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洗濯機の試運転

 洗濯機は排水の問題があるから、屋敷の裏に回ろう。

 馬小屋を覗くと、ピエールがいた。


「アルキス様、どうしましたか?」


「やあ、ピエール。金やすりを貸してくれないか?」


「良いですよ。はい、どうぞ」


「あと、洗濯機の修理が終わったんだ。どこで試運転しても良い?」


「そうですか、じゃあこのへんでどうですか?」


「わかったよ、ありがとう。やってみるね」


 俺は指定の場所に洗濯機を出し、底の魔石ソケットに魔石をセットし、木の基盤も装着した。

 アイテムボックスから洗濯物を出して、中に入れる。

 

「よおし、スイッチオン!」


 スイッチを入れると、洗濯機に水が入っていく。

 問題なく動いたようだ。

 5分後、『ウィンド』の効果で、洗濯物が螺旋を描く。

 俺は入れ忘れていた洗剤を入れて、腰を下ろした。

 アイテムボックスから金属の基盤を取り出す。

 これは、洗濯機に元々ついていた基盤だ。

 その表面には、配線と呪文が書かれている。

 それを金やすりで、削って消していく。

 一生懸命やすりをかけていたら、脱水が終わっていた。

 『ウォーム』の呪文は上下左右に発動するように、配線を組んでいる。

 俺は蓋を開けて、乾燥機能が働いているか確認する。

 洗濯機の中で洗濯物が踊りながら回転している。

 うん、これで良い。

 俺は金属の基盤に丁寧にやすりをかけながら、乾燥が終わるのを待った。


 ピーッ、ピーッ!

 終わったときのブザーが鳴り、洗濯機の中を覗き込む。

 排水もきちんと出来ているし、乾燥も終わっている。

 洗濯物のシーツを取り出して、生乾きではないか確認する。

 うん、ほかほかだ。

 シーツを畳み、シャツ3枚も同じように畳む。

 洗った洗濯物はしっかり乾いていた。

 シワも目立つほどではない。

 回転させて乾かしたからか、ふんわり仕上がっている。

 俺は結果に満足して、洗濯機をしまった。


 自室に戻る途中で、メイドのサーラに会い、洗濯した洗濯物を渡した。

 

「うわあ、もう乾いたんですか?」


「うん、洗濯機に乾燥機能をつけたんだ。太陽にあてて乾かした方が良いかもしれないけど、どうかな? 気になるところ、ある?」


「シワも少ないし、とても良いですね! 気になるところなんて、ありませんよ。素晴らしいです!」


「そっか。もしかしたら、家でも使うようになるかもしれない。そのときは宜しくね」


「はいっ、わかりました!」


 俺は自室に戻り、金属の基盤を取り出した。

 部屋の片隅に洗濯機を出して、木の基盤を取り出す。

 俺は机に座って、木の基盤の配線と呪文を、金属の基盤に書き写していく。

 およそ30分かけて、丁寧に書き写し終えた。


 俺は洗濯機に金属の基盤をセットし、木の基盤は、アイテムボックスに入れた。

 俺は自室を出て、執事室へ行った。

 トントンとノックをする。


「どうぞ」


 俺はドアを開けて中に入った。


「アルキス様、如何しましたか?」


「あのね、洗濯機の修理が終わって、試運転をしてきたんだ。ちゃんと動いたから、その報告に来たんだ」


「おお、それは素晴らしいですね」


「それとね、乾燥機能をつけたんだ。洗濯が終わった後、自動で乾かしてくれるんだ。乾燥に30分かかるから、洗濯に1時間かかることになるけど、どう思う?」


「乾燥機能付きの洗濯機なんて、聞いたことありませんな。私の乏しい知識だと、これは新しい魔法ではありませんか?」


「そうだと思う。火と風の混合魔法を使ったんだ。もしかしたら、俺以外に使っている人はいないかも」


「アルキス様、そうなりますと、魔導具ギルドに登録が必要となります。幸い、アストレイ様が魔導具にお詳しいようでした。晩餐の時間に聞いてみた方が宜しいですな」


 ジョルジュは詳しくは知らないらしい。

 俺は素直に頷いた。


「うん、わかった。洗濯機は、屋敷で使う?」


「ええ。登録の際に持っていく必要があるでしょうから、それが済んだら、屋敷に設置しましょう。と、いうことは、アルキス様は洗濯機を作れるようになったわけですね」


「うん。外側は金物屋に注文しなきゃいけないけど、基盤にどう書くかは覚えているから、何台でも作れるよ」


「素晴らしいことです。では、ベイクブリッド辺境伯様に、装飾を凝らした乾燥機能付き洗濯機を贈呈しましょう」


「うん、わかった。じゃあ、金物屋に注文してこようか?」


「そうですね。護衛にはジャックを連れて行って下さい。請求はシカラーゴ子爵家に回すようにお願いできますか?」


「うん、わかった。行ってきます!」


 俺は自室に戻り、短刀を装備して、肩掛け鞄を肩にかけた。

 訓練場を覗くと、ジャックの姿が見えた。


「ジャックー! 町に出るから、護衛をお願いして良い?」


「おっ、アルキス様じゃねえか。わかった、ちょっと団長に言ってくる。待っててくれ」


 ジャックは詰め所に飛び込んでいき、少しして戻ってきた。


「お待たせしました。行きましょうか。どこへ行くんです?」


「まずは、金物屋に行きたいんだ。どこか知り合いの人、いる?」


「んじゃあ、トムさんの店に行こうか。腕は良いって話だぜ。じゃあ、行こう」


 俺はジャックについて、歩き出した。

 ジャックは食料品エリアでまたもやモッテモテ。

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