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5.
「‥‥マナファナ‥‥」
彼は何も言わないし、聞かない。その気持ちが嬉しくもあり、哀しくもあった。
ただ何かを言いた気に、静かに見つめるその目を見返して、マナファナは拳を握った。震えは、無理矢理だが、止まる。
「‥‥もぅ大分近い。‥‥行こう」
驚いたようにソノリアは瞬いた。
マナファナは苦笑した。そういえば、ついて来られるのが当たり前で、自分から誘ったことはなかったな、と思った。邪魔にしてはいなかったけれど、求めたわけでもなかった。
それから、今度は本当に微笑んだ。
「‥‥行こう。ついて来てほしい。見届けて、ほしいんだ。‥‥お前にはひどいことばかりしてしまうな‥‥」
自分が何を望んだのかに思い至り、微笑みは悲しい色を帯びる。
「‥‥大丈夫だよ」
何が起こるかは知らないだろう。
けれどもしかしたら分かっているのかもしれないと思った。
「大丈夫。何が起こっても‥‥僕は、絶対、君の味方でいるから。‥‥頑張るから。誓うよ‥‥」
あぁ、やはり分かっているのか。分かっていて、それでも見届けてくれるのか。
自分の心の中に、すべてが落ち着いた。今はじめて覚悟が決まったんだと分かった。
大丈夫。これなら、誇りを持って
死ねる。




