12話 強欲の大罪魔獣白狼
改めて前書き。
楽しくなっちゃったァァァ
ハイラー王国に突如降り始めた雪。
それから間もなくオオカミのような雄たけびを街のすべての人がおそらく耳にしたのだろう。
そう、目の前には魔獣がいた。
白い毛並みに俺の知るオオカミのような姿をしていた。
しかしながら少し違うのはその魔獣が持つ巨体というか、その辺の丘よりも大きいのではと錯覚するくらいだ。
このくらい大きな、それも危険な魔獣が現れたというわけなのだが、流石に王国聖騎士どもが出動してもおかしくはないだろう。
「やるか?」
俺はふとレオナに聞いてみた。まじで興味を示すかのようにだ。
レオナは少し嫌そうに、
「ええ? まあ、良いですけど。ただ一つ言えることは。あれはただの魔獣ではないですからね」
「へえ、おもしろそうじゃん」
「なんですか、その自信、なんかまるで倒せるみたいな発言しているんですか」
「うん。今の俺なら、いける気がする?」
「なんで疑問形なのですか? しかしながら、どこからそんな自信。まあ、良いですよ。私、知りませんからねー」
俺とレオナはすぐにその白い魔獣の元に近づいていく。
白い魔獣は俺達に反応してすかさず、前足を振り下ろす。
俺達との距離はかなりあったはず。
しかしながら白い魔獣から繰り出される攻撃というか、真空波?が押し寄せていく。
「避けてください!」
「え、なんで?」
俺はレオナの忠告通り、その真空波を避けることにした。
真空波は俺のすぐ横を通り過ぎ、一軒の家を粉々に倒壊していった。
「うえ、あれ当たると肉体が粉々だな。てか、あそこ人いなかったか?」
「いや、多分、大丈夫だと思いますよ」
「なら、いい。じゃあ俺らも反撃するか。レオナ、あのスキルで魔獣に遠距離攻撃してくれ。俺は魔獣に近づいて何か攻撃できる手立てを探してみる」
「分かりました。ですが、雪村さんは戦闘経験はそこまでないのに大丈夫ですか?」
「まあ、さっきフロレアと修行していた」
まあ本当は俺は吸血鬼による治癒力が莫大に上がっただけなんだけど。詳しく言うわけにもいかないからな。
「そうですねフロレア―ル様が言うのでしたら、ええ。雪村さん、頑張ってくださいね! 勝ちましょう、この戦い!」
「ああ、背中は任せたぜ」
俺は白い魔獣に近づいて弱点を探るとともに、攻撃し、レオナは遠距離攻撃に徹する。
レオナのスキル『光明』は光の斬撃であらゆるものを切り裂くことができ、見たところによると遠くまで斬撃が届いていたはずから多分、後衛に回しても十分戦えるはず。
それに俺のスキルは今のところ遠くまで飛ばす手立ては今のところないはず、というか、俺はまだやったことない。多分ブリューメルに聞けば遠距離攻撃方法とか教えてくれそうだけど。
でもまあ、今あるリソースでどうにか魔獣と戦っていくしかない。
俺は魔獣が繰り出す真空波を避けつつ、近づいていく。
レオナは遠距離でスキルを連発している。意外と連発できるということはあいつ、タフなやつだな。ただの人間じゃないだろ。
しかもレオナは魔獣の真空波をスキルで相殺するくらいにスキルに対する出力をどんどん上げている。
それも何度も真空波を切り裂いて被害を最小限に抑えているところ、あいつマジで天才かと思ってしまった。
さて、後ろの方はスキル天才ちゃんに全部お任せすることにして、俺は魔獣の弱点でも探っていこうか。
*
俺は魔獣のいる方角へとどんどん進んでいき、気づけば街を出ていた。
それにしてもあいつでかすぎんって思うくらいに、魔獣のすぐ近くまで来て改めて思った。
白い魔獣は俺の姿を見るなり、すぐに威嚇して、そのまま俺の方に前足を振り下ろしていく。
「がは……」
ゼロ距離で食らった魔獣の攻撃は俺の胸、腹を関係なく切り裂いていく。
だが、まだ、この程度なら。
俺はすぐに回復しようと試みたが、白い魔獣は容赦なく、それも執拗に俺へと爪を突き立てる。
ヤバい、これは本当に死ぬ。
俺は死を覚悟した。まさか吸血鬼の力がこうもあっさり負けることになるとは。
《はあ、しょうがないな君ってやつは》
ブリューメルは情けないなと言わんばかりに、俺に囁くと。
《ちょっと身体借りるよ》
ブリューメルのその発言と同時に、俺の身体の主導権を奪われてしまう。
「やあ、おはよう。強欲ちゃん」
ブリューメルはそう呟き、不気味に微笑んだ。
レオナは白い魔獣の正体は知ってます、王候補で博識ですから。雪村君は白い魔獣のこと全く知りませんし、アホなので突っ込みます、その方法しか思いついていません。弱点を探るところ悪くないねぇ、後、レオナのスキルが遠距離使えるの、よく気付きましたねぇ。雪村君はただのアホではないです。因みにブリューメルの最後のセリフは正解です。




