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レシピを王家へ

「オーク肉って美味しいんだね。柔らかいし、脂がとっても甘い!」


「これは美味ですな! これは何という料理ですかな?」


「これはオークカツっていうんだ。これを今日の晩餐に出して欲しいんだけど、どう?」


「良いですぞ。では、オークカツの作り方を教えて下され!」


 俺はガストンに丁寧にとんかつの作り方を教えた。

 出来れば筋切りをした方がいいこと、ソースを作って欲しい事、千切りキャベツには酸味のあるドレッシングをかけて欲しい事を伝える。


「かしこまりました。アルキス様、ジュリア様達の事が心配なのですな。ジュリア様は意外と食いしん坊でございます。ご馳走を作るのですから、必ず帰ってくることでしょう」


「うんっ、そうだよね……。無事だって信じているよ。俺に出来るのは、美味しい料理を開発すること位しか、出来ないから」


「その意気です。では腕によりをかけて、晩餐をこしらえましょう」


「うんっ、宜しくね、ガストン。俺は魔法の訓練を始めるよ」


 俺は厨房を出て、訓練場に行った。

 まずはランニングから始める。

 訓練場を20周して、息を整えてから、魔法無効の壁に近付く。

 俺は的を定めて魔法を放つ。


「ウォーターボール!」


 水の塊が生成され、壁に飛んでいく。

 ちゅどおおおん!

 魔法は壁に吸い込まれ、消えてなくなる。

 よし、次の呪文だ。


「水よ、彼方まで弾け飛べ! ウォータースプラッシュ!」


 どごおおおおん!

 水の飛沫が刃となり、壁に触れて消えていく。

 じゃあ、次は風属性の呪文だ。


「ウィンドカッター!」


 風の鎌鼬が敵を粉砕しようと、飛んでいく。

 ちゅどおおおん!

 魔法は壁に吸い込まれて消える。

 よし、次!


「風よ、竜巻となり敵を討て! ウィンドストリーム!」


 風の竜巻が現れ、的に向かって飛んでいく。

 どごおおおおん!

 魔法は壁に吸い込まれて消えた。

 俺は詠唱破棄出来ない魔法を繰り返し撃っていく。

 訓練場の隅にある魔法無効の壁は、魔法の練習にぴったりだ。

 俺は夕方になるまで、魔法の訓練を続けた。


 夕焼けが綺麗なオレンジ色に染まる頃、俺は少なくなった魔力を感じて、練習を切り上げた。

 お風呂場に直行して、服を脱いで風呂場に入る。

 身体を洗って、湯船に浸かる。


「あぁ、生き返る~」


 俺はゆっくり湯船に浸かってから、風呂場を出て、礼服に着替えた。

 自室に戻り、ゆっくりする。

 しばらくして、トントンと、ノックの音が響いた。


「アルキス様、晩餐のお時間です。皆様お揃いですよ」


「わかった、今行く!」


 俺は身支度を整えて、自室を出た。

 食堂に入ると全員揃っており、お姉様達も怪我はなさそうだった。

 俺は安心して自分の席に座った。

 すぐに美味しそうな料理が並べられる。


「本日のメニューは、スープと野菜サラダ、メインはオークカツと焼きたてパンでございます。デザートはプリンを用意しております。どうぞご賞味下さい」


 ガストンが一歩下がり、静かに食事が始まった。

 俺はスープから飲む。

 うんっ、美味しい!

 野菜サラダをしゃくしゃく食べてから、メインのオークカツを見る。

 オークカツには茶色いソースがかけられており、レモンが添えられている。

 俺はレモンを搾って、カツを口に入れた。

 うーんっ、美味しい!

 お肉は柔らかいし、とってもジューシーだ。

 すると、ベイクブリッド辺境伯様が唸った。


「これは、なんという美味さだ。外側はサクッとしており、内側はなんともジューシーで肉汁が溢れ出てくる。まさに、決戦前の食事に相応しい。料理長、これもアルキスの考案かい?」


「さようでございます」


「ううむ、オーク肉は食べ慣れているが、新しい美味しさだ。アルキス、これは至高の料理だ。そしてここ数日で食べさせて貰った料理は革新的だ。ぜひ、王家にもレシピを売りたまえ」


 えっ、王家?!

 そんなに大層な料理かな?


「王家、ですか……。レシピを売るのは良いのですが、献上した方が良いのではありませんか?」


「王家はな、何事も最先端でなければならない。美味い料理なんて、いくら払っても欲しいはずだ。シカラーゴ子爵、宜しいか。俺も王家に手紙を送っておくので、王家にレシピを売って欲しい。宜しく頼むぞ」


「はい、かしこまりました。アルキス、他にもレシピは思いついたのがあるか」


「うん。あと2つ、あるよ。明日、ガストンに伝授するね」


「うむ。それをクレベルタ商会に売った後、王家に手紙を書く。宜しく頼むぞ」


 俺は頷いて、ゴマのパンを口に入れた。

 食事が終わり、食後のお茶を飲んでいると、お父様が切り出した。


「まずは、ジュリア、ルルーシュ、アストレイ様、無事に帰還できて何よりだ。3人の無事を祈っていたよ。さて、森の様子はどうだった? ジュリア」


「昨日にも増してゴブリンは多かったわ。私達はゴブリンの村を発見したの。そこで300体ほど討伐したわ。今日は合わせて531体も討伐したの。信じられないほど遭遇率が高いし、何かあると思ったわ」


「ゴブリンの上位種がだいたい一緒に出て来るから、うざったかったよ。俺が盾で押さえ込んでる所に、アストレイ様が斬り掛かってくれたから、やりやすかったよ」


「俺が2人の連携を邪魔していなければ幸いだ。今日も無事に討伐を済ます事が出来て、ほっとしているよ」


 ジュリアお姉様、ルルーシュお兄様、アストレイ様はそのように言った。

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