「素晴らしい魔導具じゃないか。もう金物屋に注文は出したかな?」
「はい。1台金貨50枚、納期は2週間です」
「出来上がったら、1台見本をくれないか? 勿論、うちで販売させて貰うよ」
「わかりました。でも、お店は広いから、十分に冷えないと思いますよ」
「ひやっとするなら、十分さ。待っていてくれ、今紙とペンを持ってくる」
アズール叔父様は、一度出ていって、紙とペンを持ってきた。




