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第1章-42 決戦前夜ってこういう雰囲気になることある……かな?

「……という流れで情報を収集してまいりました」


 いやいやいや、最後なんか死ぬ寸前みたいになってたけども!?


 しかも今の流れでどうやって助かったんですか!?


「ふふ、がんばって逃げました」


 がんばってなんとかなる状況には見えないけど!?


 どう考えても絶体絶命だよね!?


「相変わらずだね、アンタは。いまだに現役ってわけだ」


「さすがに現役の時ほどのキレはありませんよ」


 なんの現役なんですかー!


 回想シーン長くていつの間にか夜になってるし!


「というかシャリアさん、もしかして大ケガしてるんですか!!」


「ご心配ありがとうございます。大丈夫です、軽いかすり傷ですので」


 そう言いながら手の平を見せてくる。


 よ~く見ると確かに薄っすらと青あざのようなのが小指の下あたりにある。


 むしろさっきの回想シーンの感じでなんで凍傷とかでなく青あざなの?


 もう今回の事件は全部シャリアさん一人で解決出来るんじゃなかろうか。


「あっ聞き忘れてましたが、さっき言っていた魔性の類ってなんのことだったんですか?」


 考えることを止めた僕はミラン姉さんに話を振った。


「ん? あぁ、あいつは会う度に年齢が変わる文字通りの魔性の類だからさ。

それで気に入った相手を……いや、アーサーはまだ知らなくていい話だから忘れてくれ」


 まだ知らなくていいということはいつか教えてくれるということかな。早く大人になりたい。


 とりあえず話を戻そうか。


「それにしても美少女奴隷ハーレムですか。

これで僕はますます腐れ勇者に負けられなくなりましたね」


 異世界転生ものだと確かにそういうジャンルも需要があるといえばあるけども、実際にやろうとする人を目の前で見ると気分が悪いね。


「アーサー様にばかりご負担がいってしまい申し訳ありません。

この戦いが終わりましたらお嬢様達を好きにしていただいて構いませんので」


「それ敵側が言うやつでは!?」


「ご安心ください。その時は微力ながら私もお手伝いさせていただきます」


 どういう手伝いかは聞かないほうがいい気がする。


 チラッとセレスさんにヘルプの眼差しを向ける。


 待って待って、「えっ私も脱いだほうがよろしいですか?」みたいに自分の服を緩めるの止めてくれる!?


 今の僕に一番必要なものは適切にツッコミを入れてくれる常識人のようだ。


 はぁ……こんな時にシャルがいてくれたらなぁ。


「それでミランさん。修行はどうだったのでしょうか?」


 軌道修正してくれたセレスさん。


 さっき緩めた服はそのままなのが気になるが、この場の誰もツッコんでないのでスルーするのがよさそうだ。


「時間内に出来ることはしたというかさせてくれなかったというか、少なくとも私をギチギチに縛りあげる実力は持っているぞ」


「言い方ぁっ!?」


「ギチギチに……?」


 どういうこと? という視線がセレスさんから突き刺さる。


「縛りあげる……次は私をご希望ということでしょうか?」


 どこからか取り出した縄を持って僕にグイグイ押し付けてくるシャリアさん。


 これで僕にどうしろと?


 どうにかバインドアームを使ったらかくかくしかじかと必死に説明することで誤解を解くことが出来た。


 こんな無駄なことで一時間も使ってしまったんですけど。


 みんな明日が決戦の日だって覚えているのかな?


「つまりバインドアームで腐れ勇者をあられもない姿にして心を完全にへし折って勝利するということですね。

さすがアーサー様でございます」


 違うよっ!?


「ミラン姉さんのおかげで経験も積めたから、もうあの時みたいなやられ方はしないと思うんです。

それに、切り札もあります」


 箱から手に入れた物について説明すると、セレスさんとシャリアさんは驚いていた。


「それと……こういう作戦はどうでしょう?」


 ひそひそと作戦を説明していく。


 長い話し合いの末、僕達の準備は整った。


 その夜、明日に備えて早めに就寝することになった。


 だけど明日のことが心配でうまく眠れない。


 切り札は用意したし作戦も練った。


 でもこれだけで本当に足りるのか心配でしょうがない。


 とりあえずツアー本でも開いて自分のステータスの最終チェックでもしようかと起き上がってツアー本を取り出した。


「そういえばクルネは戻ってこなかったなぁ」


「お呼びでしょうか?」


「えっ!?」


「なかなか呼んでくださらないから忘れられてしまったのかと……オモイマシタ」


「急にロボキャラ作ってきた!?」


「ご所望でしたらロボットもご用意出来ますが……?」


 まじで!


 それは後でじっくり聞かせてもらおう。


 リアルタイプにするかスーパータイプにするか迷うなぁ。


「それで、今までどこに行っていたの?」


「はい、実は……ごにょごにょ」


「……えっ、本当に!?」


 コクンと頷くクルネ。それが本当ならもしもの時に使えるかもしれない。


 どうやら切り札が、いやジョーカーがもう一枚僕の手元にやってきたようだ。


 何故言い直したかはジョーカーの方がカッコいい気がするからなのは言うまでもない。


少しでも面白い、これなら続きを読んでやってもいいかなと思われた方はポチっとポイントをいただけるととんでもないくらい励みになります!

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