194.巨大な
1歩ごとにスネアテが草刈り鎌のように尻尾を振い、草を刈ってくれている。それを見ながら俺は、今度、草を採取するときは、スネアテに手伝ってもらおうと心に決めた。
「歩くのが楽になったよ。スネアテ、ありがとう」
シュー
嬉しそうに尻尾を揺らすスネアテ。‥‥危ないからむやみに振り回さないで欲しい。あれ?でも、意思で切れる切れないのオンオフが出来るんだっけ?そうしないと、俺の足もすでに切れてるよな?じゃあ、大丈夫か。杞憂だったな。
草の道を歩いて行くと、どこからか、ギシギシと聞こえる音が聞こえた。まるで古い床の廊下を歩くよな音だ。
「にゃ!」
今までジッとしていてエリマキが肩の上から降りて、すっ飛んでいった。
「エリマキ、どこに行くんだ?」
俺はかろうじて見えたエリマキの残像を追った。
ガサガサと草のかき分ける音と、エリマキの鳴き声、それからまたギシギシ音が聞こえる。このギシギシする音は一体何なんだ。ここら辺に床っぽいものがあるわけでもないし。いや、もしかしたら、ファンタジーだし、急に床が現れることも無きにしも非ずか?
そんなへんてこな考えをしている間もギシギシ音が聞こえる。しかも、近づくごとにそれは多く、大きくなっていった。
「うるさっ!」
俺はワダカミの前足を掴んで耳を塞いでみた。何となく、やったことだが、意外と丁度良かった。ギシギシ音は半減するが、拾えなくないわけでもないし、温かくて、何より肉球がしっとりしていて、低反発のスライムのようだった。
今までは毛並みの肌触りばかりを気にしていたが、肉球の感触も調べなくてはいけないな。エリマキはもちろん、フレッド達のものまで。
しかし、ちょっと爪が顔に食い込むのが難点だった。
「あとで爪切りか?」
いや、しかし、エリマキ達の爪を切れる道具なんてあるのか?あったところで、それは俺に扱えるものなのか?無理そうだなぁ。爪とぎのやつとか無いのかな?
俺が悩んでいると、エリマキを発見することが出来た。
「んゑ?」
驚き過ぎて、どこから出てたのか分からない声が出てしまった。
言い分けになってしまうが、だって、エリマキが咥えてるんですよ!巨大な虫を!
小さな子猫サイズの大きな虫。それが、ギシギシと音を立てている。
そして、俺は気づきなくないことに気づいてしまった。未だ周りでなっているこのギシギシさん達は、この巨大な虫だってことに!
「にゃー」
エリマキが咥えたものを落とし、褒めてと声を上げた。落とした瞬間を見計らって、虫は逃げようとする。しかし、エリマキはそれを許さず、叩き落として押さえつけた。




