第六九話 不安に苛まれる胸中
『霊銀の剣』の拠点を後にした俺は、一人、夕空のインクウェルの街を歩いていた。
もっぱら、考える事はひとつ。バルバトスから齎された話のこと。
無差別的な婦女暴行事件。被害女性が聞いたという『ヤマナカ』という言葉。
『ヤマナカ』というのは、恐らく陽の事に間違いないだろう。
山中陽。俺の幼馴染であり、この異世界ではヒナタという名で活動している俺のパーティーメンバー。
犯人の目的は陽……? という事は、新聖国ミリスシーリアの追手だろうか。
陽とせつなは、勇者召喚の際に得られるという強大なスキル――恩恵を有していなかった為に、勇者失格の烙印を押され、新聖国ミリスシーリアを追われた。
そして、同時に陽とせつなを亡き者にしようと画策する一派に襲われた過去がある。
当時は命からがら逃げ出すことに成功し、リーディニの街で新人冒険者として活動していたところを俺と再会するに至った。
それから今日まで、平穏な日々を送っていたのだが……ここ最近、ヘカトン討伐に、史上最速のゴールドクラス昇級と、色々と目立つことが多くなっている。
陽とせつなの活躍を耳にした聖国関係者が放った刺客? あるいは別の何者か……。
ただ、襲撃犯が聖国関係者だと仮定すると、おかしな点もある。それは、陽の容貌を知らない可能性が高いという事だ。
陽の外見を知っているのなら、無差別的に女性冒険者を襲う理由が浮かばないし、素性が明らかになるリスクを背負うべきじゃない。狙い澄まして、強襲すればいいのだから。
いくら思考に思考を重ねても、断片的な情報しかない現状、事実は不明瞭だ。
打てる対策も限られている。とにかく、陽とせつなには、単独行動をさせるべきじゃないな。必ず誰かと行動を共にするよう、強く言い聞かせないと。
そんな事を考えながら歩いていると……。
「あれ? りゅうちゃんじゃんっ」
噂すれば何とやら。偶然にも陽と街中で出会った。
「あぁ、陽か。皆と一緒だったんだな」
「うんっ。皆で買い物してたんだよっ。ノアちゃんの武器を探しながらねっ」
陽の他に、ソフィ、せつな、ロノアと、いつものメンバーが勢揃いしていた。本日の迷宮探索が終わってから、俺以外の女子メンバーで買い物していたらしい。俺はバルバトスに呼ばれていたからな。
「リュウヤさん、バルバトスさんとのお話は何だったのです?」
「うん、ちょっと最近物騒な事が多いって話だった。女性冒険者が何者かに襲撃される事件が相次いで起こっているらしいんだ」
「うへぇ~、何だか怖いね……。あたしたちも注意しないと」
「そうだな。陽と……せつなは特に注意した方がいい。出掛ける時は必ず誰かと一緒に行動するんだ。絶対に一人で行動するんじゃないぞ」
「私と……陽さんは……ですか……?」
「あぁ。どうやら聖――あの国の関係者の可能性が高いんだ」
事情を知らないロノアがいるので、少しぼかして注意を促した。
途端に神妙な表情になる二人。どうやら、俺が言いたいことを判ってくれたようだった。
「そう……。うんっ、判ったよ、りゅうちゃんっ。ボッチ行動はしないよ。それと、あたしとせっちゃんの二人だけの行動も控えた方がいいね」
あぁ、確かに陽の言う通りだ。陽が狙われている可能性がある以上、せつなが安全とは言い難い。陽とせつな二人だけも止しておいた方がいいな。
陽がササッと俺に近付き、小声で耳打ちをしてきた。
「せっちゃんにはモモちゃんを張り付けた方がいいんじゃない?」
「ん? モモをか?」
「うん。モモちゃんなら、りゅうちゃんと同じように、せっちゃんのフードの中に隠れられるし、いざとなった時の切り札になると思うんだ」
ふむ。確かにそれはいい案かもしれない。モモなら不意を突けるだろうし、せつなが逃走できる時間を稼げるかもしれない。
話は聞いていたよな、モモ? 明日からは出来るだけ、せつなについていて欲しいんだけど……。
モモは了承するように、俺のフードの中でぷるんと一度震えた。そして、何か言いたそうにぷにょぷにょと蠢く。
《マスター、モモは『外に出るときだけでもいいの?』と、聞いています。どうやら拠点内では、出来るだけマスターの近くに居たいようです。愛されていますね》
ははぁ~、この、愛い奴め。許可する。
「でもさ、りゅうちゃん。その事件って無差別的犯行なんでしょ? なら、フィーちゃんも、ノアちゃんも危ないんじゃない? ……あたしたちと関係が深いから、真っ先に狙われる可能性が高いかも」
陽が最後の言葉だけ、俺にしか聞こえないように言った。
「そうですね。わたしは、皆さんと一緒に住んでますし、一人にならないように気を付けるだけでいいですけど……ロノアさんは……」
ソフィがチラッとロノアを一瞥する。ロノアはさっきからずっと黙ったままだ。自分が口を挟むような話ではないと、気遣ってくれたのだろうか。
「そうか。ロノアは一人になってしまう時間が多いんだよな」
「わたしは皆様とは一緒に住んでいませんから、それは仕方がないと思いますよ。でも、被害に遭われた方は、女性冒険者なのですよね? わたしはポーターですし、問題ないのでは?」
ロノアはポーターであり、冒険者ではない。だが、襲撃犯が漏らした『ヤマナカ』という言葉が、この場合重要になる。
ポーターといえど、ここ最近、俺たちと行動を共にするロノアが狙われる可能性も充分にあるし、かなり高いと思われる。
「あっ! それならいい事思い付いちゃったっ!」
陽がハイッと勢いよく手を挙げた。
「ノアちゃんも、あたしたちと一緒に住めばいいんじゃない? 部屋も余っているんだしさっ」
確かに、安全面を考えると、常に俺たちと行動を共にする方がいいとは思う。まだまだ使っていない部屋も多いしな。
だが、ロノアは……。
「そう言って頂けると、皆様に受け入れられているんだなぁって思いますし、とても嬉しいです。ですが、申し訳ありませんが、わたしは皆様と居を同じくすることは出来ません」
「えぇ~、どうしてさっ。みんな一緒だと楽しいよ? お風呂もあるし」
「お、お風呂ですか? それはとても魅力的ですが……」
ぐいぐいと迫る陽に、ロノアはとても困惑した表情を浮かべている。
「ヒナタさん。ロノアさんにもご事情があるみたいなので、無理強いはいけませんよ」
「むむぅ~。フィーちゃんの言っている事も正しいし……ごめんね、ノアちゃんっ。強引だったよ」
「い、いえ。誘ってもらえて、とても嬉しかったですし、謝らないで下さい」
素直に自身の非を認め、陽が謝罪すると、今度は恐縮したようにロノアが両手をわたわたとさせていた。
「一緒に住めなくても……夜道は危ないよ……? ロノアちゃんひとりは……心配……」
「そうだな。せつなの言う通りだと俺も思う。だからさ、送り迎えするっていうのはどう? 特に迷宮探索終わりには、ロノアを送った方がいいと思うんだけど」
「賛成~っ! あたしもそれが良いと思うっ」
陽が「はいはぁい」と手を挙げると、ソフィとせつなも首肯する。
「そ、そんなの、申し訳ありませんよ! わたし、ポーターなんですよ? そんなに気を使わないで下さい……」
ロノアは、事あるごとに『ポーターだから』と、いつも遠慮する節がある。俺たちはポーターだからと言って、ぞんざいに扱うつもりは毛頭ないのだが。ロノア自身がポーターという事を強く意識し、尚且つ劣等感を抱いているのだ。解消には長い時間掛かるだろうな。
「ポーターとかって言うのは、関係ないよ。女の子の一人歩きは危ないって思うし。そうだな、皆で送るっていうのは、ちょっとアレだからさ。俺が送り迎えするよ」
俺がそう提案すると、陽とソフィ、そしてせつなが一斉に俺に振り向き、目を瞠った。
「え!? りゅうちゃんが送り迎えするの!?」
「まさか、リュウヤさん自ら……」
「う、羨ましい……」
え? そんなに驚くことなの?
《はい。私も同じく驚いております。面倒臭がりなマスターが、幼女の送り迎えなどと……明日は豪雨ですね》
ラファよ……雨を通り越して、豪雨なのね。そんなに珍しいのね。というか、ロノアの事を幼女って呼ぶことにしたのね。それ、絶対本人に言っちゃダメだかんね。
「いや、だってさ。女性冒険者が狙われているんだよ? なのに、ソフィたちが無暗矢鱈に出歩くべきじゃないだろ? 消去法で言ったら俺しかないじゃん」
俺がそう言うと、途端にジト目になる三人。そして、同時にため息を吐いた。
「リュウヤさん、その言い方は……」
「うん……ちょっと……」
「りゅうちゃんって、どこまで行ってもりゅうちゃんだよね」
えっと……なんで、皆呆れ返っているんだ? 別に俺はおかしな事は何一つ言っていないと思うんだけど……。
「りゅうちゃんが残念なのは、今に始まったことじゃないから、いいとして……。あたしはりゅうちゃんが送り迎えするのは、いいと思うよ」
陽は判っているのだろう。自分が狙われているのに、無暗出歩く危険性を。
「で、でも……」
それでも戸惑っているロノア。押し問答になり兼ねないので、きっぱりと俺は宣言しておく。
「ロノアが何と言おうと、俺が暫くは送り迎えするからな。だから、諦めろ」
「えっと……は、はい……判りました。すみませんが、宜しくお願いします、リュウヤ様」
うぅと悩んでいたロノアは、最終的に折れ、ペコリと俺に頭を下げた。
「あっ! そうそう、りゅうちゃん。今からノアちゃんをうちに招待するんだけど、いいよね?」
唐突に陽がそんな事を言ってきた。俺としては別に問題は無いんだけれど……。
「ふぇ!? え、え、え!? そ、そんな話、わたし聞いていませんよ!?」
あれ? 当のロノアが焦っているぞ……?
「うんっ。だって、今言ったもんっ」
『もん』って……。というか、そう言うのって前もって誘うべきなんじゃないかな?
「フラミんにもお食事頑張って貰っているし、いいでしょ? ノアちゃんっ」
「えっと……」
陽のペースにタジタジのロノア。まぁ陽のペースに合わせられる人なんてこの世にいないからな。俺を見ても、助けられないからね、ロノア。
「あっ、もしかして、この後用事とかあったりしたぁ?」
「い、いえ。この後は空いていますけど」
「おっけぇ~。なら、決まりだっ!」
いやいやいや、どこが『おっけぇ~』なんだよッ! ほら、ソフィとせつなが呆れつつ苦笑しているじゃねぇか!
久々に陽の強引さが発揮され、急遽ロノアが家に来ることになった。
まぁ陽の気持ちも判らないでもない。陽はロノアと仲良くなりたいんだろうしな。困惑しているロノアには悪いけど、陽に付き合ってくれ。
◇
屋敷に着く頃になると、ロノアも諦めたようで、目一杯楽しもうと心を整理した様子であった。
立派な洋館を目の当たりにして、『すごい……やっぱりお金持ちだったんだ……』と、眼をパチクリしていた。
更に、俺たちの帰宅を第六感的超感覚で気付いたフラミアが、玄関で出迎えてくれた。それにも驚いた様子のロノア。普段迷宮探索に於いて、冷静かつ慎重な彼女とは違った一面だ。少しずつではあるけれど、心を開いて来てくれたのだろうか。
リビングへ向かうと、美味しそうな匂いが漂ってきた。
どうやら、陽が言っていたように、フラミアには事前にロノアを招待すると伝えていたらしい。腕によりをかけた料理が並み、ぐぅ~と腹が鳴る。心配事に頭を悩ませていた俺だったが、どうやら結構腹が減っていたようである。
「家事」スキルを持っているフラミアの手料理は絶品。どれもこれも美味いのだ。それだけでもフラミアが眷属になってくれて良かったと思う。
因みに、魔物であるフラミアが人前に出ても、問題はない。悪霊だが、容姿は人族と変わりなく、フラミアが魔物だと気づく者は居ないのだ。
ラファ曰く、『聖職者の前に出なければ問題ない』とのこと。どうやら聖職者には、フラミアから邪気を感じられるそうで危険らしい。まぁこれはフラミアだけに関わらず、俺やモモも気を付けなければならないようだ。
なので、極力教会には近付かないようにしている。だが、これからはそうもいかないかもしれない。
迷宮都市インクウェルにある教会は、あのミリス教なのである。ミリス教は最大勢力であり、信者も多い。
勿論、総本山はあの新聖国ミリスシーリアである。だが、各地に点在しているミリス教の教会では、聖国程人族至上主義の風潮は強くない。この悪しき風潮は、聖国が掲げている主義であり、ミリス教の教義には記載されていないのだ。それを知った時、随分と驚いたものだ。
ミリス教経典には『魔に連なる者は、あまねく人類の敵である』という一文がある。その一文を歪曲し、過激にしたのが人族至上主義と言われている。頭が凝り固まった狂信者が造り上げた風潮なのである。
よって聖国近隣の過激派とそれ以外の地域の穏健派と分派しており、この迷宮都市国家アトリニアは、後者の穏健派が教会を運営しているらしい。なので、亜人族に対する風当たりはそこまで強くはない。
「すっごく、美味しかったです、フラミア様。ご馳走様でした」
食事が終わると、ロノアは満足そうな表情をしていた。
「ロノア様のお口に合ったのなら、幸いです。それとロノア様。私のような使用人に、敬称は不要で御座います。フラミアとお呼びくださいませ」
「そ、そんな呼び捨てなど出来ませんよ。わたしこそ、ロノアと呼んで下さい」
それから同じやり取りと続け、どちらも引く様子はなく、仕方がなく俺が仲裁に入る。
「フラミアもロノアも。そんなの何でもいいじゃんか。お互い好きな様に呼び合ったらいいんだし」
「そうですね。フラミアさんは、メイドとしての矜持が強いみたいですけど。わたしたちは、フラミアさんのこと、使用人だとは思ってないですよ」
「そうだねっ。フラミんも肩の力を抜いてもいいと思うよ。まぁ無理強いはしないけどね」
陽程砕けるのはどうかと思うけど、確かにあまり肩肘張らないで欲しい。俺までシャキッとしないといけない気がするしな。
そんなこんなで、楽しい食事は終わり、食後の一服として紅茶を嗜む。
「ねぇ、ノアちゃん。今日は泊っていくでしょ?」
「え? そ、そこまでお世話になるわけには……」
「えぇ~、いいじゃん。お泊り会しようよっ。ノアちゃんの事も聞きたいし、ガールズトークしよっ」
随分と楽しそうだな、陽は。陽に友達――心許せる人が増える事は良い事だ。ソフィ、せつなというかけがえのない友人が出来たからこそ、陽は積極的に自分からコミュニケーションを図るようになった気がする。元の世界では見られなかった成長だな。
でも、ちょっと暴走気味だ。それも人との距離感が上手く掴めないのが原因だろうけど。ちょっと、釘を差しておくか。
「陽、楽しいのは判るけど、あんまり無理強いはするなよ。ロノアも帰らなきゃいけないなら、送って行くからさ。まぁ別に問題ないなら、泊っていけばいいと思うけど」
俺がそう言うと、陽は自分が強引過ぎたと気付いたのか、少ししょんぼりと肩を落としていた。
そんな陽の様子をチラッと見たロノアは……。
「そうですね。特に帰らないといけないという訳ではありませんし、お言葉に甘えさせて頂きますね」
ニコッと陽に微笑み掛けるロノア。途端に、嬉しそうな明るい表情となった陽が、ガバッとロノアに抱きつく。
「ありがとぉ~、ノアちゃんっ。大好きっ」
抱き着かれたロノアは眉根を寄せて苦笑していたが、嫌がっている素振りも無く、陽を受け止めていた。よくよく見れば、ロノアも嬉しそうに頬を赤く染めているようだった。
ロノアが泊まることになり、女性陣でお風呂に向かって行く。
残された俺はソファーに深く腰を掛け、ふぅ~と息を吐き出す。
「お疲れのようで御座いますね、ご主人様」
紅茶のお代わりをフラミアが淹れてくれた。
「うん、まぁね。色々と物騒な事が起こっているみたいなんだ」
俺は事情の知らないフラミアに、事の成り行きを話していく。フラミアには包み隠さず、全てを話した。俺と陽とせつなが異世界人だという事から始まり、今日に至るまでに起こった全ての出来事を。
フラミアは静かに俺の話に耳を傾けてくれた。時に相槌を。時に質問をしながら。
「その様な事が……」
「うん。これからは警戒しないとな。この屋敷にも最低限の防衛線を貼らないと。明日、スフェーンの所に行って、何かいい魔導具は無いか聞いてくる予定」
「そうですね。確かにこの御屋敷だけでも、安全面の強化に努めるべきでございますね」
「うん。あ、そうそう。二階の改修はどんな感じ?」
「既に八割方終わっているようです。後は細々とした装飾関係のみですね」
ふむ、そうか……なら二、三日の内に終わるだろうな。それが終われば、フラミアの手は空く。
「ご主人様。私は屋敷の改修が済み次第、皆様に付き添えば宜しいんですね?」
理解が早くて助かる。
「うん。フラミアの負担が増えるかもしれないけど。よろしく頼むよ」
「畏まりました、ご主人様」
フラミアが慇懃な所作で腰を折った。
フラミアには「透過」というスキルがある。自身の身体を透明化させるスキルは、影ながらの護衛にとても相性がいい。
影ながら陽とせつなの護衛をしてもらおう。有事の際は、氷魔法を行使できるフラミアがサポートに入ってくれれば……。
「りゅうちゃん、お風呂あがったよぉ~」
思考を巡らしていると、風呂を上がった陽たちが戻って来た。すかさずフラミアが彼女たちのお茶の用意に取り掛かる。ホント、フラミアって優秀だよな。
「あんなに広いお風呂に入ったのは、私、初めてです」
ロノアが興奮しながら俺に詰め寄る。頬に赤みが差し、ほんのり色っぽい。風呂上がりの女の子ってなんでこんなに色っぽいんだろうか。
「ロノアちゃん……髪乾かさないと……風邪引いちゃうよ……」
「あうぅ。セツナ様、御免なさい。わたし、髪の量がすごく多くて、いつも自然乾燥に任せちゃっているんです」
「そうなんだ……でも……そんな事ばかりしちゃってたら……ボワァッとなっちゃうよね……?」
「はい。朝起きたら、いつもボワァッとなっちゃっています。なので、いつもフードを被って誤魔化しているんですけどね」
「髪は女の子の命だよ……? ほら……私が拭いてあげるから……」
せつながロノアの濡れた黒髪を拭いている。何だか仲の良い姉妹の様に見えて、とても微笑ましい光景だ。
ここ数時間で、随分とロノアも皆と打ち解けて来たように思う。やっぱり、共に迷宮探索するだけじゃダメなんだな。たまにはこういったイベント事も必要か……。
不安、心配事もあるけれど、今はこの時間を大事にしたい。そして、守りたい。
微笑み合う彼女たちを見て強く思う。この光景だけは何があっても絶対に守らなくては……。俺はそう心の奥底で固く誓うのだった。




