197.閑話1
今日も素晴らしい青い晴天だった。
一定量以上の魔素が漂うこの土地が赤い果実がよく育つ。自分で編んだ麦わら帽子を被っているノイジーは、落とさぬように帽子のつばを左手で掴みながら空を仰ぐ。
「なんで、こうなったのぉおおお!!」
彼女はこのゲームを始め、最初は釣りをしようとしていた。しかし、迷いの森に入っても一向に川が見つからなかった。そして、探すのは諦め、街での情報収集を始めた。
いろんな人から話を聞いた彼女は絶望した。それはもうこの世は地獄かと思うほどに。
彼女が聞いた話をまとめると。
迷いの森には川が流れておらず、魚がいる海につくには迷いの森を抜けなくてはならないという。唯一海と接してる国は遠くにあり、ここから着くのは長い時間がかかると。
しかし、彼女は立ち直りそれならと、釣り堀を作ろうと思った。生きた魚なら手に入るというので、それなら自分で養殖場を作り、魚を繁殖させて、そこで釣りしようと。
迷いの森の比較的開けた場所に穴を掘った。
穴は色んな手段で掘った。手で掘ると時間がかかり過ぎ、スコップで掘ると次は出てくるのに時間がかかった。最終的には土を魔法で掘ることが一番効率が良いと考えた。
それがいけなかった。
掘った穴が5メートルあたりに達したころ、魔素に引き寄せられた魔物が襲いかかってきた。そこそこ大きな魔物はノイジーには倒せず、それでも抵抗した結果、魔物は穴に落ちた。魔物は打ち所が悪く気絶し、彼女はすかさず土で埋めた。
息が出来なくなった魔物は土の中で息絶えた。
彼女は汗水たらし掘った穴が無くなったことにショックを受けたが、また奮起して穴を掘り始めた。しかし、何故魔物がここに来たのか知らない彼女はまた穴を魔法で掘った。
少しの時間が経ち、魔物が埋めた場所に木が育っていることに気が付いた。その木に愛着が湧いたノイジーは水をあげた。
木はその水を飲み、また成長する。成長した分だけ土が乾いた。そのたびに彼女は水をあげた。ぐんぐんと成長し、赤い実をつけた。恐る恐る食べてみると、甘酸っぱい、美味しい果実だった。
木を育てている間も穴を掘っていたノイジーは、また魔物を一匹穴に埋めることになった。それをいくつか繰り返し、いつの間にか、そこは畑になっていた。
頭を抱えた彼女は、苦肉の策にその実を売って金にしようと思った。
その実は思った以上に高値で売れ、懐もほくほくだった。しかし、それを見ていた他のプレイヤーが自分もと、彼女を追いまわし始めたのだった。




